ケイチャン
【2024年71冊目】
今回ご紹介する一冊は、
三木三奈 著
『アイスネルワイゼン』です。
もくじ
【感想】「わたしは何をしたいんだろう?」
教え子はイマイチだし
アルバイトでトラブルし
友達と恋人は微妙だし
こんな私はどうすればいい?
うまくいかない女性の物語です
わたし最近ぜんぜんダメなの・・
ヤル気のない教え子に
ため息をつくようなシーンから
物語は始まります
主人公の琴音さんが辛そう
仕事を辞めてピアノ講師に
なんらかのトラブルがあった
ことがほのめかされるが
詳しい事情は語られません
クリスマスイブの日にアルバイトで
歌手の伴奏をしますが
これもうまくいかない
ぐったりとした帰路が、辛い
この後、久しぶりに会う友人の家で
クリスマスパーティーをしますが
友人家族に交じり込めない
アウェイ感まんたんで、辛い
このまた後、深夜バスに乗って
恋人に会いに行くが
なんらかのトラブルが続いているようで
結局、会えません
少し突き放すように
淡々と描かれる琴音さんは
なにかに諦めて
心が縮こまっているようです
そして何かに怒っている
うまくいかない
わたしだけぜんぜん
うまくいかないんだ!
と自信の運命に怒っているようです
こんな時どうすればいい?
わかりません
きっとどうしようもないんでしょう
恋人と会えずに、戻らざるを得ない
琴音さんの心は酷く傷ついたでしょう
ケイチャン
琴音さんになんらかの
失敗や責任があることが
ほのめかされていますが
彼女の責任だけが責められるのは
ちょっと酷だなあと感じました
うまくいかない時は
もうどうしようもない
何をしたいかなんて
選べないし
わからないし
もうどうにでもなれだと
割り切るほかはないんだ
そんな諦念を感じる物語でした
ケイチャン
だけどそんなに簡単に
割り切ることなんて
できませんよね~
うまくいかない時
僕はきっと泣いちゃうな
ケイチャン
あなたならどうしますか?
作品紹介(出版社より)
第170回芥川賞候補作。32歳のピアノ講師・田口琴音は、さいきん仕事も恋人との関係もうまく行っていない。そんな中、ひさびさに連絡をとった友人との再会から、事態は思わぬ方向へ転がっていくーー。静かな日常の中にひそむ「静かな崖っぷち」を描き、心ゆすぶる表題作。そして選考委員の絶賛を浴びた文學界新人賞受賞作「アキちゃん」を併録。
作品データ
タイトル:『アイスネルワイゼン』
著者:三木三奈
出版社:文藝春秋
発売日:2024/1/12
作家紹介
三木三奈(みき・みな)
1991年、埼玉県生まれ。
2020年、「アキちゃん」で第125回文学界新人賞を受賞しデビュー。
三木三奈の作品紹介
「アキちゃん」2020年
『アイスネルワイゼン』2024/1/12