【感想】『家康の血筋』近衛龍春|親子の情より、お家の存続が大事です

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家康の血筋|近衛龍春

ケイチャン

ケイチャン

【2023年53冊目】
今回ご紹介する一冊は、
近衛龍春
『家康の血筋』です。

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【感想】「親子の情より、お家の存続が大事です」

歴史小説

戦国大名の子として
産まれることは
不幸なのか?
偉大な父とその息子たちの物語です

戦国時代の覇者、徳川家康
その幼少期は人質の身の上で
苦労したことが知られています
そのためでしょうか
自らの子に対しても
厳しい態度で臨んでいました

本書は徳川家康の11人の息子のうち
5名を取り上げて
父、家康との関係と
兄弟同士の後継者争いを軸にして
その生涯を描いています

「親子の情より、お家の存続が大事です」

長男、松平信康(のぶやす)
父子の関係悪化により、切腹
享年21歳

いやはや・・
実の息子に切腹をさせるって
どんな心情なんでしょうね?

次男、結城秀康(ひでやす)
家康に嫌われ、はぶられた生涯
享年34歳

どうしてこれほど嫌われたのか?
息子を嫌いぬくってのも
なかなか出来ないように
思えるのですが・・

三男、徳川秀忠(ひでただ)
使い勝手がよい操り人形
享年54歳

徳川の跡取り
始終父親を立て続けた秀忠が
実は一番スゴイのかも

四男、松平忠吉(ただよし)
義理父のおかげで関ケ原で大活躍!
享年28歳

兄弟でただ一人、関ヶ原に参戦し
名誉の一番槍と負傷をした忠吉
もっとも武人らしい生涯を
送ることが出来ました

六男、松平忠輝(ただてる)
我儘が過ぎて大失敗
享年92歳

反抗しすぎて配流となる
親子だと甘えると
こーなるんですね

戦国大名の親子関係を
現代の感覚で論ずるのは
無意味でしょうが・・
無情で厳しいですなあ!

将棋の駒のような扱いです
これは辛い

親子といえど、他人と同じ
会社で人間関係に心を砕く
人が出世するように
最後はコミュニケーション能力が
人生の勝敗を決めるのかなって
思いました

あなたは親や上司と
上手くやれていますか?

作品紹介(出版社より)

父の名は、徳川家康。
長篠、関ヶ原、大坂の陣……
宿命を背負った〈天下人の息子たち〉の
絶対に負けられない戦い――!

松平信康
結城秀康
徳川秀忠
松平忠吉
松平忠輝

『九十三歳の関ヶ原』著者、渾身の歴史小説!

父の背を見て、子は闘う――。
偉大なる父を持った息子たちは如何なる運命を辿ったのか――

作品データ

タイトル:『家康の血筋』
著者:近衛龍春
出版社:実業之日本社
発売日:2023/1/30

作家紹介

近衛 龍春(このえ・たつはる)

1964年生れ。大学卒業後、オートバイレースに没頭。通信会社勤務、フリーライターを経て『時空の覇王』でデビュー。
戦国武将の生きざまを数多くの史料を駆使し劇的に描ききる筆力に定評がある。

近衛 龍春 の作品

『上杉三郎景虎』2001/03/01
『流血鬼信長3 戦国魔闘伝奇』2001/09/01
『北条戦国記 氏邦初陣』 2002/08/01
『毛利は残った』2009/06/19
『島津は屈せず』2011/05/28
『慶長・元和大津波 奥州相馬戦記』 2012/07/28
『南部は沈まず』 2012/08/01
『伊達の企て』 2016/04/13
『赤備えの鬼武者 井伊直政』 2017/03/27
家康の血筋』 2023/01/30
…他多数

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