現代

『彼の左手は蛇』中村文則 あらすじと感想|全て終われば、楽になれるの?

中村文則『彼の左手は蛇』|ケイチャンブックス
ケイチャン(サカキ ケイ)

【2026年21冊目】
今回ご紹介する一冊は、
中村文則 著
『彼の左手は蛇』です。

この小説はこんな人にオススメ

現代の社会で生きづらさを感じている

【あらすじと感想】全て終われば、楽になれるの?

現代文学

私の中に棲む蛇は
誰に噛みつくのか?
毒蛇が間違った世界を壊す
テロリストの物語です

原初、蛇は神だった!?

舞台は毒蛇がまき散らされた
とある街からスタートします
なぜ世界各国の毒蛇たちがいるのか?
疑問続出の不穏な物語の開幕です

僕の蛇を手に入れよう!

導かれるように2匹の
超危険な毒蛇を手にした、私
それでなにをするのか?
そう!世界を正すために使用するのです

世界を間違ったカタチにした
悪人を殺すために
毒蛇と共に牙を磨く、私
その毒の牙は正しく
悪を滅ぼすのだろうか?

「全て終われば、楽になれるの?」

中村文則の作品と言えば
難解な世界観と難しい主人公が
ウリですが、本作もまったく
そんな感じでした笑

難しい主人公の、私

左手に蛇を棲まわす、私
幼少の頃から否定され続け
忌み嫌われる彼はまさしく
蛇のアバターと言えます

この世界は間違っている!

そんな彼が出会うのが
この間違った世界を具現化する
権力者『ロー・K』です
物語の後半は彼を殺すための
テロの物語となります

もう何も考えたくない!

印象的だったのはテロが成功した
後の自分を想像するシーンです
逮捕された後はもう自分で考え
悩む必要がないということ

考えることは苦痛なのか?

矛盾にあふれ理不尽に満ちた
この世界のことを考えるとき
苦痛しかない・・

思考を放棄することが幸せなんて悲し過ぎますよね

さてこのテロ計画の顛末ですが
主人公の思惑通りには進まずに
ドタバタしたあげくになんとなく
うまいこと成功という形で終わるのです

・・僕はちょっと笑ってしまいました

毒蛇というガジェットを使い
世界の理不尽さを描く物語

中村作品らしい魅力に満ちた難解さが楽しい一冊でした

あなたは蛇が怖いですか?

作品紹介(出版社より)

「つまり言いかえれば、これはテロの書だ。誰も読んでは――」蛇を求める女、謎の宮司、刑事、ある議員、ロー・K、……Apep。中村文則、2年ぶりの最新小説!

著者2年ぶりにして新たなる代表作、誕生!

<つまり言いかえれば、これはテロの書だ。誰も読んでは――>
3ヶ月前、「男」は仕事辞め、女性と別れ、世界中から失われた蛇信仰のあるこの地へ来た――平家が落ち延びたといわれるこの土地に。そして「この文章」を書いている。誰も読まない「この手記」を。
自分が人ではないと思っていた幼少時代の奇妙な記憶、有志によるQ山の毒蛇狩り、白蛇を祀る神社とその宮司、蛇を求める女、ある議員の死とそれを調べるQ署の刑事、ロー・Kというビジネスマン、そして……Apep。
いま男は、ある目的のために“1人”で動き出す。

「現在や未来で、過去は変えられるんだよ。……起こったことは変えられないけど、その後の時間をどう生きるかで、過去の印象や意味合いは変えられる」(本文より)

世界も注目する作家・中村文則が贈る傑作!

中村文則『彼の左手は蛇』|ケイチャンブックス
中村文則『彼の左手は蛇』|ケイチャンブックス

作品データ

タイトル:『彼の左手は蛇』
著者:中村文則
出版社:河出書房新社
発売日:2025/10/30

作家紹介

中村 文則 (なかむら・ふみのり)

1977年愛知県生まれ。福島大学卒業。
2002年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。
2004年『遮光』で野間文芸新人賞受賞。
2005年『土の中の子供』で芥川賞受賞。
2010年『掏摸<スリ>』で大江健三郎賞を受賞。
『掏摸<スリ>』の英訳が米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」で2015年の年間ベスト10小説に選ばれる。
2014年、米国のDavid L. Goodis賞を受賞。
2016年『私の消滅』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞など。
他の著書に『何もかも憂鬱な夜に』『去年の冬、きみと別れ』『教団X』『あなたが消えた夜に』『R帝国』『カード師』など多数。エッセイ集に『自由思考』、対談集に『自由対談』がある。

中村 文則の作品紹介

『銃』 2003/03/01
『遮光』 2004/07/01
『土の中の子供』 2005/07/26
『悪意の手記』 2005/08/30
『最後の命』 2007/06/12
『何もかも憂鬱な夜に』 2009/03/05
『世界の果て』 2009/05/14
『掏摸(スリ)』 2009/10/10
『悪と仮面のルール (100周年書き下ろし)』 2010/06/30
『王国』 2011/10/14
『迷宮』 2012/06/29
『惑いの森 ~50ストーリーズ~』 2012/09/21
『去年の冬、きみと別れ』 2013/09/26
『A』 2014/07/14
『教団X 』2014/12/15
『あなたが消えた夜に』 2015/05/16
『きみに贈る本』 2016/05/07
『私の消滅 2』016/06/18
『R帝国』 2017/08/18
『その先の道に消える』 2018/10/05
『自由思考』 2019/07/05
『逃亡者』 2020/04/16
』 2023/10/05
彼の左手は蛇』2025/10/30

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ABOUT ME
ケイチャン
ケイチャン
サラリーマン読書家
年間150冊以上の本(主に小説)を読む、名古屋で働くサラリーマン【ケイチャン】です。食べることが大好きな僕が撮影している「本のある日常風景」と共に、本の紹介と感想のブログをお楽しみください!オススメの本は?この本気になるけど面白い?…など、読む本に迷った方への参考になれば幸いです。好きな言葉は「花には水を、人には愛を!」【ケイチャンブックス】よろしくお願いします!一緒に読書を楽しみましょう!!
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