【感想】『チャンバラ』佐藤賢一|強くなるほどに幸せから遠ざかる

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佐藤賢一『チャンバラ』

ケイチャン

ケイチャン

【2023年83冊目】

今回ご紹介する一冊は、

佐藤賢一 著

『チャンバラ』です。

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【感想】「強くなるほどに幸せから遠ざかる」

剣客エンターテインメント小説

天下無双の兵法者に俺はなる!
血まみれの生涯を駆け抜けた
剣聖、宮本武蔵を描く
チャンバラ娯楽小説です

時は戦国時代末期
槍働きひとつで立身出世が
かなう時代が終わりつつある頃
宮本武蔵こと新免無三四(しんめん むさし)
を描くこの物語はスタートします

真剣勝負を所望いたす

試合に真剣を使用するというこの狂気!
良くて重症、悪くて死亡
まったく兵法者という輩は
とんでもない奴らですな

それもこれも
大名家の目に留まって
士官を叶えるためという
生きる糧を得るためでした

「強くなるほどに幸せから遠ざかる」

皆さんは宮本武蔵という人物に
どういうイメージを持っていますか?
僕は井上雄彦の『バガボンド』ですね
余談ですがバガボンドの田植えして
中断とゆー結末には驚きでした笑

そんな訳で有名な宮本武蔵
本作でも
吉岡清十郎
佐々木小次郎と
これまた有名な敵役と勝負を繰り広げます

全編が剣激活劇という
血沸き肉躍るチャンバラ勝負が描かれる

それに加えて
無情な兵法者の宿命
お姫さまとの身分違いの恋愛
父子の対決という要素が込められて
ハラハラドキドキ読み進められる
エンタメ作品となっています

しかし強さというものは
頂点のたった1人しか
満足できぬもの
え~?みんなで幸せになろうよ!
なんて思っちゃう僕には
到底無理な世界なのでしょうね笑

果てしない勝負の終わりには
必ず敗北が待っている
そんな兵法者に
あなたはなってみたいって
そう思いますか?

作品紹介(出版社より)

有馬喜兵衛、吉岡一門、宍戸某、そして佐々木小次郎。さらには――。「剣聖」とも称される二刀流の達人・宮本武蔵が対峙した数多の強敵との名勝負が、直木賞作家の手で鮮やかに蘇る!かれる。

作品データ

タイトル:『チャンバラ』
著者:佐藤賢一
出版社:中央公論新社
発売日:2023/5/24

作家紹介

佐藤賢一(さとう・けんいち)

1968年、山形県鶴岡市生れ。東北大学大学院でフランス中世史を専攻する。
1993年、『ジャガーになった男』で、小説すばる新人賞を受賞。
1999年、『王妃の離婚』で直木賞を受賞。
2014年、『小説フランス革命』で毎日出版文化賞特別賞を受賞。
2020年、『ナポレオン』全三巻で、司馬遼太郎賞を受賞する。
『傭兵ピエール』『双頭の鷲』『二人のガスコン』『オクシタニア』『カポネ』『女信長』『新徴組』『ラ・ミッション 軍事顧問ブリュネ』『ハンニバル戦争』『ファイト』『遺訓』など、多数の著書がある。

佐藤賢一の作品紹介

『ジャガーになった男』 1994/01/20
『傭兵ピエール』 1996/02/01
『赤目―ジャックリーの乱』 1998/03/01
『双頭の鷲』 1999/01/01
『王妃の離婚』 1999/02/26
『カエサルを撃て』 1999/09/01
『カルチェ・ラタン』 2000/05/02
『二人のガスコン〈上・中・下〉』 
『オクシタニア』 2003/07/04
『黒い悪魔』 2003/08/08
『ジャンヌ・ダルク、またはロメ』 2004/02/26
『剣闘士スパルタクス』 2004/05/01
『藤沢周平 心の風景』2005/09/21
『カポネ』 2005/12/01
『褐色の文豪』 2006/01/27
『女信長』 2006/06/01
『アメリカ第二次南北戦争 2006/08/22
『革命のライオン (小説フランス革命 1) 』2008/11/26
『バスティーユの陥落 (小説フランス革命 2) 2008/11/26
『聖者の戦い (小説フランス革命 3) 2009/03/26
『議会の迷走 (小説フランス革命 4) 』2009/09/25
『象牙色の賢者』 2010/02/12
『王の逃亡 (小説フランス革命 5) 』2010/03/26
『新徴組 』2010/08/01
『フイヤン派の野望 (小説フランス革命 6)』 2010/09/24
『ペリー 』2011/07/29
『小説フランス革命 7 ジロンド派の興亡』 2012/06/26
『小説フランス革命 8 共和政の樹立』 2012/09/26
『黒王妃』 2012/12/07
『小説フランス革命 9 ジャコバン派の独裁』 2012/12/14
『小説フランス革命 10 粛清の嵐』 2013/03/26
『小説フランス革命 11 徳の政治』 2013/06/26
『かの名はポンパドール』 2013/09/11
『小説フランス革命 12 革命の終焉』 2013/09/26
『ラ・ミッション ―軍事顧問ブリュネ―』 2015/02/26
『ハンニバル戦争』 2016/01/22
『ファイト 2017/05/19
『遺訓』 2017/12/22
『学校では教えてくれない世界史の授業』 2018/09/22
『ドゥ・ゴール』2019/04/26
『ナポレオン 1 台頭篇』 2019/08/05
『ナポレオン 2 野望篇』 2019/09/05
『ナポレオン 3 転落篇』 2019/10/04
『日蓮』 2021/02/16
『最終飛行』 2021/05/27
『よくわかる一神教 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教から世界史をみる』 2021/06/25
チャンバラ』 2023/05/24

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