ケイチャン
【2023年140冊目】
今回ご紹介する一冊は、
辻堂ゆめ著
『サクラサク、サクラチル』です。
もくじ
【感想】「仲間を得て、復讐を誓う!」
お父さん、お母さん
僕のためを思って
殴ってくれて、ありがとう!
毒親と戦う受験生の物語です
誰のための、何のための
受験なの?
成績が下がったーーー!
と絶望する主人公の染野(そめの)クン
どれほど順位が下がったかと思えば
なんと1番から2番になっただけ
え!そんなに悲嘆するものなのか?
激怒する両親
殴る蹴る叩き
ののしる親たち
もはや染野クンは
ズタボロです
染野クンをボロクソに
責める両親の姿は
もはや悪鬼です
怒りなくしては読めない描写が続きます
・・しんどい
でもこんなに怒ってくれるのは
僕のためなんだよね
・・いやいや
そんなわけはないよ
それは絶対におかしいよ
と、気にかけてくれる
同級生の女の子がいる
そんなこと何故わかるんだって?
だって私も同じだもん
染野クンが受けているのは
教育虐待なんだよッ!
と、さとす星愛瑠嘉(ほし えりか)ちゃん
なんでわかるかって?
だって私はネグレクトを受けてる
ヤングケアラーだからだよ・・
星ちゃんの指摘を受け
盲を開いて、両親をよく見れば
・・ああ、気付いてしまったんだ
僕が受けているのは
愛ではなく
虐待なんだ・・と
こうして2人は
親に対して
復讐を誓うのでした
親から心無い仕打ちを受ける
染野クンと星ちゃんの姿が
痛ましい・・
ムカムカと怒りが込み上げます
同じ境遇の仲間を得て
急速接近する2人の姿に
もう付き合っちゃいなよ、と
ニヤニヤしちゃいます
しかし2人は受験生
親への復讐計画もあり
しかも染野クンを陥れようとする
謎の敵がいるんだ・・
そいつはいったい、誰だ?
毒親と戦う少年少女を描く本作
ミステリー要素も散りばめられた
贅沢な青春小説となっています
受験は親のトロフィーではない
親の支配から逃れ
成長する2人の姿に
あなたには、かつての自分が
見えませんか?
作品紹介(出版社より)
「絶対に東大合格しなきゃ許さない」――両親の熱烈な期待に応えるため、高校三年生の高志は勉強漬けの日々を送っていた。そんなある日、クラスメートの星という少女から、自身をとりまく異常な教育環境を「虐待」だと指摘される。そんな星もまた、自身が親からネグレクトを受けていることを打ち明ける。心を共鳴させあう二人はやがて、自分達を追い詰めた親への〈復讐計画〉を始動させることに――。教室で浮いていた彼女と、埋もれていた僕の運命が、大学受験を前に交差する。驚愕の結末と切なさが待ち受ける極上の青春ミステリー。
作品データ
タイトル:『サクラサク、サクラチル』
著者:辻堂ゆめ
出版社:双葉社
発売日:2023/7/26
作家紹介
辻堂ゆめ (つじどう・ゆめ)
1992年神奈川県生まれ。
2015年『いなくなった私へ』で第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し、デビュー。
2021年『十の輪をくぐる』で吉川英治文学新人賞候補。
主にミステリーを執筆。
辻堂ゆめの作品紹介
『いなくなった私へ』(2015/2/10)
『コーイチは、高く飛んだ』(2016/3/11)
『あなたのいない記憶』(2016/10/22)
『悪女の品格』(2017/7/28)
『片想い探偵 追掛日菜子』(2018/6/8)
『今、死ぬ夢を見ましたか』(2019/3/6)
『お騒がせロボット営業部!』(2019/7/10)
『君の想い出をください、と天使は言った』(2019/8/23)
『昨夜は殺れたかも』(共著)(2019/9/20)
『卒業タイムリミット』(2019/11/20)
『ヒマワリ高校初恋部!』(2020/1/8)
『あの日の交換日記』(2020/4/18)
『 図書館B2捜査団 秘密の地下室 』 (2020/6/10)
『 図書館B2捜査団 人気占い師の闇 』 (2020/9/16)
『またもや片想い探偵 追掛日菜子』(2020/10/7)
『十の輪をくぐる』(2020/11/26)
『ようこそ来世喫茶店へ〜永遠の恋とメモリーブレンド〜』(2021/1/28)
『僕と彼女の左手』(2021/3/24)
『 初恋部 恋はできぬが謎を解く』 (2021/6/4)
『トリカゴ』(2021/9/30)
『二重らせんのスイッチ』(2022/4/14)
『山ぎは少し明かりて』 2023/11/15
『サクラサク、サクラチル』 2023/07/26