スリラー

【本の感想】『悲鳴』櫛木理宇|少女は2度死ぬ

櫛木理宇『悲鳴』|ケイチャンブックス
ケイチャン(サカキ ケイ)

【2026年14冊目】

今回ご紹介する一冊は、

櫛木理宇 著

『悲鳴』です。

【感想】「幼かった自分を、許そうよ・・」

スリラーミステリー

11歳で11年監禁された少女に
救いはあるのか?
男尊女卑の田舎社会で苦悩する
女性たちの物語です

田舎の村は、牢獄だった!

幼い頃に誘拐された同級生が
自殺を図ったと聞くシーンから
物語はスタートします
家に生還したのに、どうして?

東京に転校し、会社員になった
隆行(たかゆき)さんは帰郷する
そこで彼が見たのは、十年一日と
変わらない『村社会』の姿と
そこで苦しむ女性たちの姿でした

この事件の真犯人は、誰だ?

「少女は2度死ぬ」

男の子はみな、恋焦がれ
女の子はみな、憧れる
誰もが認める、村いちばんの美少女
サチとミユキ、2人の半生が語られます

10年に1人の美人

対照的な2人と見えますが
実は同じような運命をたどる
『いけにえ』となった
2人の人生が、悲しい

生贄の先は、変わることを拒む
男尊女卑で無知・無学な
田舎の村社会です

・・これがホントに胸くそ悪い!

都会から来た隆行が現代の僕らの
アバターとなり、この村社会の
異常さを暴き出します
村の常識が普通であると信じて疑わない
住人とのギャップに、慄いてしまう

女の敵は女?

女性を下に見る、男も悪いが
それに追従する、女たちにも
怒りを覚えることでしょう
互いに足を引っ張り合う姿に
嫌悪してしまいます

変わらなきゃ、ダメだよ!

せっかく監獄から逃れたのに
次の牢獄に入れられてしまう
サチの絶望に共感しかない
死が救いなんて、悲し過ぎるよ

でも、力になってくれる友だちがいるんだ

絶望の淵にいたサチを救うのは
幼なじみたちでした

結果的にミユキの意志を継ぐ穏やかなエピローグに
ホッと胸をなでおろしました

閉鎖的な村社会の異常さを
暴き出す社会派ミステリー

でもこの男尊女卑の残滓が今でも残っているようで、怖いな

あなたの村は大丈夫ですか?

作品紹介(出版社より)

サチは美しく利発な少女だった。だが彼女は誘拐され、何年も男に監禁された。教育を、青春を奪われ、子を産まされ……けれどようやく事件は発覚し、生還を果たす。しかしそれは新たな苦痛の始まりだった。旧弊な価値観のまま変化のない住人による嫌がらせや無理解に疲弊する彼女の元へこの骨が本物のサチだと白骨死体が送りつけられる──。重なる悪意の根幹に何があるのか。衝撃のミステリ。

作品データ

タイトル:『悲鳴』
著者:櫛木理宇
出版社:新潮社
発売日:2025/8/28

作家紹介

櫛木 理宇(くしき・りう)

2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー。
同年『赤と白』で第25回小説すばる新人賞を受賞。
『ドリームダスト・モンスターズ』シリーズや、『死刑にいたる病』『209号室には知らない子供がいる』『鵜頭川村事件』『避雷針の夏』や『老い蜂』、映画化を控える『死刑にいたる病』など著書多数。
 

櫛木理宇の作品紹介

『ホーンテッド・キャンパス』
『お城のもとの七凪町 骨董屋事件帖』(2014/02/20)
『ドリームダスト・モンスターズ』
『チェインドッグ』(2015/07/22)
『赤と白』(2015/12/22)
『侵蝕 壊される家族の記録』(2016/06/18)
『僕とモナミと、春に会う』(2016/12/06)
『避雷針の夏』(2017/07/20)
『死刑にいたる病』(2017/10/25)
『アンハッピー・ウェディング 結婚の神様』(2018/01/09)
『瑕死物件 209号室のアオイ』(2018/11/22)
『少女葬』(2019/05/01)
『世界が赫(あか)に染まる日に』(2019/09/20)
『死んでもいい』(2020/04/16)
『虜囚の犬』(2020/07/09)
『殺人依存症』(2020/10/07)
『鵜頭川村事件』(2020/11/10)
『ぬるくゆるやかに流れる黒い川』(2021/09/09)
『老い蜂(2021/09/24)
『残酷依存症』(2022/04/07)
氷の致死量』(2022/05/10)
『虎を追う』(2022/06/14)
少年籠城 』(2023/05/10)
骨と肉』2024/7/25
死蝋の匣』2024/7/2
逃亡犯とゆびきり』2024/12/11
ふたり腐れ』2025/4/23
七月の鋭利な破片』2025/6/25
悲鳴』2025/8/28


Xからの読者コメントをお待ちしています。
ブログ更新の励みになります!
ABOUT ME
ケイチャン
ケイチャン
サラリーマン読書家
年間150冊以上の本(主に小説)を読む、名古屋で働くサラリーマン【ケイチャン】です。食べることが大好きな僕が撮影している「本のある日常風景」と共に、本の紹介と感想のブログをお楽しみください!オススメの本は?この本気になるけど面白い?…など、読む本に迷った方への参考になれば幸いです。好きな言葉は「花には水を、人には愛を!」【ケイチャンブックス】よろしくお願いします!一緒に読書を楽しみましょう!!
記事URLをコピーしました