【感想】『リバー』奥田英朗|執念の捜査が乾坤の1手を見出す

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リバー|奥田英朗

ケイチャン

ケイチャン

【2022年175冊目】※今年は175冊読破しました~♪

今回最後にご紹介する一冊は、

奥田英朗 著

『リバー』です。

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【感想】「自分の思惑どおりに、他人が動くはずがない」

あの連続殺人犯はだれなのか?
執拗に捜査する警察官と
事件の関係者を描く
大河のような警察小説です

河川敷で女性の遺体が発見される
その状況に警察官たちは戦慄する
10年前の未解決事件と同じだ・・
取り逃した犯人が戻ってきたのか?

物語は警官、被害家族、新聞記者など
多くの関係者の視点から
ゆっくり滔々と流れる大河のように
時間に沿って展開していきます

そして浮かび上がる
3人の容疑者たち

しかし決め手となる物証が
なかなか出てこない
痺れを切らし動く警察の1手は
はたして良手か悪手か?

「執念の捜査が乾坤の1手を見出す」

別件逮捕したものの
容疑者は完全黙秘
新たな物証も出ず
勾留期限を迎える

10年前と同じ展開です
またしても警察の敗北か?

しかし前回と違う点があった
それは警察以外の捜査協力者です
警官OB、被害家族、新聞記者、大学教授
多くの関係者を結ぶもの、それが
執念です

いやあ熱いですね
まさに執念の捜査です
そしてそれぞれがバラバラに
捜査していたものが
協力し合ったところ
浮かび上がるのが

点と点を繋ぐ
線です

ついに明かされる真相に
うお~やっと終わったか・・
と登場人物達の執念に
脱帽の気持ちでした

あなたも650ページに及ぶ
重厚なストーリー展開に
溺れましょう

作品紹介(出版社より)

同一犯か? 模倣犯か?
群馬県桐生市と栃木県足利市を流れる渡良瀬川の河川敷で相次いで女性の死体が発見!
十年前の未解決連続殺人事件と酷似した手口が、街を凍らせていく。
かつて容疑をかけられた男。取り調べを担当した元刑事。
娘を殺され、執念深く犯人捜しを続ける父親。
若手新聞記者。一風変わった犯罪心理学者。新たな容疑者たち。
十年分の苦悩と悔恨は、真実を暴き出せるのか───
人間の業と情を抉る無上の群像劇×緊迫感溢れる圧巻の犯罪小説!

作品データ

タイトル:『リバー』
著者:奥田英朗
出版社:集英社
発売日:2022/9/26

作家紹介

奥田英朗(おくだ・ひでお)

1959年岐阜県生まれ。雑誌編集者、プランナー、コピーライターを経て、
1997年『ウランバーナの森』で作家デビュー。
2002年『邪魔』で大藪春彦賞、2004年『空中ブランコ』で直木賞、
2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、
2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。
『ナオミとカナコ』『向田理髪店』『ヴァラエティ』『罪の轍』『コロナと潜水服』など著書多数。

奥田英朗の作品紹介

『ウランバーナの森』(1997年8月)
『最悪』(1999年2月)
『邪魔』(2001年4月)
『東京物語』(2001年10月)
『イン・ザ・プール』(2002年5月)
『マドンナ』(2002年10月)
『真夜中のマーチ』(2003年10月)
『空中ブランコ』(2004年4月)
『サウスバウンド』(2005年6月)
『ララピポ』(2005年9月)
『ガール』(2006年1月)
『町長選挙』(2006年4月)
『家日和』(2007年4月)
『オリンピックの身代金』(2008年11月)
『無理』(2009年9月)
『純平、考え直せ』(2011年1月)
『我が家の問題』(2011年7月)
『噂の女』(2012年11月)
『沈黙の町で』(2013年2月)
『ナオミとカナコ』(2014年11月)
『我が家のヒミツ』(2015年9月)
『向田理髪店』(2016年4月)
『ヴァラエティ』(2016年9月)
『罪の轍』(2019年8月)
『コロナと潜水服』(2020年12月)
リバー』(2022年9月)


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