【感想】『王の綽名』佐藤賢一|綽名が無い方が、かわいそう?

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王の綽名|佐藤賢一

ケイチャン

ケイチャン

【2023年167冊目】

今回ご紹介する一冊は、

佐藤賢一 著

『王の綽名(あだな)』です。

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【感想】「綽名が無い方が、かわいそう?」

西洋史

その人の、ひととなりを表すのが
綽名(あだな)
興味をそそるテーマから
ヨーロッパの王たちを
紹介する歴史読本です

あなたには綽名がありますか?
僕は本名由来で『小梅ちゃん』と
呼ばれていました
可愛らしくて気に入ってましたが
本人が気に入る綽名で呼ばれるって
幸せなことですよね

さて中世ヨーロッパの君主は
同じような名前がたくさん出てきます
酷いのがフランスのブルボン王朝
ルイ13世
ルイ14世
ルイ15世
ルイ16世
ルイ17世
と続きます

え?もうどれが誰で
何をやったかわからな~い!
と、受験生の嘆きが
聞こえるようですね

そこで付けられるのが
綽名です
ルイ13世 正義王
ルイ14世 太陽王
ルイ15世 最愛王
ルイ16世 なし(ギロチンに掛けられたので)
ルイ17世 なし(名目上、少年期に死亡)

うんうん、太陽王なら聞いたことあるし
なんとなく業績もわかりそうだよね!

「綽名が無い方が、かわいそう?」

さて現代の小中学校では
あだな禁止×
という学校が増えているようです
とんでもない綽名を付けられて
イジメを誘発するとか、しないとか

まあ、分からないことはないけど
ちょっと、ツマンナイですよね

本書においても
オイオイそりゃ可哀相だろう
と言うような綽名が紹介されています
禿頭王(ハゲ)
肥満王(デブ)
助平ジジイ(そのままエロおやじ)
などなど

しかし実際は
ハデでもデフでも
なかったようなんです
(エロおやじはそのまんまらしい笑)

いったい何故こうなったのか?
ユーモアを交えて
深掘りしながら
楽しく説明されています

フランス史関連の作品を
多く執筆する作者の佐藤賢一
本書においても王たちに対する
最後の一言がエスプリの効いた
子気味良さを漂わせています

歴史上の人物が
等身大の人として
浮かび上がってくるようでした

あなたはどの王様の綽名が
気になりますか?

作品紹介(出版社より)

禿頭王、肥満帝、青歯王、合羽王、長脛王、金袋大公、ドラキュラ公、助平ジジイ……今も伝わる55人の王につけられた綽名から、近代ヨーロッパのなりたちがわかる。ゴシップとスキャンダルに彩られた、華麗で野蛮な中世・近世欧州史!

『小説フランス革命』や『ナポレオン』をはじめ、スケールの大きな歴史小説で多くのファンを持つ直木賞作家・佐藤賢一氏が、中世から近世にかけてのヨーロッパの王の「綽名」にまつわる逸話を在位の時代順にひもといていく歴史エッセイ。1話=4ページのエスプリの効いたコラム集という趣きで、寄席の謎解きのように軽妙な語りが時空をまたいで逸話と逸話をつないでく。読んでいるとはっと掌を打ったり、思わず吹き出したり。
本書に登場するのは、9世紀のフランス・ドイツ・イタリアの元となったフランク王国の王から19世紀の二月革命で廃位されるフランスの「市民王」まで55人。北欧のヴァイキングや戦乱やまぬイベリア半島の王も登場し、星雲状態だった中世ヨーロッパがほぼ現在の国々の勢力図になっていくまでの1000年が活写される。残虐非道な謀略、親子兄弟の骨肉の争い、結婚や世継ぎを巡る醜聞、そこにカトリック教会など宗教がからみ、時に100年も続く戦争に発展する。まさに血で血を洗う歴史である。
「赤髭帝」フリードリヒ1世、「獅子心王」リチャード1世、「雷帝」イヴァン4世、「太陽王」ルイ14世……それぞれの綽名は在位当時の国情や世相を表している。それも華麗なゴシップと野蛮なスキャンダルに彩られた俗っぽさとともに。
そして、王の綽名にまつわるうんちくも随所にちりばめられていて楽しい。たとえば――
現在のウクライナの原型となるキーウ大公国の最盛期をなした「聖大公」の名「ウォロディーミル」は、ウクライナのゼレンスキー大統領のファーストネームだが、これをロシア語読みすると「ウラジーミル」、プーチン大統領のファーストネームになる。今もウクライナの首都キーウにそびえ立つ「聖大公」の銅像は、モスクワにも……

