ケイチャン
【2023年15冊目】
今回ご紹介する一冊は、
青山美智子 著
『木曜日にはココアを』です。
もくじ
【感想】「ほんのり暖かな心をずっと温めていてね」
陽だまりの中にあるようなカフェで
いつもココアを注文する彼女に
僕は恋に落ちたんだ・・
見えない心のバトンを繋ぐ物語です
ボーイミーツガール
僕らは恋を求めてさまよう
旅人のようなものかも知れません笑笑
東京のカフェから始まる物語は
語り手を変えながら
じょじょにスケールを大きくして
やがてオーストラリアまで飛びます
そこで描かれる人たちに共通するのが
恋、愛、友情
そんな人を想う心を持った
優しくて暖かな人たちです
表題のココアってのが
そのままのようなイメージの物語でした
甘すぎず
程よいコクがあって
暖かな文章に心が癒されます
文中に登場してきた人に
次々と主人公を変えてゆくスタイルは
予想の付かないストーリー展開で
意外性が実に楽しい
キツそうで厄介に思える登場人物が
主人公になると実は思いやりがあって
暖かな人物であると知れるところが
人の多面性を表して深みを出しています
程よくぬるくなったココアを頂くような
安心して読める物語でした。
作品紹介(出版社より)
わたしたちは、
知らないうちに
誰かを救っている――
川沿いを散歩する、卵焼きを作る、
ココアを頼む、ネイルを落とし忘れる……
小さな出来事がつながって
最期はひとりの命を救う、
心がほどける物語。
読み終わった後、
あなたの心も救われる
東京とシドニーをつなぐ12色のストーリー
大人気ミニチュアアーティスト、田中達也氏が装丁を担当!一杯のココアから始まる、心温まるストーリー。僕が働いている喫茶店。必ず木曜日に来て、いつも同じ席で手紙を書く女性がいる。そして、頼むのは、決まってココア。僕は、その女性を「ココアさん」と密かに呼んでいる。ある木曜日。ココアさんはいつものようにやってきたのだが、どこか様子が違い……。色とりどりのストーリーが深く交わっていく、ハートフルストーリー。
作品データ
タイトル:『木曜日にはココアを』
著者:青山美智子
出版社:宝島社
発売日:2017/8/26
作家紹介
青山美智子(あおやま・みちこ)
1970年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。
大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。
2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。
第28回パレットノベル大賞佳作受賞。
デビュー作『木曜日にはココアを』が第1回宮崎本大賞を受賞。
同作と2作目『猫のお告げは樹の下で』が未来屋小説大賞入賞。
『お探し物は図書室まで』が、2021年本屋大賞で2位を獲得。
ほかの著書に『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』など。
青山美智子の作品紹介
『ビューティフルレイン』(2012年9月)
『マザーズ– 僕には3人の母がいる』(2016年7月)
『カインとアベル』(2016年11月)
『小説 あなたのことはそれほど』(2017年6月)
『木曜日にはココアを』(2017年9月)
『猫のお告げは樹の下で』(2018年9月)
『鎌倉うずまき案内所』(2019年7月)
『ただいま神様当番』(2020年7月)
『お探し物は図書室まで』(2020年11月)
『月曜日の抹茶カフェ』(2021年9月)
『赤と青とエスキース』(2021年11月)
『マイ・プレゼント』(2022年07月)
『いつもの木曜日』 (2022年8月)
『月の立つ林で』 (2022年11月)