ケイチャン
【2022年57冊目】
今回ご紹介する一冊は、
中山七里著
『鑑定人氏家京太郎』です。
もくじ
【感想】「完璧な組織などない」
民間の科学捜査鑑定所『氏家鑑定センター』に持ち込まれた依頼
それは世を震撼させた子宮奪取殺人事件の鑑定であった
相手とするのはかつて氏家が所属していた警視庁科捜研
巨大な国家権力相手に、民間人がどう戦うのか?
緻密な鑑定と大胆な捜査で、氏家が一点突破する!
さてこの作品のテーマとなるのが
警察組織の無謬(むびゅう)性の原則です
警察は間違わない、それが前提となった捜査に
え!?人間なんて失敗するし
都合悪いことは隠すよねえ・・
と、疑問をぶつけています
鑑定を進めるうちに芽生える違和感
そして氏家鑑定センターに泥棒が入り
鑑定品を盗まれ、職員が暴漢に襲われた時
氏家は確信する・・
誰かが何かを隠そうとしている、と
誰かは警察組織しか、ないではないか!
巨大組織相手に立ち向かう
氏家と個性的な職員たち
組織vs一般市民という構図は
ぐわっと来ますね
氏家さん、組織の理論を盲信する小役人どもを
ぎゃふんと言わせてくれ!笑
『ヒポクラテスの誓い』シリーズから
唯我独尊の天才、光崎教授がゲスト出演し
物語を盛り上げてくれます
本作を読んでもなお
あなたは警察を信じますか?
作品紹介(出版社より)
民間の科学捜査鑑定所〈氏家鑑定センター〉。所長の氏家は、女子大生3人を惨殺したとされる猟奇殺人犯の弁護士から再鑑定の依頼を受ける。容疑者の男は、2人の殺害は認めるが、もう1人への犯行は否認している。相対する警視庁科捜研との火花が散る中、裁判の行く末は——驚愕の結末が待ち受ける、圧巻の鑑定サスペンス!
作品データ
タイトル:『鑑定人氏家京太郎』
著者:中山七里
出版社:双葉社
発売日:2022/1/20
作家紹介
中山 七里 (なかやま・しちり)
1961年、岐阜県生れ。
『さよならドビュッシー』で『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2010年にデビュー。
音楽を題材とした「岬洋介」シリーズほか、「御子柴礼司」シリーズ、「刑事犬養隼人」シリーズなど、著書多数。
中山七里の作品
『さよならドビュッシー』(2010年1月)
『おやすみラフマニノフ』(2010年10月)
『連続殺人鬼カエル男』(2011年2月)
『魔女は甦る』(2011年5月)
『さよならドビュッシー前奏曲– 要介護探偵の事件簿』(2011年10月)
『贖罪の奏鳴曲– 御子柴礼司』(2011年12月)
『静おばあちゃんにおまかせ』(2012年7月)
『ヒートアップ』(2012年9月)
『スタート!』(2012年11月)
『いつまでもショパン』(2013年1月)
『切り裂きジャックの告白– 刑事犬養隼人』(2013年4月)
『七色の毒– 刑事犬養隼人』(2013年7月)
『追憶の夜想曲– 御子柴礼司』(2013年11月)
『アポロンの嘲笑』(2014年9月)
『テミスの剣』(2014年10月)
『月光のスティグマ』(2014年12月)
『嗤う淑女』(2015年2月)
『ヒポクラテスの誓い』(2015年5月)
『総理にされた男』(2015年8月)
『闘う君の唄を』(2015年10月)
『ハーメルンの誘拐魔– 刑事犬養隼人』(2016年1月)
『恩讐の鎮魂曲– 御子柴礼司』(2016年3月)
『どこかでベートーヴェン』(2016年5月)
『作家刑事毒島』(2016年8月)
『ヒポクラテスの憂鬱』(2016年9月)
『セイレーンの懺悔』(2016年11月)
『翼がなくても』(2017年1月)
『秋山善吉工務店』(2017年3月)
『ドクター・デスの遺産– 刑事犬養隼人』(2017年5月)
『ネメシスの使者』(2017年7月)
『ワルツを踊ろう』(2017年9月)
『逃亡刑事』(2017年12月)
『護られなかった者たちへ– 宮城県警シリーズ』(2018年1月)
『悪徳の輪舞曲– 御子柴礼司』(2018年3月)
『連続殺人鬼カエル男ふたたび』(2018年5月)
『能面検事』(2018年7月)
『TAS特別師弟捜査員』(2018年9月)
『静おばあちゃんと要介護探偵』(2018年11月)
『ふたたび嗤う淑女』(2019年1月)
『もういちどベートーヴェン』(2019年3月)
『笑え、シャイロック』(2019年5月)
『死にゆく者の祈り』(2019年9月)
『人面瘡探偵』(2019年11月)
『騒がしい楽園』(2020年1月)
『帝都地下迷宮』(2020年2月)
『夜がどれほど暗くても』(2020年3月)
『合唱 岬洋介の帰還』(2020年4月)
『カインの傲慢– 刑事犬養隼人』(2020年5月)
『ヒポクラテスの試練』(2020年6月)
『毒島刑事最後の事件』(2020年7月)
『テロリストの家』(2020年8月)
『隣はシリアルキラー』(2020年9月)
『銀齢探偵社静おばあちゃんと要介護探偵2』(2020年10月)
『復讐の協奏曲– 御子柴礼司』(2020年11月)
『境界線– 宮城県警シリーズ』(2020年12月)
『ラスプーチンの庭』(2021年1月)
『ヒポクラテスの悔恨』(2021年5月)
『能面検事の奮迅』(2021年7月)
『嗤う淑女 二人』(2021年9月)
『おわかれはモーツァルト』(2021年12月)
『鑑定人 氏家京太郎』(2022年1月)
『人面島』(2022年3月)