【感想】『十戒』夕木春央|殺人者と暮らす方法を、知ってるかい?

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十戒|夕木春央

ケイチャン

ケイチャン

【2023年135冊目】
今回ご紹介する一冊は、
夕木春央 著
『十戒』です。

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【感想】「殺人者と暮らす方法を、知ってるかい?」

クローズドミステリー

この中に必ず犯人はいる!
孤島にあつまった9人が
また1人と数を減らしてゆく
海と『掟』に囚われたミステリーです

ここでは犯人が『神』なのだ

リゾート気分で訪れた島は
なんと・・
爆弾島だった!

叔父から相続した、無人島を
リゾート物件として貸し出す
計画のために父や関係者たちと
下調べに訪れた、里英(りえ)ちゃん

芸大志望で現在2浪中の里英ちゃん
辛い浪人生活の気晴らしにと
叔父との思い出が詰まった
島に訪れたところ・・

ナニコレ?
思い出の代わりに
爆弾が詰まっているじゃないか!

島中いたるところに
山積みされた、爆弾
困惑するまま1夜を過ごすと
あくる朝、1人の死体と
犯人からのメッセージが
置かれていたんだ

「殺人者と暮らす方法を、知ってるかい?」

殺害された死体を見て
残された者が混乱するかと思いきや
そうはなりませんでした
犯人からのメッセージがあるためです

俺の言うとおりにすれば
3日後、無事に島から出してやる
その言葉を信じ
10箇条の掟『十戒』の指示どおり
動く人々

しかし、犯人は
確実に隣に居るんだ・・

思考を放棄して、犯人に従うもの
困惑のあまり、立ちすくむもの
そして
真相に気がつきながら
口をつぐむもの

自分ならどう動くだろうか?
そう考えながら読み進めるうちに
3日が過ぎゆく

さて里英ちゃんは
この爆弾島から
無事に立ち去ることが
出来るのでしょうか?

孤島で
空と海に閉じ込められる
とゆー設定がいいですね
空は高く
海は青いのに
死と隣り合わせの
囚われ人

地中に沈んだ
前作『方舟』と
正反対の設定ですね

殺人者と暮らす日々
そこで里英ちゃんが
選んだ生きのびる戦略は
沈黙
でした

よく
雄弁は銀、沈黙は金
と言いますが
知っていて黙るというのは
難しいこと

作中でジョージ・オーウェルの
『1984』が登場しますが
知り過ぎたがゆえに
破滅する主人公を描いたこの作品が
生きのびたいなら、黙っていろ
と、里英ちゃんに語っているようです

あなたは知ってしまったことを
黙っていられますか?

作品紹介(出版社より)

殺人犯を見つけてはならない。それが、わたしたちに課された戒律だった。

浪人中の里英は、父と共に、伯父が所有していた枝内島を訪れた。
島内にリゾート施設を開業するため集まった9人の関係者たち。
島の視察を終えた翌朝、不動産会社の社員が殺され、そして、十の戒律が書かれた紙片が落ちていた。
“この島にいる間、殺人犯が誰か知ろうとしてはならない。守られなかった場合、島内の爆弾の起爆装置が作動し、全員の命が失われる”。
犯人が下す神罰を恐れながら、「十戒」に従う3日間が始まったーー。

週刊文春ミステリーベスト10(「週刊文春」2022年12月8日号)国内部門&MRC大賞2022など4冠に輝き、ミステリ界を震撼させた『方舟』夕木春央、待望の最新作!

作品データ

タイトル:『十戒』
著者:夕木春央
出版社:講談社
発売日:2023/8/9

作家紹介

夕木 春央(ゆうき・はるお)

2019年「絞首商会の後継人」で第60回メフィスト賞を受賞。同年、改題した『絞首商會』でデビュー。
近著に『サーカスから来た執達吏』がある。

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夕木 春央の作品紹介

『絞首商會 』(2019年09月)
『サーカスから来た執達吏 』(2021年09月)
方舟』(2022年09月)
十戒』 2023/08/09

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