ケイチャン
【2024年14冊目】
今回ご紹介する一冊は、
楡周平 著
『ラストエンペラー』です。
もくじ
【感想】「ガソリンエンジン車のモニュメント」
近未来のニッポン
すべての自動車がEV(電気自動車)化するのは
もう目前
ガソリンエンジンは、もういらない・・
ならば最後に最高のガソリン車を作ろう!
巨大な変革の波に翻弄される
自動車業界の物語です
日本の自動車会社は
生き残れるだろうか?
すべての自動車がEV化する時代
もう目前に迫ってきているようです
きっと凄まじい衝撃が日本の産業を
襲うことでしょうね・・
僕は自動車産業が盛んな
愛知県三河地方に住んでいます
エンジンを作る会社
マフラーを作る会社
トランスミッションを作る会社など
自動車関連企業が集中してます
EV化すればその全てが不要となる
・・いったいどうなるのか?
アメリカのデトロイトのように
廃工場と空き家ばかりの街に
なってしまわないか不安です
座して死を待つ訳にはいかない
大手自動車メーカー・トミタの社長は決断した
全車種をEVとする、と
だが最後に今までのガソリンエンジン車技術の
粋を込めた最高の車を作るのだ!
ひとつの技術が不要となる
なんて悲しいことでしょうか
古くは手巻き時計
最近ではフィルム写真
消え去った技術があります
ガソリンエンジンもそれに続くのでしょう
だがこの技術を
次のEVへと繋ぐことは出来る
最後のガソリンエンジン車・エンペラーは
過ぎ去る時代の懐古趣味ではない
次世代へと向かう希望の車となるのだ
イタリアの超高級自動車会社と組み
金に糸目を付けぬ超富裕層のみを
ターゲットとする戦略は
現実的だと思えました
京友禅の本革シート
蒔絵細工が施されたパネル
日本の伝統工芸が使われる
そんな車に乗ってみたいですね!
物語は会社内の軋轢を潜り
企業と国境の垣根を越えて
ひとつの車を作る過程を
描いてゆきます
それは夢の物語のよう
でも先行きに不安ばかり覚えて
いてもどうしょうもない
暗闇に希望を灯すような
未来に続くストーリーでした
巨大な変革はもう始まっている
僕たちはその
目撃者になることでしょう
作品紹介(出版社より)
最後にして最高のガソリン車を造れ!
EV(電気自動車)全盛の時代が目前に迫っていた。大手自動車メーカー・トミタの社長、村雨克明は、後世に残るガソリンエンジン車として、トミタの最高級車種「エンペラー」の新型モデルの開発を決意する。村雨は、イタリアの老舗自動車メーカー・ガルバルディで働く篠宮凛にプロジェクトリーダーを打診するが、凛からはある条件が。それは新型車の開発のみならず、EV時代のトミタを救うことになるかもしれない、前代未聞の提案であった。
日本車の輝かしい歴史の記念碑として、そしてその未来のために、自動車に人生を捧げた者たちの挑戦が始まる。
作品データ
タイトル:『ラストエンペラー』
著者:楡周平
出版社:KADOKAWA
発売日:2023/12/15
作家紹介
楡周平(にれ・しゅうへい)
1957年生まれ。米国系企業に勤務中の1996年、30万部を超えるベストセラーになった『Cの福音』で衝撃のデビューを飾る。翌年から作家業に専念、日本の地方創生の在り方を描き、政財界に多大な影響を及ぼした『プラチナタウン』をはじめ、経済小説、法廷ミステリーなど、綿密な取材に基づく作品で読者を魅了し続ける。
著書に『介護退職』『国士』『和僑』『食王』他多数。
作品データ
『Cの福音』2005/4/23
『プラチナタウン』2011/7/25
『介護退職』2014/9/10
『国士』2020/9/9
『逆玉に明日はない』2021/8/24
『和僑』2023/7/7
『日本ゲートウェイ』2023/3/9
『食王』2023/10/12
『虚空の冠』2011/10/27
『ショート・セール』2023/9/21
『限界国家』2023/6/21
『ラストエンペラー』2023/12/15
…他多数