【感想】『ものがたりの賊(やから)』真藤順丈|日本文学のキャラが大暴れ!

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ものがたりの賊|真藤 順丈

ケイチャン

ケイチャン

今回ご紹介する一冊は、

真藤順丈 著
『ものがたりの賊(やから)』です。

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【感想】 「日本文学のキャラが大暴れ!」

エンタメ小説

真藤順丈がありきたりの本を書くはずがない!
明治・大正期の文学作品を中心に
日本文学の登場人物たちが主役・端役をとわず
無数に登場してもう大騒ぎ
破天荒を通り越して
破茶滅茶な大立周りを演じる
出鱈目なエンタメスペタクルです

主役、坊っちゃん
ヒロイン、伊豆の踊子

この時点でもう
え!?ナニコノ配役?
となりますが、さらにサブキャラに

竹取物語の翁
源氏物語の光源氏
大菩薩峠の机龍之介と続きます

さて、この面子で何をするかと言えば・・

帝都東京を守るため戦う!
なのです
うふふ、もはや何が何だかわからない
ワクワクしちゃう本ですね笑笑

「日本文学のキャラが大暴れ!」

圧巻はなんといっても
古典的名作の数々から登場する
無数のキャラクターたちでしょう
教科書に載っていたあの人が
そこら中に散らばり出でてきます

浅学な僕は、いったいこの人は
どの作品の誰だっけ?と
巻末の注釈と行ったり来たりして
楽しく読み進めました

あなたはどれだけのキャラクターが
わかりましたか?

作品紹介(出版社より)

一九二三年、大震災による未曽有の被害で帝都は壊滅状態にあった――。不安と恐怖から人心は乱れ、治安は荒れるばかり。さらに、その混乱に乗じて陸軍が胡乱な動きを見せる。果ては、致死の感染症の恐怖もひたひたと忍び寄り……。
今まさに瓦解せんとする首都を救うため、集められたのは……竹取の翁、光源氏、坊っちゃん、伊豆の踊子・薫、半人半虎の李徴ら、日本文学が生んだ名キャラクターたちだった⁉
決して交わるはずのない面々が、それぞれの物語世界から躍り出て、一致団結。絶体絶命の東京を舞台に大立ち廻り! 彼らは無事、帝都を守り抜けるのか?

奇想天外、摩訶不思議。圧巻の一大文学エンタテインメント

主な登場人物

■竹取の翁
『竹取物語』より。一党のリーダー。特技:自らの血を輸血し、不老の力を授ける

■六条院
『源氏物語』より。貴族。「光源氏」とも。特技(?):女たらし

■聖
『高野聖』より。山奥の妖婦。特技:色仕掛け。触れるものの傷を癒す

■薫
『伊豆の踊子』より。踊子。特技:清純無垢 

■李徴
『山月記』より。中国の元官吏。特技:虎になること

■机龍之助
『大菩薩峠』より。剣客。特技:脊髄反射のごとく人を殺める

■坊っちゃん
『坊っちゃん』より。元教師。

日本文学の名作、名キャラクターの数々が、真藤節でリブートする
日本文学至高のアベンジャーズ、集結。

作品データ

タイトル:ものがたりの賊(やから)
著者:真藤 順丈
出版社:文藝春秋
発売日:2021/11/8

作家紹介

真藤順丈(しんどう・じゅんじょう)

1977年東京都生まれ。
2008年『地図男』でダ・ヴィンチ文学賞大賞
『庵堂三兄弟の聖職』で日本ホラー小説大賞・大賞、
『東京ヴァンパイア・ファイナンス』で電撃小説大賞銀賞
『RANK』でポプラ社小説大賞特別賞を受賞
2018年『宝島』でに山田風太郎賞、2019年に直木賞受賞
2019年『宝島』で第160回直木三十五賞、第5回沖縄書店大賞受賞

真藤順丈の作品

『地図男』(2008年)
『東京ヴァンパイア・ファイナンス』(2009年)
『RANK』(2009年)
『庵堂三兄弟の聖職』(2010年)
『バイブルDX』(2010年)
『畦と銃』(2011年)
『墓頭』(2012年)
『七日じゃ映画は撮れません』(2014年)
『しるしなきもの』(2015年)
『黄昏旅団』(2015年)
『夜の淵をひと廻り』(2016年)
『宝島(上)』(2018年)
『宝島(下)』(2021年)
『われらの世紀 真藤順丈作品集』(2021年)
『ものがたりの賊』(2021年)

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