【感想】『英雄』真保裕一|自分の思惑どおりに、他人が動くはずがない

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英雄|真保裕一

真保裕一『英雄』

ケイチャン

ケイチャン

【2022年173冊目】

今回ご紹介する一冊は、

真保裕一 著

『英雄』です。

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【感想】「自分の思惑どおりに、他人が動くはずがない」

私の本当のお父さんは大金持ちだった!
一代で企業グループを創業した父の
生き方を娘が辿る
会社小説ミステリーです

突然大金持ちの実の父親が現れて
俺の遺産を相続してくれと言われる
みんな一度は想像してムフフとほほ笑む
定番の都合の良い夢ですね

僕も本当のパパがブラジルから迎えに来て
俺の大プランテーション農園を継いでくれ!
と言われる日を待ち望んでいます笑

スーパーマーケットで働く英美(えみ)の
元へある事件の捜査のために刑事が訪れる
その銃殺された大企業グループの創業者こそ
英美の実父であった

一度も会ったことのない父
その姿を求めて
英美は関係者から
父の話を聞くことにする

それは混乱の戦後から
カラダひとつで成り上がる
カイシャの物語であった

「自分の思惑どおりに、他人が動くはずがない」

父と会社の歴史を辿るうちに
一筋縄ではいかぬ暗い過去が明らかとなる
ヤクザとの付き合い
政治献金
黒い汚点は綺麗に拭ったつもりでも
拭い切れないのだ

何故ならそこに携わった人がいるからです

ゴミくずのようにポイっと
捨てることのできない
縁を結べば恨みつらみも生じる
人を切り離すことの困難さを感じる
会社小説でした

さて本作の影の主人公である
創業社長の英雄(ひでお)さん
ガンガン仕事してきました
しかし結局銃殺されてしまうし
残された家族は相続でいがみ合う

いったい何のために働いたのか?

その点僕の父を見ると
フツーのサラリーマンでしたが
僕と妹をりっぱに?育て
母と仲良く老後を過ごしている

父よ
あなたこそヒーローだ

作品紹介(出版社より)

「圧巻の読み応えにページをめくる手が止まらない。心震わす壮絶な人間ドラマがここにある!」(ブックジャーナリスト・内田剛)。父殺害の犯人を探し求める娘が、たどりついた驚愕の真実とは? 昭和・平成・令和を貫く傑作長編サスペンス!

作品データ

タイトル:『英雄』
著者:真保裕一
出版社:朝日新聞出版
発売日:2022/9/7

作家紹介

真保裕一(しんぽ・ゆういち)

1961年生れ。アニメーションディレクターを経て1991年『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。『取引』『震源』と続く通称〈小役人〉シリーズで着実に読者を獲得する。
1995年『ホワイトアウト』が人気を決定づけ、翌1996年吉川英治文学新人賞を受賞。
1997年『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。
『ボーダーライン』『発火点』『誘拐の果実』『繋がれた明日』『真夜中の神話』『最愛』『追伸』など次々に話題作を発表している。

真保裕一の作品紹介

『連鎖』(1991/09/01)
『取引』(1992/10/01)
『震源』(1993/10/01)
『ホワイトアウト』(1995/09/01)
『奪取』(1996/08/01)
『ボーダーライン』(1999/09/01)
『発火点』(2002/07/01)
『誘拐の果実』(2002/11/01)
『繋がれた明日』(2003/05/17)
『真夜中の神話』(2004/09/14)
『最愛』(2007/01/19)
『追伸』(2007/09/01)
英雄』(2022/09/07)

・・・など多数


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