【感想】『N/A エヌエー』年森瑛|記号ではない、わたしを認めて!

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N/A|年森瑛

ケイチャン

ケイチャン

【2022年99冊目】

今回ご紹介する一冊は、

年森瑛 著

『N/A エヌエー』です。

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【感想】「記号ではない、わたしを認めて!」

無性を願う女子高生を描く純文学

先日惜しくも芥川賞を逃しましたが
素晴らしい作品でした

生理を止めたい
その為に極度のダイエットをする女子高生が主人公です

過度の食事制限で研ぎ澄まされた容姿から
『松井様』と呼ばれる、松井まどか
かけがえのない他人を求めて
同性の、うみちゃんと付き合っているが
どうもしっくりとこないのです

わたしが欲しいのは、恋人じゃないんだ

「記号ではない、わたしを認めて!」

拒食症の、わたし
オタクの、翼沙
レズビアンの、うみちゃん

マイノリティを表すこれらの言葉で
十把一絡げにさせられる
この気持ち悪さ

しかも、うんうんあなたは拒食症なのね
よくわかるわ~・・大変ね
などと勝手に理解されちゃうことに
怒りを覚える

そうなんじゃない
こんな記号みたいな
ペラペラな言葉で
わたしを分かったように
思わないで欲しい

本当のわたしを認めてくれる
かけがえのない他人を夢見る、まどかでしたが

実は彼女も他人を記号化して見ていたのでした

人と分かり合える難しさを
思春期の肥大化して歪む自意識のレンズを通して
思い悩む青春小説でした
あなたの眼鏡は、ちゃんと度数が合っていますか?

作品紹介(出版社より)

選考会で異例の満場一致! 
第127回文學界新人賞受賞作

松井まどか、高校2年生。
うみちゃんと付き合って3か月。
体重計の目盛りはしばらく、40を超えていない。
――「かけがえのない他人」はまだ、見つからない。

優しさと気遣いの定型句に苛立ち、
肉体から言葉を絞り出そうともがく魂を描く、圧巻のデビュー作。

作品データ

タイトル:『N/A』
著者:年森瑛
出版社:文藝春秋
発売日:2022/6/22

作家紹介

年森瑛(としもり・あきら)

1994年生まれ、法政大学部文学部卒。職業、公務員。
「N/A(エヌエー)」で文學賞新人賞を受賞、167回芥川賞の候補となるなど注目の作家である

年森瑛の作品紹介

N/A』(2022/6/22)

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