【本の感想】『暁星』湊かなえ|あなたはわたしの希望の星

【2025年6冊目】
今回ご紹介する一冊は、
湊かなえ 著
『暁星』です。
【感想】「あなたはわたしの希望の星」
宗教に近い大臣を殺害した男は
何を守っていたのだろうか?
ノンフィクションとフィクション
2つの物語が織りなす慟哭ミステリーです
半分こは、大切な人とするもの
文部大臣を刺殺したシーンからスタート
まるで安倍元首相を殺害した山上被告を
思い起こさせるような設定となっており
現実とフィクションがリンクするようです
愛光教会を許さない!
本作は2部構成となっており
第1部の『暁闇』は、山上被告・・もとい
文部大臣を殺害した永瀬暁(あかつき)被告
の獄中手記すなわちノンフィクションという
形式で語られていきます
苦しい半生が、ホントしんどい
でもノンフィクションだから真実と
決まっているわけではない
意図的に語られないのだが
暗闇の彼方に昇ろうとする
星の陰が見え隠れしているんだ
さて苦しく、しんどい前半が終わると
さらに闇深い第2部『金星』が始まります
第1部をなぞるような物語であり
ここでホントはなにがあったかを
詳らかにしてゆく形式です
これは愛の物語
永瀬被告と対になる存在
正反対の道を選んだ
金星さんの半生の物語に
グイグイと引き込まれます
巨大な黒幕が恐ろしい
本作を際立たせるのが敵役の愛光教会です
ジョージ・オーウェル作の『1984年』に
登場するビッグ・ブラザーを彷彿とさせる

これはフィクションだよね?

そんな暗闇のような世界で
互いを『明けの明星』とする2人の孤独な魂に心が震えました
サスペンスで始まり
ミステリー展開からの
ラブロマンスで終わる本作

最後は切ないエンディングで読後は余韻に浸れました

大満足の1冊でした

あなたの『明けの明星』は誰ですか?
作品紹介(出版社より)
現役の文部科学大臣で文壇の大御所作家でもある清水義之が全国高校生総合文化祭の式典の最中、舞台袖から飛び出してきた男に刺されて死亡する事件がおきた。逮捕された男の名前は永瀬暁、37歳。永瀬は逮捕されたのち、週刊誌に手記を発表しはじめる。そこには、清水が深く関わっているとされる新興宗教「世界博愛和光連合(通称:愛光教会)」に対する恨みが綴られていた。暗闇の奥に隠された永瀬の目的とは──。
作品データ
タイトル:『暁星』
著者:湊かなえ
出版社:双葉社
発売日:2025/11/27
作家紹介
湊 かなえ(みなと・かなえ)
1973年広島県生まれ。
2007年「聖職者」で小説推理新人賞を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビュー。同書は、2009年本屋大賞を受賞。
2012年「望郷、海の星」(『望郷』収録)で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。
2016年『ユートピア』で山本周五郎賞を受賞。
2018年『贖罪』がエドガー賞ベスト・ペーパーバック・オリジナル部門にノミネートされた。
その他の著書に、『Nのために』『母性』『高校入試』『絶唱』『リバース』『未来』『ブロードキャスト』『落日』『カケラ』『ドキュメント』『残照の頂』などがある。
湊 かなえの作品紹介
『告白』(2008年8月)
『少女』(2009年1月)
『贖罪』(2009年6月)
『Nのために』(2010年1月)
『夜行観覧車』(2010年6月)
『往復書簡』(2010年9月)
『花の鎖』(2011年3月)
『境遇』(2011年10月)
『サファイア』(2012年4月)
『白ゆき姫殺人事件』(2012年7月)
『母性』(2012年10月)
『望郷』(2013年1月)
『高校入試』(2013年6月)
『豆の上で眠る』(2014年3月)
『山女日記』(2014年7月)
『物語のおわり』(2014年10月)
『絶唱』(2015年1月)
『リバース絶唱』(2015年5月)
『ユートピア』(2015年11月)
『ポイズンドーター・ホーリーマザー』(2016年5月)
『未来』(2018年5月)
『ブロードキャスト』(2018年8月)
『落日』(2019年9月)
『カケラ』(2020年5月)
『ドキュメント』(2021年3月)
『残照の頂 続・山女日記』(2021年11月)
『告白』(2023年3月)
『人間標本』(2023年12月)
『C線上のアリア』
『暁星』2025/11/27


