ケイチャン
【2022年170冊目】
今回ご紹介する一冊は、
池井戸潤 著
『ハヤブサ消防団』です。
もくじ
【感想】「山の木を切り倒して太陽光発電ってホントにエコなの?」
村の平和はオラたちがまもるだ!
僕も18年ほど消防団員をやってました
ポンプ操法大会がシンドかったけれど
同じ年ごろの若者たちと仲間になって
お祭りなど地域のイベントに参加して
コミュニティの一員となれました
そして何と言っても楽しかったのが
消防団の旅行♪
気の置けない仲間たちと
アキバのメイド喫茶でオムライスを食べ
歌舞伎町でニューハーフショー観て
大騒ぎした東京旅行は良き思い出です
父の故郷に移住したらまず
消防団に勧誘されたちゃった
ミステリー作家の三馬太郎は
中部地方の田舎に移り住みました
そこに待っていたのは
美しい自然と
緊密な地元民との関係だった
ネガティブに取られることの多い
田舎の人間関係ですが
本作では良い面が積極的に語られます
垣根のなく自然体の地元民に
心を開いていく太郎くん
そして入団したハヤブサ消防団
だが早々に活躍の機会が訪れる
それが放火だった
のどかなこの土地で
いったいなにが起こっているのか?
畑を潰して太陽光発電
山の斜面を削って太陽光発電
野菜や木の代わりに植えられる
黒々とした太陽光パネルを見て
あなたは違和感を感じませんか?
やがて太郎は放火と太陽光発電業者の
関係性に気が付く
さらに調べるうちに
あるカルト宗教が浮かびあがるのだった!
エコとされる太陽光発電の違和感と
カルト宗教の2つを軸にして進む
ストーリーにグイグイを引き込まれます
そして池井戸作品にお馴染みなのか
人情
素朴ながら魅力的な登場人物達が
織りなす人情劇にホロリとしたり
カッカと怒れたりとして
気持ちも引き込まれます
さすがベテラン池井戸潤ですね
また楽し気な田舎生活の描写に
ウキウキとします
あなたもハヤブサ地区のような
素敵な田舎に移住したくなるでしょう
魅力的な田舎生活と
消防団や地元民との楽しい交流
これに放火犯捜査のスパイスを絡めた
昔ながらの鉄板ナポリタンのような
物語でした
あなたも口元をケチャップまみれにして
熱々の本作をハフハフと召し上がれ笑
作品紹介(出版社より)
ミステリ作家 vs 連続放火犯
のどかな集落を揺るがす闘い!東京での暮らしに見切りをつけ、亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移り住んだ
ミステリ作家の三馬太郎。
地元の人の誘いで居酒屋を訪れた太郎は、消防団に勧誘される。
迷った末に入団を決意した太郎だったが、
やがてのどかな集落でひそかに進行していた事件の存在を知る—。
連続放火事件に隠された真実とは?
作品データ
タイトル:『ハヤブサ消防団』
著者:池井戸潤
出版社:集英社
発売日:2022/9/5
作家紹介
池井戸潤(いけいど・じゅん)
1963年生まれ、岐阜県出身。
1998年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し小説家デビュー。
2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞受賞。
2011年『下町ロケット』で第145回直木賞と数々の賞受賞。
主な作品に、『空飛ぶタイヤ』、、『シャイロックの子供たち』、『ルーズヴェルト・ゲーム』、『七つの会議』などがある。
池井戸潤の作品紹介
『果つる底なき』(1998年9月)
『架空通貨』(2000年3月)
『銀行狐』(2001年9月)
『銀行総務特命』(2002年8月)
『MIST』(2002年11月)
『仇敵』(2003年1月)
『BT’63』(2003年6月)
『最終退行』(2004年2月)
『株価暴落』(2004年3月)
『金融探偵』(2004年6月)
『不祥事』(2004年8月)
『オレたちバブル入行組– 半沢直樹1』(2004年12月)
『銀行仕置人』(2005年2月)
『シャイロックの子供たち』(2006年1月)
『空飛ぶタイヤ』(2006年9月)
『オレたち花のバブル組– 半沢直樹2』(2008年6月)
『鉄の骨』(2009年10月)
『民王』(2010年3月)
『下町ロケット』(2010年11月)
『かばん屋の相続』(2011年4月)
『ルーズヴェルト・ゲーム』(2012年2月)
『ロスジェネの逆襲– 半沢直樹3(2012年6月)
『七つの会議』(2012年11月)
『ようこそ、わが家へ』(2013年7月)
『銀翼のイカロス– 半沢直樹4』(2014年7月)
『下町ロケット2ガウディ計画』(2015年11月)
『陸王』(2016年7月)
『アキラとあきら』(2017年5月)
『花咲舞が黙ってない』(2017年9月)
『下町ロケット ゴースト』(2018年7月)
『下町ロケット ヤタガラス』(2018年10月)
『ノーサイド・ゲーム』(2019年6月)
『半沢直樹 アルルカンと道化師』(2020年9月)
『民王 シベリアの陰謀』(2021年9月)
『ハヤブサ消防団』(2022年9月)