【感想】『苺飴には毒がある』砂村かいり|友情にも賞味期限切れが、あるの?

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苺飴には毒がある|砂村かいり

ケイチャン

ケイチャン

【2024年6冊目】

今回ご紹介する一冊は、

砂村かいり 著
苺飴には毒がある です。

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【感想】友情にも賞味期限切れが、あるの?

毒友との青春小説

かわいらしい口で
級友の悪口を言う幼なじみのれいちゃん
でも同じその口で
わたしの悪口も言いふらしているんでしょ?
女子高生の悩める友人関係を描く物語です

あなたと居たくないけれど
ひとりになるのは怖いの・・

みなさんには
幼なじみっていますか?
僕には3人のご近所幼なじみが
いましたが見事にバラけましたね
一緒に居た時間が長いだけじゃ
友情は続かないのでしょう

さて主人公の寿美子(すみこ)ちゃんは
悩んでいます
毎朝一緒に自転車登校する
幼なじみのれいちゃんがわからないんだ

口をひらけば他人の悪口ばかり
そして毎朝一緒に登校しているのに
高校では私をハブってくるうえに
容姿を嘲り、行動を非難して
みんなに嫌われるよう誘導するんだ
・・え、私たちは友達だよね!
なんでこんなことするのだろうか?

中盤まで寿美子ちゃんが
鬱々悶々と悩む苦しい描写が続きます
思春期の過敏な自意識が晒されて
痛々しい

そんな寿美子ちゃんに
転機が訪れる
それは親友と呼べる存在が
出来たことでした

しかしれいちゃんは
そんな寿美子を面白く思っていなかったのか
親友の前で知られたくない事実を吐き散らすのだ
・・もうたくさん、我慢の限界だ!

そして寿美子はれいちゃんに
長年の思いのたけをぶちまけ
対決するのでした

「友情にも賞味期限切れが、あるの?」

人は変わってしまう
自分も変わってゆく
ちょっと前まで同じ気持ちで
キラキラと夢を語っていたのに
いつの間にか思いは違う方へ向き
あのキラキラとした時間は
もう戻らない

女性の心のさざ波をも
繊細に描写されて
いつの間にか
寿美子ちゃんに寄り添う
心持になってゆきます

かつての親友と
だんだんと離れてゆくのは
怖いこと
でも、仕方ないんだ

心が弱い母と
心が折れた姉が
寿美子ちゃん行く末を
暗示しているようでしたが
実は寿美子が一番
心が強かった

変わりゆく寿美子の姿が
逆に母と姉の指針となる
成長の物語でもありました

好きだけど
嫌いなとこもある
多面的な友人関係が
見事に描かれた本作
深く読み応えがありました
おススメしたい一作です

作品紹介(出版社より)

「どうしていつも、ごく普通の友達でいられないんだろう」

高校二年生の寿美子には、れいちゃんという幼なじみの友人がいる。
同じ高校に進学し通学を共にしているふたりだが、
過去に複雑な事情を持つれいちゃんは、可憐な容姿とは裏腹に、他人の容姿を貶めたり、陰口を撒き散らすことでコミュニケーションをとる少女だった。
そんな態度に違和感を覚え始める寿美子だが、やがて彼女の吐く毒は自分自身にも及んでいるのではないかと思い至り――。

互いを傷つけ合いながらも一緒にいる、思春期の複雑な友人関係。
業界注目の新鋭・砂村かいりが贈る、
一言では片づけられない少女同士の関係性に切り込んだ青春小説。

作品データ

タイトル:『苺飴には毒がある』
著:砂村かいり
出版社:ポプラ社
発売日:2023/11/15

作家紹介

砂村かいり(すなむら・かいり)

2020年、『炭酸水と犬』『アパートたまゆら』で、第5回カクヨムWeb小説コンテスト恋愛部門〈特別賞〉を二作同時受賞。翌年デビュー。
軽やかな筆致と丁寧に書き込まれた人物造形で織りなす人間ドラマが魅力の注目の新鋭。他の著作に『黒蝶貝のピアス』がある。

砂村かいりの作品紹介

『炭酸水と犬』 2021/03/18
『アパートたまゆら』 2021/03/18
黒蝶貝のピアス』 2023/04/19
苺飴には毒がある』2023/11/15

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