【感想】『刑事弁護人』薬丸岳|真実よりも守るべきものがある!

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刑事弁護人|薬丸岳

ケイチャン

ケイチャン

【2022年79冊目】

今回ご紹介する一冊は、

薬丸岳 著

『刑事弁護人』です。

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【感想】「真実よりも守るべきものがある!」

法廷ミステリー

現職女性刑事がホストを殺した!
だが容疑を否認する彼女は、真実を話していない
彼女が守ろうとしていたのは、いったい何なのか?

若き女性弁護士と、元刑事の弁護士がタッグを組んで
隠された真実を解き明かすリーガル小説です

ほとんどの登場人物が、過去の犯罪によって親しい人を亡くしています

主人公の持月凛子(もちづき りんこ)は、弁護士であった父を逆恨みで殺されています
犯罪の容疑者を弁護する、いわゆる刑事弁護人であった父
犯罪者を弁護するのですから、被害者から恨みを買うのもしかたない
しかし誰かがやらなければならないこの仕事、私は父の遺志を継ぐ!

若き凛子ちゃんのパートナー、無精ひげも気にしない渋い男の西さん
元刑事から弁護士への転職という異色の経歴です
彼は大学生の頃に彼女を殺害されて、未だ犯人は見つかっていません
犯罪を憎む心は人一倍なのです

そして彼女らが弁護するのは、現職刑事の垂水涼香(たるみ すずか)さん
まだ幼い息子の響(ひびき)クンを失って、職務に没頭する涼香さん
そんな彼女がホストを痴情のもつれで殺すだって?
そんなことあるわけないだろう!

「真実よりも守るべきものがある!」

涼香は何かを隠している、真実を語ってはいない・・
刑事だった経験が西にそう告げるのでした
やがて明らかになってゆくのは、容疑者の涼香と殺されたホストの過去
2人を繋ぐ接点が見つかったとき、バラバラに思えた全ての事象が集結して
1枚の大きな悲しい絵が現れるのでした

この物語のテーマとなるのが、犯罪被害者の癒えない傷です
いつまでも痛む心の悲しみが綴られます
残された人をどうケアするべきか?
そう考えされられます

緻密な調査で少しずつ真実を解き明かしてゆく
その過程にゾクゾクさせられるリーガルミステリーです
この人は何を守っているのか?
それを考えながら、あなたもこの絵解きをしませんか

作品紹介(出版社より)

現役女刑事による残忍な殺人事件が発生。弁護士・持月凜子は同じ事務所の西と弁護にあたるが、加害者に虚偽の供述をされた挙げ句、弁護士解任を通告されてしまう。事件の背後に潜むのは、幼児への性的虐待、残忍な誘拐殺人事件、そして息子を亡くした母親の復讐心? 気鋭のミステリ作家が挑んだ現代版「罪と罰」。

作品データ

タイトル:『刑事弁護人』
著者:薬丸岳
出版社:新潮社
発売日:2022/3/18

作家紹介

薬丸岳(やくまる・がく)

1969年兵庫県明石市生まれ。駒澤大学高等学校卒業。
2005年、『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。
2016年『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞を、2017年「黄昏」で第70回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。
連続ドラマ化された刑事・夏目信人シリーズ、『友罪』『ガーディアン』『告解』など多数の作品を意欲的に発表している。

薬丸岳 の作品紹介

『天使のナイフ』(2005年8月)
『闇の底』(2006年9月)
『虚夢』(2008年5月)
『悪党』(2009年7月)
『刑事のまなざし– 刑事・夏目信人1』(2011年6月)
『ハードラック』(2011年9月)
『死命』(2012年4月)
『逃走』(2012年10月)
『友罪』(2013年5月)
『その鏡は嘘をつく– 刑事・夏目信人2』(2013年12月)
『刑事の約束– 刑事・夏目信人3』(2014年4月)
『神の子』(2014年8月)
『誓約』(2015年3月)
『アノニマス・コール』(2015年6月)
『Aではない君と』(2015年9月)
『ラストナイト』(2016年7月)
『ガーディアン』(2017年2月)
『刑事の怒り– 刑事・夏目信人4』(2018年1月)
『蒼色の大地』(2019年5月)
『告解』(2020年4月)
ブレイクニュース』(2021年6月)
刑事弁護人』(2022年3月)

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