ケイチャン
【2022年172冊目】
今回ご紹介する一冊は、
まさきとしか 著
『レッドクローバー』です。
もくじ
【感想】「一発逆転の儲け話、そんなの有るはずないでしょ!」
あの少女は本当に自分の家族を
皆殺しにしたのか?
あなたは人を殺したいと
思ったことはありますか?
モチロンありますよねw
けどフツーは実行しません
しかしその一線を越えてしまう者がいる
その訳を知りたいんだ!
かつて北海道で起こったヒ素毒殺事件
そして時と場所を越えて
東京の豊洲でヒ素毒殺事件が起こる
鑑識の結果使用されたヒ素は
同一のものであった
物語は2つの事件を繋ぐ少女を追いかけ
過去と現在を行き来しつつ
関係者たちの複数の視点で語られます
そこに綴られるのは・・
捨てられ虐げられ疎まれた者どもの
憎しみの物語でした
この物語の軸となるのは
母と娘の関係性です
主人公となる2人の少女は
母との関係が悪かった
そしてその母たちも
やはり自分の母との
関係が悪かったのです
まさに負の連鎖
かつて虐げられた少女だった者が
今度は自分の娘を虐げる
悪循環から抜け出れない
少女にとって母親は
世界そのものだから
幾世代にも渡り蓄積された憎しみの
山にとうとう押し潰される時
少女は気が付く
死ぬべきは私じゃない
私を虐げた世界なんだ・・と
そして少女たちは
もっとも愚かな方法で
世界に復讐をするのだ
僕も無意識のうちに
自分よりも劣ると思う人に対して
時に冷淡な感情を持ってしまう
けどそれは
殺されても仕方ない
罪なのかもしれない
そう感じてしまいました
作品紹介(出版社より)
『あの日、君は何をした』『彼女が最後に見たものは』シリーズ累計40万部突破の著者、最高傑作ミステリ。
まさきとしかが……いよいよ、くる!家族が毒殺された居間で寛ぎ
ラーメンを啜っていた一人の少女。
彼女が──家族を殺したのではないか。
東京のバーベキュー場でヒ素を使った大量殺人が起こった。記者の勝木は、十数年前に北海道で起こった家族毒殺事件の、ただ一人の生き残りの少女――赤井三葉を思い出す。あの日、薄汚れたゴミ屋敷で一体何があったのか。
「ざまあみろと思います」
北海道灰戸町。人々の小さな怒りの炎が、やがて灰色の町を焼き尽くす――。『あの日、君は何をした』『彼女が最後に見たものは』シリーズ累計40万部突破の著者、最高傑作ミステリ。
作品データ
タイトル:『レッドクローバー』
著者:まさきとしか
出版社:幻冬舎
発売日:2022/8/24
作家紹介
まさきとしか
1965年東京都生まれ。北海道・札幌育ち。札幌市に在住。
1994年『パーティしようよ』が第28回北海道新聞文学賞佳作。
2007年『散る咲く巡る』で第41回北海道新聞文学賞を受賞。
2013年母親の子どもに対する歪んだ愛情を描いたミステリー『完璧な母親』が刊行され話題になる。
他の著書に『夜の空の星の』『熊金家のひとり娘』『大人になれない』『いちばん悲しい』『ゆりかごに聞く』『屑の結晶』などがある。
まさきとしかの作品紹介
『夜の空の星の』(2008年5月)
『熊金家のひとり娘』(2011年4月)
『完璧な母親』(2013年10月)
『途上なやつら』(2014年6月)
『ある女の証明(きわこのこと)』(2015年8月)
『いちばん悲しい』(2017年1月)
『玉瀬家、休業中。』(2018年8月)
『ゆりかごに聞く』(2019年4月)
『屑の結晶』(2019年9月)
『大人になれない』(2019年12月)
『あの日、君は何をした』(2020年7月)
『祝福の子供』(2021年6月)
『彼女が最後に見たものは』(2021年12月)
『レッドクローバー』(2022年8月)