ケイチャン
【2023年162冊目】
今回ご紹介する一冊は、
背筋 著
『近畿地方のある場所について』です。
もくじ
【感想】「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」
あの場所は、おかしい・・
山とダムと団地のあるところから
男と女と子供が、あなたを呼ぶんだ
読むと呪われるような、ホラー小説です
僕ももう、呼ばれてるのか?
近畿地方のある場所で
怪異事件が集中しているようだ
このことに気が付いた
雑誌編集者の依頼を受けて
ライターの私が調査を進めます
すると、出るわ出るわ
怪異譚のオンパレードが
雑多でとっ散らかった
情報を集めるうちに
浮かび上がるキーワード
大男・跳ぶ赤い女・虚ろな子供
そこに何があるのだろうか?
インターネット上にあふれる
ごちゃっとした情報を
あさって行くような感覚でした
各章で語られる
まとまりのない情報に
混乱してしまいます
なかなか真偽が定まらなく
話題もとっ散らかったままで
物語は結末へと向かう
そして明かされる
ライターの真意に
黒々とした悪意が見え
ゾワゾワとした恐怖が
背筋を駆け上がる
いや~、とっておきに
気持ち悪い物語でした笑
なんの解決のないままに
放り出される不快感が
ず~っと尾を引く
新しいタイプのホラーです
怖いものを見ても
僕は気が付かないフリをしよう!
だって興味本位で見つめたら
追っかけてくるかも知れないよ?
さて、あなたならその時
見返さずにいられますか?
作品紹介(出版社より)
情報をお持ちの方はご連絡ください。
以下著者メッセージ。
『近畿地方のある場所について』という本に収録されている様々な形式の文章は、オカルト雑誌に掲載する特集のために、ライターの私と、編集者で友人でもある小沢くんの手によって収集されたものです。
それらは、近畿地方の「ある場所」に関連した文章です。
私たちは、「ある場所」に潜む怪異の存在に気づきました。
そして、調べを進める中で小沢くんが消息を絶ってしまいました。
私は彼を探しています。
どうか皆さんこの本をお読みいただき、情報をお持ちの方はご連絡ください。
作品データ
タイトル:『近畿地方のある場所について』
著者:背筋
出版社:KADOKAWA
発売日:2023/8/30
作家紹介
背筋(せすじ)
2023年1~4月にかけて、ウェブ小説投稿サイト「カクヨム」に投稿した『近畿地方のある場所について』で小説家としてのキャリアをスタート。SNSでその存在が話題になり、ホラーファンの間で知られる存在に。現在は小説第2弾を準備中。
背筋の作品紹介
『近畿地方のある場所について』2023/8/30