ケイチャン
【2023年128冊目】
今回ご紹介する一冊は、
川上弘美 著
『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』 です。
もくじ
【感想】「寄る辺なき人生を選ぶ」
子ども時代をアメリカで
過ごした子供たちが
半世紀を経てめぐり逢い
再び同じ時を過ごす
60代の男女の物語です
オトナの恋愛模様がシブすぎる!
特殊な環境で結ばれた
子どもたちの友情
カルフォルニアのアパートメンツで
少年少女時代を過ごす子供たち
日本とはずいぶんと違う環境ながら
自由闊達に日々を過ごします
僕も子供時代を海外で
過ごしてみたかったなーと
憧れます
異文化の環境で育つのって
どんな感じなんでしょうね?
そして時は流れ
コロナ禍の現在
60歳を過ぎ
再び交流を取り戻した
男女の姿が描かれます
小説家となった、わたし
作詞家の、カズ
付かず
離れず
恋人未満の境界線を
漂う
もう付き合っちゃいなよ!
とすぐに思ってしまうのは
僕がまだまだ
子どもだからかも知れないw
もうひとりの
魅力ある登場人物の、アン
わたしの同性愛的な想い人なのか
カズをめぐる恋のライバルなのか
一色では表せない
マーブル模様のような
複雑な心情が
ゆったりと余裕を持って
語られてゆきます
なんてオトナの小説なんだww
いずれも
結婚・離婚ときて
自由気ままな60代
でも
ときにたまらなく
独り身が寂しくなっちゃうのは
仕方ないよね
諦観と
まだ人生に希望を持つ
複雑な心情が綴られてゆく
人生の物語でした
丁寧に選ばれた
文章の波に乗って
僕の心もどこかに
運ばれてしまいそうでした
あなたは自分の人生に
満足していますか?
作品紹介(出版社より)
あ、また時間に捕まえられる、と思った。
捕まえられるままに、しておいた。小説家のわたし、離婚と手術を経たアン、そして作詞家のカズ。
カリフォルニアのアパートメンツで子ども時代を過ごした友人たちは、
半世紀ほどの後、東京で再会した。
積み重なった時間、経験、恋の思い出。
それぞれの人生が、あらたに交わり、移ろっていく。じわり、たゆたうように心に届く大人の愛の物語。
作品データ
タイトル:『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』
著者:川上弘美
出版社:講談社
発売日:2023/8/24
作家紹介
川上弘美(かわかみ・ひろみ)
1958年、東京都生れ。
1994年「神様」で第一回パスカル短篇文学新人賞を受賞。
1996年「蛇を踏む」で芥川賞を受賞。
1999年『神様』でドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞を受賞。
2000年『溺レる』で伊藤整文学賞、女流文学賞を受賞。
2001年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞を受賞。
2007年『真鶴』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
2015年『水声』で読売文学賞を受賞。
2016年『大きな鳥にさらわれないよう』で泉鏡花文学賞を受賞。
その他の作品に『椰子・椰子』『おめでとう』『ニシノユキヒコの恋と冒険』『古道具 中野商店』『夜の公園』『ざらざら』『パスタマシーンの幽霊』『機嫌のいい犬』『なめらかで熱くて甘苦しくて』『猫を拾いに』『ぼくの死体をよろしくたのむ』『某』『三度目の恋』などがある。
川上弘美の作品
『物語が、始まる』 1996/08/01
『蛇を踏む』 1996/08/30
『いとしい』 1997/09/01
『溺レる』 1999/08/01
『あるようなないような』 1999/11/01
『おめでとう』 2000/11/01
『なんとなくな日々』 2001/03/07
『センセイの鞄』 2001/06/01
『ゆっくりさよならをとなえる』 2001/11/24
『パレード』 2002/04/25
『龍宮』 2002/06/27
『光ってみえるもの、あれは』 2003/09/10
『ニシノユキヒコの恋と冒険』 2003/11/26
『恋愛小説』 2005/01/26
『古道具 中野商店』 2005/04/01
『東京日記 卵一個ぶんのお祝い。』 2005/09/01
『此処彼処』 2005/10/01
『夜の公園』 2006/04/22
『ざらざら』 2006/07/20
『ハヅキさんのこと』 2006/09/30
『真鶴 2006/10/30
『はじめての文学 川上弘美』 2007/05/15
『大好きな本 川上弘美書評集』 2007/09/07
『東京日記2 ほかに踊りを知らない。』 2007/11/17
『風花』 2008/04/04
『どこから行っても遠い町』 2008/11/01
『これでよろしくて?』 2009/09/01
『パスタマシーンの幽霊』 2010/04/22
『機嫌のいい犬』 2010/10/26
『東京日記3 ナマズの幸運。』 2011/01/26
『天頂より少し下って』 2011/05/23
『神様 2011 2011/09/21
『七夜物語(上・下)』 2012/05/18
『なめらかで熱くて甘苦しくて』 2013/02/28
『猫を拾いに』 2013/10/31
『東京日記4 不良になりました。』 2014/02/14
『水声』 2014/09/30
『大きな鳥にさらわれないよう』 2016/04/22
『このあたりの人たち (Switch library) 』2016/06/29
『東京日記5 赤いゾンビ、青いゾンビ。』 (5) 2017/04/26
『森へ行きましょう』 2017/10/11
『某』 2019/09/12
『三度目の恋』2020/09/18
『わたしの好きな季語』 2020/11/20
『東京日記6 さよなら、ながいくん。』2021/03/24
『東京日記7 館内すべてお雛さま。』2023/03/27
『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』 2023/08/24