【本の感想】『嗤う被告人』前川裕|人が見た目であるはずない・・かな?どうかな?笑

【2025年41冊目】
今回ご紹介する一冊は、
前川裕 著
『嗤う被告人』です。
【感想】「人が見た目であるはずない・・かな?どうかな?笑」
成金のエロ老人が死んだ
被告人は
55歳年下の元パパ活美人妻
状況証拠の不確かさを問う物語です
紀州の・・もとい
『銚子のドン・ファン』と呼ばれる
大金持ちが覚せい剤を飲んで死んだ
事故なのか?それとも、事件なのか?
その影響なのか?
55歳年下の妻が逮捕されます
でも証拠は、ありません
あるのはアヤシイという
印象のみ

それって、正しいことなの?
主人公の弁護士、森本里奈さんは
守るべき被告人の美人妻を見て
こう思いました
・・うん、アヤシイね
こいつは信じられないよ!と
さて人を見るのが仕事である
森本弁護士さんの第一印象は
はたして
当たっているのだろうか?
スマホが触りた~い
と言うチャラいノリの
アヤシ過ぎる依頼人を
ジト~と疑惑の目で見る
森本弁護士さん

やっぱコイツが犯人じゃない?
依頼人を信じることが出来ない
そんな思いで物語は進みます
しかし真相は思わぬ方向に進み
被告人の冷静な思いが明るみとなる
・・私は疑われて当然なの
自分の立場を一番わかっているのは
実は被告人の美人妻、由起さんでした
みんな私が犯人だと思っている
そして私はどうすることも
出来ないんだ、と
ジタバタ暴れることなく
時を待つ由起さん
冒頭の印象が覆る
忍耐の物語でした

さて、あとがきには
紀州のドン・ファン事件からヒントを得たとありましたが
こちらの真相はどうなんでしょうね?

ホントは冤罪だったら
下世話な話題で騒いだ人にも罪があるんじゃないでしょうか
あなたはどう思いますか?
作品紹介(出版社より)
「銚子のドン・ファン」の異名をもつ好色な老資産家が死んだ。殺人罪で起訴されたのは、結婚したばかりの55歳下の若妻――。接見を重ねる新人女性弁護士は、被告の曰くありげな言動に翻弄されつつ、不可解な示唆と時に鋭い指摘に誘導されるように、事件の真相に迫っていく。異様な感動へ跳躍する新たな実話系ミステリー。
作品データ
タイトル:『嗤う被告人』
著者:前川裕
出版社:新潮社
発売日:2025/1/29
作家紹介
前川裕(まえかわ・ゆたか)
1951年東京都生まれ。一橋大学法学部卒。東京大学大学院人文科学研究科修了。専門は比較文学、アメリカ文学。
2012年『クリーピー』で第15回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、作家として本格デビュー。
「クリーピー」シリーズのほか、『ハーシュ』『魔物を抱く女─生活安全課刑事・法然隆三─』『号泣』『感情麻痺学院』『ギニー・ファウル』『完黙の女』『逸脱刑事』など著書多数。
前川裕の作品紹介
・「クリーピー」シリーズ
『クリーピー』2012/2/18
『ハーシュ』2014/2/21
『魔物を抱く女─生活安全課刑事・法然隆三─』2020/6/1
『ギニー・ファウル』2022/6/21
『号泣』2023/4/26
『完黙の女』2023/5/17
『逸脱刑事』2024/3/15
『感情麻痺学院』2024/6/14
『嗤う被告人』

