【感想】『CF シーエフ』吉村萬壱|責任ってなーに?そんなの、ただの概念さ

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ケイチャン

ケイチャン

【2022年108冊目】

今回ご紹介する一冊は、

吉村萬壱 著

『CF シーエフ』です。

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【感想】「責任ってなーに?そんなの、ただの概念さ」

責任なんてもうとる必要ないんだよ
罪の責任を無化する会社『CF』をめぐる
ディストピア群像劇です

こいつはヤバい!

読書界ではやりたい放題後は知ったこっちゃない
という方は少なく
どちらかと言うと責任感が強い方が多いと思うのですが
あなたは自分の行動に責任を持つほうですか?

その会社は神か悪魔か
責任を物質化し
無化するビジネス
それが巨大企業『CF』です

責任の物質化という時点で
??という感じですが
考えは面白い
私たちの社会は自分の責任は自分が持つ
前提で成り立っているのですから

「責任ってなーに?そんなの、ただの概念さ」

幼少期から責任持って行動するように叩き込まれ
多くの方はその呪縛に縛られます
何のため?
やはり社会を円滑に回すためでしょう

しかしある時突然その歯車が止まってしまう
加害者か
被害者か
事件か事故か、自身に降りかかる
心が動かなくなるような事態に直面した時
あなたはどうするでしょうか

物語は罪の無効化について
様々な反応をする人々を描く

トンデモ設定ですが
もしこんなことが出来たらって思うと
ゾクゾクとします

あなたも人に言えない小さな罪悪感ぐらいあるでしょう
ふとしたときに思い出し
あの時あんなことしなければ
こんな後々後悔する必要もなかったのに・・と

その感情が無くなる

これはスッキリすることでしょう

登場人物達はそれぞれの立場でCFと対峙し
自分の感情と向き合ってゆく
そしてオセロゲームのように
価値観が反転してゆく

それは神様のような存在に
自分の気持ちを委ねてしまうことかも知れません

自分で考えなければ
責任をとる必要もないでしょうから・・

作品紹介(出版社より)

罪の責任を取る必要がない「無化」を行ってくれる超巨大企業・Central Factory。
加害者のみならず被害者の苦しみも取り除いてくれる夢のような技術を持ち、世を平穏へと導いている。
が、それに疑問を持つ男がひとり。男はCFへのテロを計画していた。

人生に上手く馴染めないキャバクラ嬢、能面のような夫の表情に悩む主婦、少女へ恋する中学生、自由を持て余すホームレス、CFの布教に勤しむ老婆、CFでの労働によって犯罪の清算をする中年、社長の著作代筆作業に行き詰まるCF広報室長。そして、CFの欺瞞を暴こうとテロを計画する男。
CFCFCF。
CFをめぐり、人々は交錯する。
罪とは何か。
責任のとり方を問う群像劇。

作品データ

タイトル:『CF シーエフ』
著者:吉村萬壱
出版社:徳間書店
発売日:2022/6/29

作家紹介

吉村萬壱(よしむら・まんいち)

1961年愛媛県生まれ。京都教育大学教育学部第一社会科学科卒業。
1997年、「国営巨大浴場の午後」で第1回京都大学新聞社新人文学賞受賞。
2001年に「クチュクチュバーン」で第92回文學界新人賞を受賞しデビュー。
2003年に「ハリガネムシ」で第129回芥川龍之介賞を受賞。
2016年『臣女』で第22回島清恋愛文学賞を受賞。
著書に『バースト・ゾーン 爆裂地区』『独居45』『ボラード病』『生きていくうえで、かけがえのないこと』などがある。愛媛県松山市生まれ、大阪府大阪市・枚方市育ち。

吉村萬壱の作品紹介

クチュクチュバーン(2002/02/01)
ハリガネムシ(2003/08/01)
バースト・ゾーン―爆裂地区(2005/05/01)
ヤイトスエッド(2009/04/25)
独居45(2009/09/25)
ボラード病(2014/06/11)
臣女(2014/12/10)
虚ろまんてぃっく(2015/09/10)
生きていくうえで、かけがえのないこと(2016/08/26)
流しの下のうーちゃん(2016/10/28)
回遊人(2017/09/26)
前世は兎(2018/10/26)
出来事(2019/12/21)
流卵(2020/02/26)
死者にこそふさわしいその場所(2021/08/25)
哲学の蠅(2021/11/18)
CF(2022/06/29)

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