ケイチャン
【2022年157冊目】
今回ご紹介する一冊は、
中山七里著
『作家刑事 毒島の嘲笑』です。
もくじ
【感想】「その冷笑に、完敗する」
右派系出版社が放火された!
これはテロの前兆に違いない
・・面白くなるね♪(悪の笑み)
現職警官ながら人気作家の毒島(ぶすじま)が
卓越した推理で事件を解決し
なおかつ毒舌でトドメを刺す
人気シリーズの3作目です
今回タッグを組む相棒は公安警察
となれば敵は国家転覆を狙う
左翼運動家となりますが
なにかおかしい・・裏がある
警察家業は天職とのたまい
作家活動のために事件を追う毒島
なぜか若き公安警察官の淡海(あわみ)
に付きまとい、強引にバディを組む
なんで彼を選んだのか?
出版社の放火事件から
スタートした事件は
沖縄の米軍基地問題を絡めて
国政選挙の陰謀へと繋がる
そこに共通するのが
身内のいけにえ
かたき討ちの御旗を掲げるために
人身御供をささげるのだ
何故こんなやり方をするのか?
その理由が解る時
真の敵の姿が現れるのだ
本作の面白さはひとえに
毒島のキャラにあると言えるでしょう
ひょうひょうとしてニヒル
姿をつかませないドジョウのような態度
しかし警官としての職務に忠実で
ねちっこく事件をどこまでも追う
ぶった切るような毒舌に
スッキリしちゃいます
現代の軽薄な右派左派の理論を
ズバズバと切り裂くところには
読みながら自分の口元に
悪い笑みが浮かんでしまいます
ずっと一緒にいるとキツイけれど
ちょっと距離があると
面白く見ていれる人って
あなたのそばにもいませんか?
作品紹介(出版社より)
最恐毒舌刑事VSテロリスト
毒島真理は大量の連載を抱える人気ミステリ作家。
しかしひとたび筆を置けば、警視庁随一の名刑事へと変貌する。
冴えわたる舌鋒で、思想に毒された犯罪者に心理戦を仕掛ける!保守系の刊行物で有名な出版社に、何者かが火を放った。公安一課の淡海奨務は、左翼集団の犯行とみて捜査を開始する。そこで出会ったのは同じく事件を追う作家兼業の名物刑事・毒島真理。虫も殺さぬような風貌とは裏腹に、毒島は容赦ない口撃で犯人を徹底的に追い詰める。淡海はその姿にたじろぎつつも、行動を共にすることに。間もなくネットに公開された「急進革マル派」を名乗る過激派の声明。果たして事件は大量殺人の予兆なのか? どんでん返しの帝王がおくるノンストップミステリ!
作品データ
タイトル:『作家刑事 毒島の嘲笑』
著者:中山七里
出版社:幻冬舎
発売日:2022/7/21
作家紹介
中山 七里 (なかやま・しちり)
1961年、岐阜県生れ。
『さよならドビュッシー』で『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2010年にデビュー。
音楽を題材とした「岬洋介」シリーズほか、「御子柴礼司」シリーズ、「刑事犬養隼人」シリーズなど、著書多数。
中山七里の作品
『さよならドビュッシー』(2010年1月)
『おやすみラフマニノフ』(2010年10月)
『連続殺人鬼カエル男』(2011年2月)
『魔女は甦る』(2011年5月)
『さよならドビュッシー前奏曲– 要介護探偵の事件簿』(2011年10月)
『贖罪の奏鳴曲– 御子柴礼司』(2011年12月)
『静おばあちゃんにおまかせ』(2012年7月)
『ヒートアップ』(2012年9月)
『スタート!』(2012年11月)
『いつまでもショパン』(2013年1月)
『切り裂きジャックの告白– 刑事犬養隼人』(2013年4月)
『七色の毒– 刑事犬養隼人』(2013年7月)
『追憶の夜想曲– 御子柴礼司』(2013年11月)
『アポロンの嘲笑』(2014年9月)
『テミスの剣』(2014年10月)
『月光のスティグマ』(2014年12月)
『嗤う淑女』(2015年2月)
『ヒポクラテスの誓い』(2015年5月)
『総理にされた男』(2015年8月)
『闘う君の唄を』(2015年10月)
『ハーメルンの誘拐魔– 刑事犬養隼人』(2016年1月)
『恩讐の鎮魂曲– 御子柴礼司』(2016年3月)
『どこかでベートーヴェン』(2016年5月)
『作家刑事毒島』(2016年8月)
『ヒポクラテスの憂鬱』(2016年9月)
『セイレーンの懺悔』(2016年11月)
『翼がなくても』(2017年1月)
『秋山善吉工務店』(2017年3月)
『ドクター・デスの遺産– 刑事犬養隼人』(2017年5月)
『ネメシスの使者』(2017年7月)
『ワルツを踊ろう』(2017年9月)
『逃亡刑事』(2017年12月)
『護られなかった者たちへ– 宮城県警シリーズ』(2018年1月)
『悪徳の輪舞曲– 御子柴礼司』(2018年3月)
『連続殺人鬼カエル男ふたたび』(2018年5月)
『能面検事』(2018年7月)
『TAS特別師弟捜査員』(2018年9月)
『静おばあちゃんと要介護探偵』(2018年11月)
『ふたたび嗤う淑女』(2019年1月)
『もういちどベートーヴェン』(2019年3月)
『笑え、シャイロック』(2019年5月)
『死にゆく者の祈り』(2019年9月)
『人面瘡探偵』(2019年11月)
『騒がしい楽園』(2020年1月)
『帝都地下迷宮』(2020年2月)
『夜がどれほど暗くても』(2020年3月)
『合唱 岬洋介の帰還』(2020年4月)
『カインの傲慢– 刑事犬養隼人』(2020年5月)
『ヒポクラテスの試練』(2020年6月)
『毒島刑事最後の事件』(2020年7月)
『テロリストの家』(2020年8月)
『隣はシリアルキラー』(2020年9月)
『銀齢探偵社静おばあちゃんと要介護探偵2』(2020年10月)
『復讐の協奏曲– 御子柴礼司』(2020年11月)
『境界線– 宮城県警シリーズ』(2020年12月)
『ラスプーチンの庭』(2021年1月)
『ヒポクラテスの悔恨』(2021年5月)
『能面検事の奮迅』(2021年7月)
『嗤う淑女 二人』(2021年9月)
『おわかれはモーツァルト』(2021年12月)
『鑑定人 氏家京太郎』(2022年1月)
『人面島』(2022年3月)
『作家刑事 毒島の嘲笑』(2022年7月)