ケイチャン
【2023年104冊目】
今回ご紹介する一冊は、
河野裕 著
『愛されてんだと自覚しな』です。
もくじ
【感想】「完成しない恋だから、永遠にときめく」
女は忘れ
男は思い出す
噛み合わない生生流転だからこそ
『世界はときめきで満ちてるね』
ドタバタ&コメディ・サンサーラ小説です
神様に惚れられたら、呪われるの?
時は1000年前
ある女は神様に見初められて
お嫁さんになりました
めでたしめでたし・・
とは、なりませんでしたww
だって、そんな神様勝手、許せないッ!
むくむくと起こる反骨心のままに
女は、ある男の嫁になることにするが
そうは当の神様が許さない
結果、女と男は殺された上に
呪われてしまうのです
その呪いとは・・
輪廻転生を繰り返すも
女は前世の記憶を出会った時に忘れ
男は前世の記憶を出会ったときに思い出す
とゆー、いじわるな呪いだったのです
そして生まれ変わっては出会い
死んでは別れを繰り返し
時には犬になったり鳥になったりして
現代に至るのでした
さてこの1000年続くラブゲームに
主人公の杏(あん)ちゃんは
半分ゲームオーバーして
現世での幸せを謳歌しているようす
おいおい、そんなんで、いいの?
そして物語は800年前から
延々と執筆が続けられるとゆー書物
『徒名草文通録』(あだなぐさぶんつうろく)
をめぐって、一癖ある人や神が
わちゃわちゃ盗ったり盗りかえしたり
さて犯人は誰だっ?と
ミステリー要素も加わる
盛り沢山な展開となってくるのです
欲張りなストーリーですね笑
前世の記憶を持ったまま
輪廻転生を繰り返し
永遠に恋人と出会いなおす
王道の恋愛ファンタジーですね!
僕は憧れます
これに、ひとつまみ、ふたつまみと
スパイスを加えて
作中に登場する『骨頂カレー』のような
味わい深く、パンチの効いた
ストーリー展開で楽しませてくれる
カレーライスを食したあと
軽く汗をかいたような
爽やかさのある
ファンタジー小説でした
作品紹介(出版社より)
『いなくなれ、群青』の著者が描く、最高にポップなモダン・ファンタジー
千年の愛は、一途でかろやか
千年ぶんの愛も、今この一瞬のときめきも。
最高にポップなモダン・ファンタジー。
千年前、女は神からの求婚を袖にして、愛する男と共に輪廻転生の呪いをかけられた。
生を繰り返すふたりは様々な時代で出会っては別れ、そして現代。壮大な過去を背負う岡田杏は、しかしすっかり「運命の恋人探し」を放棄して、ルームメイトの盗み屋・祥子と共に令和の世を謳歌していた!?
人と神とが駆け回り、時を超えた愛と欲とが入り乱れる只中で、悠々と我が道を行く最強コンビの物語!
作品データ
タイトル:『愛されてんだと自覚しな』
著者:河野裕
出版社:文藝春秋
発売日:2023/5/25
作家紹介
河野裕(こうの・ゆたか)
1984年、徳島県生れ。
兵庫県在住。2009年、『サクラダリセット CAT,GHOST and REVOLUTION SUNDAY』でデビュー。
2015年、『いなくなれ、群青』で大学読書人大賞を受賞。
同作から始まる「階段島」シリーズは2019年『きみの世界に、青が鳴る』で完結した。
2022年、『君の名前の横顔』で「読者による文学賞」を受賞。
その他著書に『昨日星を探した言い訳』、「架見崎」シリーズとして『さよならの言い方なんて知らない。』などがある。
河野裕の作品紹介
『昨日星を探した言い訳』 2020/08/24
『君の名前の横顔』 2021/11/09
『愛されてんだと自覚しな』2023/05/25