
ケイチャン
【2025年42冊目】
今回ご紹介する一冊は、
松村栄子 著
『僕はかぐや姫/至高聖所(アバトーン)』です。
もくじ
【感想】「いくつになっても、色あせない感動」
著者の代表作2編が納められた
傑作の文庫復刊です

ケイチャン
思春期に読んで忘れられない
1冊を上げろと言われたら
僕はこの2作を挙げます(笑
30年ぶりの再読となりました
①僕はかぐや姫
自分のことを『僕』とよぶ
名門女子高の文芸部員の
日々を描く物語
ふるえるような自意識が
美しい
②至高聖所(アバトーン)
無機質な学園都市で大学生活を送る
鉱石を愛する女子大生の物語
自身の存在意義に葛藤する者に
救済はあるのだろうか
高校生の頃に読みました
思春期真っ盛り僕は
この本を読んで感動しました

ケイチャン
・・なんて素晴らしい物語
すっかり汚れた魂の
おっちゃんになった自分が
この本を読み返してどう思うかと
心配していましたが、なんと
同じように感動できました

ケイチャン
・・やっぱり素晴らしい物語
知性あふれ気品にみちた
美しい文章が素敵です
その中に洒脱さがあり
絹をなでるような気持ち良さ
ストーリーは深く
考察の余地がたっぷりとあります
多面的な人物像が奥行を深めて
深く物語の世界に潜っていける
いつまでも色あせない
名作の輝きがありました
中年のおっちゃんである僕が
高校生の裕生(ひろみ)と
大学生の沙月(さつき)の
魂に触れて、フルフルと
心が震えてしまうんだ

ケイチャン
・・この感動を伝えたい
そう思いこの本を
息子にプレゼントしました
『良かったよ』と言う息子と
本について語り合う喜びよ!

ケイチャン
・・幸せでした

ケイチャン
あなたにも
ぜひ読んでいただきたい
そう絶対の自信をもって
オススメしたい1冊です
作品紹介(出版社より)
私の血の中には様々な作家の物語が流れているが、
骨はこの「僕はかぐや姫」ただ一篇によって形成されているに等しい。
――宮木あや子(作家)進学校の女子高で、自らを「僕」と称する文芸部員たち。17歳の魂のゆらぎを鮮烈に描き出した著者のデビュー作「僕はかぐや姫」。無機質な新構想大学の寮で出会った少女たちの孤独な魂の邂逅を掬い上げた芥川賞受賞作「至高聖所」。少女たちの心を撃ちぬいた傑作二編が、待望の復刊!
作品データ
タイトル:『僕はかぐや姫/至高聖所(アバトーン)』
著者:松村栄子
出版社:ポプラ社
発売日:2019/3/5
作家紹介
松村栄子(まつむら・えいこ)
1961年静岡県生まれ、福島県育ち。
筑波大学第二学群比較文化学類卒業。
1990年『僕はかぐや姫』で海燕新人文学賞。
1992年『至高聖所(アバトーン)』で芥川賞受賞
松村栄子の作品紹介
『僕はかぐや姫』1991/5/1
『至高聖 』1992/2/1
『セラヴィ』1992/10/1
『あの空の色』1992/10/1
『紫の砂漠』1993/8/1
『001にやさしいゆりかご』1995/4/1
『文章を書こう: 1200字からはじめる自己表現入門』1997/4/1
『あした、旅人の木の下で』1997/7/1
『生誕』1999/3/1
『ひよっこ茶人の玉手箱: インターネットでお茶を愉しむ』2000/4/1
『詩人の夢』2001/2/1
『雨にもまけず粗茶一服』2004/7/15
『Talkingアスカ』2007/1/1
『雨にもまけず粗茶一服<上・下>』2
『明日町こんぺいとう商店街』2013/12/5
『風にもまけず粗茶一服』2014/1/4
『花のお江戸で粗茶一服』2017/10/31
『僕はかぐや姫』(復刊)2019/3/5
『花のお江戸で粗茶一服』2020/5/1
『彼方此方の空に粗茶一服』2024/9/11