【感想】『カプチーノ・コースト』片瀬チヲル|自力で良くなるから、ちょっと待って欲しいんだ

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カプチーノ・コースト|片瀬カヲル

ケイチャン

ケイチャン

【2023年28冊目】

今回ご紹介する一冊は、

片瀬チヲル

カプチーノ・コーストです。

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【感想】「自力で良くなるから、ちょっと待って欲しいんだ」

惑えるひと夏の現代小説

あなたはお掃除は好きですか?
僕はまあまあ好きです
綺麗に片付けると
気持ち良いですね
そんなビーチクリーンの物語

パワハラで休職する

2ヵ月の休職期間
上司とのひと悶着で
心がフリーズした早柚(さゆ)
そんな彼女がし始めたことが
海辺の砂浜の清掃でした

長靴に軍手
長めのトングを使って
無心に汗してビーチクリーンに
打ち込む早柚
私が歩いた後は綺麗になる・・
確かな成果が、嬉しい

でもパワハラでの心の痛手が
なかなか消えないんだ
他人と話すのが怖い
この人は私を傷つけることを
言うんじゃないのか?
そう思うと何を言っていいのか
わからなくなってしまうんだ

「自力で良くなるから、ちょっと待って欲しいんだ」

そんな早柚の心を癒すのが
ビーチクリーンをする人たちです
ただ無心にゴミを拾う
そんな関係の仲間たち

役立つとか
必要だからとか
得になるだとか
何かをするのには理由がある

しかしビーチクリーンは
一時は綺麗になるものの
ゴミは無限のように
漂着してくる

ありがとうと褒められるより
偽善者めと言われるほうが多い
なーんにも得なんかない

ただ自分の心が軽くなる以外は

浜辺に流れ着く
尽きないゴミのように
日々生きているだけで
心に澱が溜まってしまう

そんな時、どうしたどうした?
と言われるよりも
ちょっと放っておいて
欲しい時もある

十人十色だなあと思う
繊細な人の物語でした
あなたは誰かが傷ついているとき
適切に慰めたり、放っておくことが
できますか?(難しいですよね泣)

作品紹介(出版社より)

しんどいときほど、周りに頼れない。

早柚(さゆ)は、会社を休職中の26歳。
ふとしたことから、地元の海岸のゴミ拾いを始めた。
自分を見つめ直す、ひと月の物語。

作品データ

タイトル:『カプチーノ・コースト』
著者:片瀬チヲル
出版社:講談社
発売日:2022/12/8

作家紹介

片瀬チヲル(かたせ ・ちをる)

1990年、北海道生まれ。明治大学文学部卒業。
2012年 大学在学中、「泡をたたき割る人魚は」が第55回群像新人文学賞優秀作に選ばれる

片瀬チヲルの作品

『泡をたたき割る人魚は』 (2012/07/06)
『【いきなり最強YouTuber!】ノベルプロジェクト 01/レイターズ 遅刻魔クロニクル 』 (2018/05/01)
カプチーノ・コースト』(2022/12/8)

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