
ケイチャン
【2025年39冊目】
今回ご紹介する一冊は、
樋口六華 著
『泡の子』です。
もくじ
【感想】「望みは、うたかたのように消えること」
歌舞伎町の路上で出会った
さまよう少女たちの
吐しゃ物と粘液にまみれた
苦悩する青春小説です
居場所のない若者たちが集う場所
新宿東宝ビルの横・通称、トー横
物語はこの路上で主人公が目覚める
ところから動き出します
惰性のように行く先は
セフレのアパートです
ゴミとアルコールとドラッグが飽和する
汚い部屋で、主人公のヒヒルは
友人の七瀬のことを思い出す
ヒヒルと七瀬はどういう関係で
これからどこに向かうのだろう?
オヤツのようにドラッグをかじり
水分補給はアルコール
挨拶するようにセッ〇スする
そんなヒヒルちゃんの様子は
虚無です

ケイチャン
全然、楽しそうに見えない
かつて友人だった七瀬ちゃんを
オーバードーズのさなかに幻視するヒヒル

ケイチャン
この世の不幸をかき集めたかのような
七瀬ちゃんの来歴が明かされるのが
辛い・・
物語の中盤あたりで
2人の心中シーンが描かれます

ケイチャン
1人生き延びてしまったヒヒルの
苦悩と後悔はやがて
この世の全てを呪うようでした
また亡くなってしまってからも
インターネットのエロ画像として
いつまでも晒し者にされる七瀬ちゃんが
ひたすら悲しいです
愛されず必要とされず
泡のようにさまよう若者たちは
パチンと弾ける
死を希求しているようでした

ケイチャン
たくさんの人たちが集まる場所で
孤独を感じることは
きっととっても辛いんだろうね

ケイチャン
あなたの居場所は
安心できるとこですか?
作品紹介(出版社より)
【21世紀生まれ初受賞/第48回すばる文学賞受賞作】
新宿駅東口。退廃的で無秩序。
私はこの現実で、彼女のために何ができる?歌舞伎町の『王』が捕まった時、七瀬は「あ」と言った。
私は、その幽かな叫び声を隣で聞いた。
ここはつまらない奴らばっかりがいる場所だけど、七瀬だけは違う。
だから、彼女の隣にいても息苦しさは感じなかった。
薬で強制的に引きずり込まれた夢の中にも、七瀬は現れる。
私は、彼女とこの場所に、まだしがみついているのかもしれない――。これは、2007年生まれの若き著者が贈る、
終わってる世界で生きる「私たち」の物語。
作品データ
タイトル:『泡の子』
著者:樋口六華
出版社:集英社
発売日:2025/2/5
作家紹介
樋口六華 (ひぐち・りっか)
2007年生まれ。茨城県在住。
2024年「泡の子」で第48回すばる文学賞を受賞しデビュー。
樋口六華の作品紹介
「泡の子」2025/2/5