ケイチャン
【2024年129冊目】
今回ご紹介する一冊は、
君嶋彼方 著
『春のほとりで』です。
もくじ
【感想】「水槽から見える、あの夕焼け」
気性の荒い肉食動物も
おとなしい草食動物も
1つの教室へ入れちゃう
高校生たちの群像劇です
様々なタイプの生徒が集う
高校2年生の教室
そこでひそかに繰り広げられるのが
・・生存競争です
インターネットでは世界が広がらない
声が聞こえるところ
手に届くところは
教室の中だけなんだ
教室という水槽で
華麗に泳ぐ熱帯魚もいれば
漂う水草もあるし
片隅にへばりつくタニシもあるし
弱って突かれるメダカもいるんだ
6人のタイプが異なる生徒が
それぞれの視点から高校生活を
語る連作短編となっています
みんな必死に生きています
同じ教室も主人公を変えると
まるで違う世界に映る
生徒たちは別次元の世界で
バラバラに生きているよう
一見、能天気そうな同級生が
主人公となった途端に
悩み苦しみ傷ついていることに
驚きます
ビートルくん
悩まないヤツなんていなかった
ケイチャン
様々なタイプの主人公に憑依して
教室を見渡すような物語でした
ケイチャン
けど、大人になると
あの頃の悩みって
忘れちゃうものですよね笑
ケイチャン
僕も思春期に悩んでいたことを
思い出しちゃいました
ケイチャン
時間って、残酷ですね
作品紹介(出版社より)
十代のあなたに会いにいこう。
声を殺して泣いた日も、無理して笑ったあの日も。
ぐっと押し込めた心の痛みを、君嶋彼方は掬いとる。
学校の片隅で紡がれる、青とも春とも限らない日々を描いた連作短編集。■収録作品
走れ茜色 「俺と同じ人を好きな君。だからこの嘘は、絶対に隠し通す」
樫と黄金桃 「小学生時代の忘れたい過去。あの子だけがそれを知っている」
灰が灰に 「屋上で出会った不良。ある日、彼に屋上に呼び出されーー」
レッドシンドローム 「偶然見つけてしまった親友の裏アカ。一体どうしてこんなこと」
真白のまぼろし 「初めて漫画を描いていると話せた友達。一緒に描こうと決めたのに」
青とは限らない 「唯一心を許せる男友達。男女の友情って成立しないの?」
大人になれば忘れてしまう、全力でもがいたあの日のこと『君の顔では泣けない』の著者最新作
読むならここから!
作品データ
タイトル:『春のほとりで』
著者:君嶋彼方
出版社:講談社
発売日:2024/8/21
作家紹介
君嶋彼方(きみじま・かなた)
1989年生まれ。東京都出身。
2021年、「水平線は回転する」で第12回小説野性時代新人賞を受賞。
同作を改題した『君の顔では泣けない』でデビュー。
君嶋彼方の作品紹介
『君の顔では泣けない』2021/9/24
『夜がうたた寝してる間に』2022/8/26
『一番の恋人』2024/5/31
『春のほとりで』2024/8/21