ケイチャン
【2024年144冊目】
今回ご紹介する一冊は、
由野寿和 著
『再愛なる聖槍』です。
もくじ
【感想】「まっすぐな正義よりゆがんだ愛が、いいの」
クリスマス・イブに
巨大観覧車がジャックされた?
ゴンドラに閉じ込められた
父親が推理を重ねる
新感覚ミステリーです
ケイチャン
観覧車に閉じ込められたら
・・トイレに困るね
30分も早く待ち合わせ場所で
ヤキモキと待つ主人公の姿から
物語はスタートします
・・計画通りに遊園地で遊ぼう
待ち合わせ時間に少し遅れて
元・妻と小学3年生の娘が到着
5年ぶりに会う父親に
少し緊張気味の凛(りん)ちゃん
2人が向かったのは
巨大観覧車のドリームアイです
長時間待ちの行列が続く
人気アトラクションですが
ふふふ、僕らには
時間指定の優先チケットがあるのだ
ケイチャン
・・こんなプレミアチケットを貰えるなんて、ラッキー
期待に胸を膨らませて
ゴンドラに乗る父と娘
しばし娘は眺望に感嘆し
高所恐怖症の父親は震え
楽しい時間を過ごすのだが
突然
ガコン、と停止してしまうのだ
謎の犯人からメッセージが流れ
そして1台のゴンドラが落下し
地上に衝突し大炎上します
夢の遊園地が悪夢の惨状となる
ケイチャン
果たして空中に囚われた父娘は
無事に地上へと帰還できるのでしょうか?
観覧車ジャックの目的はなんだ?
捜査が進むうちに明らかになってゆくのが
5年前の少女殺害事件との関係性です
なんとそれを担当していたのが
父親の仲山さんだったのだ
物語は未解決となった
5年前の事件を追う格好で
犯人、警察、そして仲山さんの
3者が絡み合って紡がれてゆく
元妻と、元同僚の刑事の
ゆがんでしまう心が
弱いんだ・・
そして観覧車ジャックの
犯人の目的も
ゆがんだ愛ゆえの犯行でした
まっすぐ過ぎても
ゆがみ過ぎても
うまくいかない
ケイチャン
適度なさじ加減が
上手に生きる秘訣なのかも知れませんね
巨大観覧車とめぐる
愛憎のロンド
ケイチャン
あなたの家庭というゴンドラは
うまく周っていますか?
作品紹介(出版社より)
妻との離婚以来5年ぶりに会った愛娘とともに、テーマパーク・ドリームランドを訪れた元刑事の仲山。 楽しい時間は束の間、2人が観覧車に乗った直後、何者かによって観覧車が乗っ取られ、人質となってしまう。 「小人」を名乗るジャック犯に連絡役として指名された仲山と娘・凛の運命やいかに。 そして、地上で事件解決の指揮を執っている貝崎は、5年前のクリスマスイヴに起こった未解決事件に関して互いの秘密を握り合う因縁の相手で――。 絡み合う二つの事件とそれぞれの思惑。ドリームランドを象徴する巨大観覧車に隠された衝撃の真相とは。
作品データ
タイトル:『再愛なる聖槍』
著者:由野寿和
出版社:幻冬舎
発売日:2022/12/9
作家紹介
由野 寿和(ゆうや・としお)
1990年福岡県生まれ。高校を卒業後に単身渡米。
物語を愛する精神のもと作品を執筆している。
由野 寿和の作品
『再愛なる聖槍』2022/12/9
『アイアムハウス』2024/9/30