サスペンス

【本の感想】『七月の鋭利な破片』櫛木理宇|幼かった自分を、許そうよ・・

櫛木理宇『七月の鋭利な破片』
ケイチャン(サカキ ケイ)

【2025年107冊目】

今回ご紹介する一冊は、

櫛木理宇 著

『七月の鋭利な破片』です。

【感想】「幼かった自分を、許そうよ・・」

サスペンス&ミステリー

幼い頃のトラウマから逃れられない!
林間学校殺人事件の同級生が
14年ぶりに集まった時、秘密の扉が
開きだす・・残酷な物語です

真実を知る勇気は、あるか?

中学校の教師、青哉(あおや)が主人公
SNSの出会い系で騙される生徒
ヤングケアラーの不登校生徒など
現代の教師は頭の痛い問題を抱えている

しかも自分自身もトラウマがあるんだ

小学5年の林間学校で同級生の男児が
誘拐され殺され、なおかつ死姦された
・・あの時、どうすれば良かったのか?
その思いに今だ苛まれるんだ

私たちも同じだよ!

同じ思いを抱える同級生たち
武丸・凪・若葉と14年ぶりに再会し
気持ちを吐き出したあった4人だが
その内1人が殺されてしまった

14年ぶりに動き出した
林間学校殺人事件
けどその真実に至るには各々の
秘密を語らなければならない

青哉たちは自分の
トラウマと向き合い
言い難い秘密を語ることが
出来るのだろうか・・

「幼かった自分を、許そうよ・・」

物語は大人になった青哉たちが
小学5年生だった頃を振り返り
思い出し考える形式で進みます
あの頃ホントは何があったのか?

子どもを洗脳する親たち

夫婦間の不和などから
子供を思うように操ろうと
洗脳する親たちが、憎い
毒親たちの姿に怒りを覚えます

子どもを搾取する大人たち

幼い子供を性の対象と捉え
付け狙う大人たちが、醜い
現代はSNSの普及からさらに
性被害にあう子供が増えている

洗脳と搾取が本作のテーマです

さて物語は14年まえの事件の
真実を青哉たちが暴き
本当の犯人を捕まえることに
成功します

やっと自分と向き合える

幼い頃のトラウマと向き合い不出来な親を認め
子ども時代の自分を許す人生再生の物語でした

大人だからって親だからって立派な人じゃないですよね
あなたは親の欠点を許すことが出来ますか?

作品紹介(出版社より)

市立中学で英語を教える青哉は、久しぶりに小学校の同級生と集まった。武丸、凪、若葉、そして青哉の4人は、14年前の林間学校で起きた壮絶な事件を振り返る。4人と同じ班だった乃江瑠が、近所の危険人物・須藤に殺害されたあの日のことをーー それぞれが、わだかまる思いを抱えつつ、また会うことを約束した数日後、若葉が絞殺体で発見された。過去の事件と繋がりがあるのか? 悪夢が再び動き出す! 

作品データ

タイトル:『ふたり腐れ』
著者:櫛木理宇
出版社:光文社
発売日:2025/6/25

作家紹介

櫛木 理宇(くしき・りう)

2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー。
同年『赤と白』で第25回小説すばる新人賞を受賞。
『ドリームダスト・モンスターズ』シリーズや、『死刑にいたる病』『209号室には知らない子供がいる』『鵜頭川村事件』『避雷針の夏』や『老い蜂』、映画化を控える『死刑にいたる病』など著書多数。
 

櫛木理宇の作品紹介

『ホーンテッド・キャンパス』
『お城のもとの七凪町 骨董屋事件帖』(2014/02/20)
『ドリームダスト・モンスターズ』
『チェインドッグ』(2015/07/22)
『赤と白』(2015/12/22)
『侵蝕 壊される家族の記録』(2016/06/18)
『僕とモナミと、春に会う』(2016/12/06)
『避雷針の夏』(2017/07/20)
『死刑にいたる病』(2017/10/25)
『アンハッピー・ウェディング 結婚の神様』(2018/01/09)
『瑕死物件 209号室のアオイ』(2018/11/22)
『少女葬』(2019/05/01)
『世界が赫(あか)に染まる日に』(2019/09/20)
『死んでもいい』(2020/04/16)
『虜囚の犬』(2020/07/09)
『殺人依存症』(2020/10/07)
『鵜頭川村事件』(2020/11/10)
『ぬるくゆるやかに流れる黒い川』(2021/09/09)
『老い蜂(2021/09/24)
『残酷依存症』(2022/04/07)
氷の致死量』(2022/05/10)
『虎を追う』(2022/06/14)
少年籠城 』(2023/05/10)
骨と肉』2024/7/25
死蝋の匣』2024/7/2
逃亡犯とゆびきり』2024/12/11
ふたり腐れ』2025/4/23
七月の鋭利な破片』2025/6/25


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ケイチャン
ケイチャン
サラリーマン読書家
年間150冊以上の本(主に小説)を読む、名古屋で働くサラリーマン【ケイチャン】です。食べることが大好きな僕が撮影している「本のある日常風景」と共に、本の紹介と感想のブログをお楽しみください!オススメの本は?この本気になるけど面白い?…など、読む本に迷った方への参考になれば幸いです。好きな言葉は「花には水を、人には愛を!」【ケイチャンブックス】よろしくお願いします!一緒に読書を楽しみましょう!!
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