ケイチャン
【2023年24冊目】
今回ご紹介する一冊は、
祝田秀全 著
『中世ヨーロッパ 騎士道の作法』です。
もくじ
【感想】「理想と現実のギャップが掟となる」
勇壮な甲冑に身をつつみ
戦場の華となり
あるいは宮廷で雅に過ごす
ロマン誘う中世の騎士たち
今も憧れを持って語られる
彼らの生態を解き明かします
騎士道とは何か?
その成立から発展を
戦争の形態の変遷と
人々の意識の変化を
たどりながら説明されます
プレイトメイルの出現で『鉄人』となる
全身を鉄板で覆う鎧で身を包み
抜群の防御力で戦闘の中心となる
20~30キロあるそうですが
一度僕も装着してみたいですね
馬に乗ることにより『決戦兵器』となる
戦場の華とは重装騎兵でしょう
プレイトメイルで自分はおろか
馬まで鎧化し、ランスを構え
集団突撃するのは
凄まじい迫力だったでしょうね!
そんな憧れの騎士は
武器と同様に様式も磨かれてゆく
時代の要請に答え
人々の理想を取り入れて
騎士道が成立してゆく
主君への忠誠
貴婦人への礼節などは
ふむふむと納得できますが
一方で
異教徒は虐殺OK!
略奪は当然の権利と
今の倫理観と異なるところも
興味深いですね
華やかなようで
金銭的に厳しく
(鎧や馬が高くつく)
丁稚奉公からスタートする
騎士生活がブラックで
今も昔も楽な暮らしなんて
一部の人だけなんだね、と
共感したりもします
中世の暮らしや
文化についても
詳らかにされて
こちらも面白い
文中の半分以上を
イラストが占めていて
ハードルゼロの読み易さも
『作法』シリーズのウリでしょう
あなたもひととき
中世のアイドル
『騎士』たちに
思いを馳せてみませんか
作品紹介(出版社より)
中世ヨーロッパの騎士たちの実態は今ひとつ分からないことが多い印象です。貴族しかなれなかったのか、そこには階級はあったのか、戦いに実際の流儀はどうだったのか?国による違いはあったのか?
日本の武士とは何が違い、何が同じだったのかも含め、豊富なイラストと専門家による詳細な解説文でその実態をつまびらかに明かしていきます。
作品データ
タイトル:『中世ヨーロッパ 騎士道の作法』
著者:祝田秀全
出版社:ジー・ピー
発売日:2022/11/29
作家紹介
祝田秀全 (いわた・しゅうぜん)
東京都出身。歴史学専攻。世界史研究者。
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所研究員を経て、聖心女子大学文学部講師となる。
子ども向け、大学生・社会人向けに書かれた世界史にまつわる書籍が多い。
主な著書に『銀の世界史』、『東大生が身につけている教養としての世界史』、『近代建築で読み解く日本』、『2時間でおさらいできる世界史』、『歴史が面白くなる東大のディープな世界史1・2』など多数。1960年代の社会的流行現象の研究、喫茶店めぐり、写真撮影など、趣味も豊富に持っている。
祝田秀全の作品紹介
『祝田の世界史・差がつく用語1000問 』(1998/10/01)
『祝田の世界史・データベース合格くん 』(1998/10/01)
『覚える!世界史 (雑学3分間ビジュアル図解シリーズ) 』 (2005/08/25)
『見てわかる世界史 (スーパー図解雑学) 』 (2007/03/01)
『センター試験世界史B「古代・中世」の点数が面白いほどとれる問題集 』(2007/04/01)
『センター試験世界史B「近代・現代・テーマ史」の点数が面白いほどとれる問題集』(2007/04/01)
『カラー版 忘れてしまった高校の世界史を復習する本 』(2011/07/15)
『名画で読み解く「世界史」 』(2013/08/06)
『歴史が面白くなる 東大のディープな世界史 (2) 』(2014/09/26)
『早慶上智の「なぜ」を見抜く世界史 』(2016/01/17)
『忘れてしまった高校の世界史をマンガで復習する本 』(2016/09/29)
『最もシンプルな世界史のつかみ方 メソポタミア文明から現代まで――世界を動かす軸が見えてくる』(2017/08/24)
『ゼロからやりなおし! 世界史見るだけノート』 (2018/10/15)
『「地図」と「並列年表」でよくわかる 【超図解】日本史&世界史 』(2019/04/19)
『勢力マップで学ぶ世界史 (SBビジュアル新書) 』( 2019/11/06)
『知識ゼロからの戦争史入門 』(2020/03/04)
『世界史と時事ニュースが同時にわかる 新地政学 (だからわかるシリーズ) 』(2021/08/20)
『古代ローマ 饗宴と格差の作法』 (2021/11/22)
『ロシア史 キエフ大公国からウクライナ侵攻まで (だからわかるシリーズ)』 (2022/7/25)
『地図でスッと頭に入る世界の民族と紛争』 (2022/10/31)
『中世ヨーロッパ 騎士道の作法』 (2022/11/29)
…など多数