〈目次〉

小王      フランク王 ピピン1世
敬虔帝     フランク皇帝 ルートヴィッヒ1世
禿頭王     西フランク王 シャルル2世
肥満帝     フランク皇帝 カール3世
単純王     西フランク王 シャルル3世
美髪王     ノルウェー王 ハーラル1世
青歯王     デンマーク王 ハーラル1世
捕鳥王     東フランク王 ハインリヒ1世
合羽王     フランス王 ユーグ・カペー
殉教王     イングランド王 エドワード
聖大公     キーウ大公 ウォロディーミル1世
征服王     イングランド王 ウィリアム1世
文人王     ハンガリー王 カールマーン
勇敢王     カスティーリャ王 アルフォンソ6世
戦士王     アラゴン王 アリフォンソ1世
修道士王    アラゴン王 レミーロ2世
赤髭帝     神聖ローマ皇帝 フリードリヒ1世
尊厳王     フランス王 フィリップ2世
獅子心王    イングランド王 リチャード1世
欠地王     イングランド王 ジョン1世
入植王     ポルトガル王 サンシュ1世
熊侯      ブランデンブルク侯 アルブレヒト1世
詩人王     ナバラ王 テオバルド1世
黒女伯     フランドル女伯 マルグリット2世
長脛王     イングランド王 エドワード1世
美男王     フランス王 フィリップ4世
フランスの雌狼 イングランド王妃 イザベラ
金袋大公    モスクワ大公 イヴァン1世
大口女伯    チロル女伯 マルガレーテ
残酷王     ポルトガル王 ペドロ1世
黒太子     イングランド王太子 エドワード
良王      フランス王 ジャン2世
悪王      ナバラ王 カルロス2世
賢王      フランス王 シャルル5世
狂王      フランス王 シャルル6世
勝利王     フランス王 シャルル7世
突進公     ブールゴーニュ公 シャルル
平和公     サヴォイア公 アメデオ8世
豪華王     ロレンツォ・デ・メディチ
ドラキュラ公  ワラキア公 ヴラド3世
航海王子    ポルトガル王子 エンリケ
不能王     カスティーリャ王 エンリケ4世
カトリック両王 カスティーリャ女王 イザベル1世&アラゴン王 フェランド2世
狂女王     スペイン女王 フワナ1世
血塗れ女王   イングランド女王 メアリー1世
処女王     イングランド女王 エリザベス1世
慎重王     スペイン王 フェリペ2世
待望王     ポルトガル王 セバスティアン1世
雷帝      ロシア皇帝 イヴァン4世
助平ジジイ   フランス王 アンリ4世
殉教王     イギリス王 チャールズ1世
太陽王     フランス王 ルイ14世
最愛王     フランス王 ルイ15世
解放皇帝    ブラジル皇帝 ペドロ1世
市民王     フランス王 ルイ・フィリップ

作品データ

タイトル:『王の綽名』
著者:佐藤賢一
出版社:日経BP 日本経済新聞出版
発売日:2023/11/10

作家紹介

佐藤賢一(さとう・けんいち)

1968年、山形県鶴岡市生れ。東北大学大学院でフランス中世史を専攻する。
1993年、『ジャガーになった男』で、小説すばる新人賞を受賞。
1999年、『王妃の離婚』で直木賞を受賞。
2014年、『小説フランス革命』で毎日出版文化賞特別賞を受賞。
2020年、『ナポレオン』全三巻で、司馬遼太郎賞を受賞する。
『傭兵ピエール』『双頭の鷲』『二人のガスコン』『オクシタニア』『カポネ』『女信長』『新徴組』『ラ・ミッション 軍事顧問ブリュネ』『ハンニバル戦争』『ファイト』『遺訓』など、多数の著書がある。

佐藤賢一の作品紹介

『ジャガーになった男』 1994/01/20
『傭兵ピエール』 1996/02/01
『赤目―ジャックリーの乱』 1998/03/01
『双頭の鷲』 1999/01/01
『王妃の離婚』 1999/02/26
『カエサルを撃て』 1999/09/01
『カルチェ・ラタン』 2000/05/02
『二人のガスコン〈上・中・下〉』 
『オクシタニア』 2003/07/04
『黒い悪魔』 2003/08/08
『ジャンヌ・ダルク、またはロメ』 2004/02/26
『剣闘士スパルタクス』 2004/05/01
『藤沢周平 心の風景』2005/09/21
『カポネ』 2005/12/01
『褐色の文豪』 2006/01/27
『女信長』 2006/06/01
『アメリカ第二次南北戦争 2006/08/22
『革命のライオン (小説フランス革命 1) 』2008/11/26
『バスティーユの陥落 (小説フランス革命 2) 2008/11/26
『聖者の戦い (小説フランス革命 3) 2009/03/26
『議会の迷走 (小説フランス革命 4) 』2009/09/25
『象牙色の賢者』 2010/02/12
『王の逃亡 (小説フランス革命 5) 』2010/03/26
『新徴組 』2010/08/01
『フイヤン派の野望 (小説フランス革命 6)』 2010/09/24
『ペリー 』2011/07/29
『小説フランス革命 7 ジロンド派の興亡』 2012/06/26
『小説フランス革命 8 共和政の樹立』 2012/09/26
『黒王妃』 2012/12/07
『小説フランス革命 9 ジャコバン派の独裁』 2012/12/14
『小説フランス革命 10 粛清の嵐』 2013/03/26
『小説フランス革命 11 徳の政治』 2013/06/26
『かの名はポンパドール』 2013/09/11
『小説フランス革命 12 革命の終焉』 2013/09/26
『ラ・ミッション ―軍事顧問ブリュネ―』 2015/02/26
『ハンニバル戦争』 2016/01/22
『ファイト 2017/05/19
『遺訓』 2017/12/22
『学校では教えてくれない世界史の授業』 2018/09/22
『ドゥ・ゴール』2019/04/26
『ナポレオン 1 台頭篇』 2019/08/05
『ナポレオン 2 野望篇』 2019/09/05
『ナポレオン 3 転落篇』 2019/10/04
『日蓮』 2021/02/16
『最終飛行』 2021/05/27
『よくわかる一神教 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教から世界史をみる』 2021/06/25
チャンバラ』 2023/05/24
『日蓮』2023/09/28
王の綽名』 2023/11/10

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