【本の感想】『もぎ取れ!3億円大作戦 丹波九重市役所特命係のおかしな1日』香住泰|公務員は誠意より、口八丁に手八丁なのだ

【2025年88冊目】
今回ご紹介する一冊は、
香住泰 著
『もぎ取れ!3億円大作戦 丹波九重市役所特命係のおかしな1日』です。
【感想】「公務員は誠意より、口八丁に手八丁なのだ」
市長からの特命は
恐喝!?
クビ寸前なギリギリ公務員の
逆転劇を描くドタバタコメディです
市役所のアルバイト職員の弓沢(ゆみざわ)くん
正規採用を目指して頑張っていたのだが
市長の無謀な策から、この丹波九重市の
財政は大赤字、すなわちクビ寸前なのだ

なんてこったい
そこで山師的な市長が思いついたのが
恐喝・・もとい、寄付という作戦です
なんと防犯カメラで隠し撮りして
万引き映像を捏造するとゆー
トンデモ計画です

いやそれ、犯罪でしょ
とても成功するとは思えない
この作戦だが、弓沢くんの相棒である
市役所の問題児、櫛間(くしま)さんが
不可能を可能にしちゃうんだ
バディ物でもある本作
控え目で大人しい、すなわち物足りない主人公を
補って余りあるのが、癖が強すぎる相棒の
櫛間さんの強引でゴーイングマイウェイ的な
詐欺・・もとい、寄付を勧誘する手管です
あの手この手で、みるみる
2千万円、3千万円という大金を
引っ張り出すのが
爽快です
こんな詐欺まがいな作戦が
ずっと上手くいくはずない
とんでもない虎の尾を踏む
弓沢くんと櫛間さん
大ピンチとなります

さあ、どうなっちゃう?
最後は水戸黄門な大団円で
みんなハッピーという
安心して楽しめる
小悪党公務員たちの物語でした

僕ももうちょっと口を上手くしたいな
あなたは自分のトークに自信がありますか?
作品紹介(出版社より)
書店員さん激推し! 市役所発、痛快ドタバタコメディ
ピンチの数だけ、奇跡が起きる。
崖っぷちコンビが挑む、非合法スレスレの資金調達ミッション!
東京で挫折し、故郷の丹馬九重(たんばここのえ)市に戻った主人公・弓沢(ゆみざわ)は、市役所のアルバイトに採用され、正規職員を目指していた。
担当していたリゾートの開発計画が頓挫し、あわやクビというところで、市役所の問題児・櫛間(くしま)とタッグを組み、市の財政難を解決する特別プロジェクトに従事することに。
作戦名は「ライオンのひげ」。
それは資産家たちを、防犯カメラの映像を利用して巧みに説得し、合計3億円の寄付を募るというとんでもないプロジェクトだった。
謎の相棒・櫛間の驚異的な場を読む力と話術により、作戦は意外にもうまくいき始めるが、
とある人物に寄付を持ちかけてしまったことから、二人は大きな事件に巻き込まれていき……◆目次
第1章 捨て身のふたり
第2章 あの手この手
第3章 崖っぷちの大勝負
エピローグ
作品データ
タイトル:『もぎ取れ!3億円大作戦 丹馬九重市役所特命係のおかしな1日』
著者:香住泰
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2025/6/20
作家紹介
香住泰(かすみ・たい)
京都府生まれ。
1997年『退屈解消アイテム』で小説推理新人賞を受賞。
2001年『水都・乱出逢』で大阪ミレニアム・ミステリー賞(大阪21世紀協会賞)を受賞。
2014年『稲荷山誠造 明日は晴れか』(ディスカヴァー)で本のサナギ賞(優秀賞)を受賞。
他の著作に『牙のある鳩のごとく』『ホノルル臨時探偵局 過酷な楽園』『幸せジャンクション』などがある。
香住泰の作品紹介
『幸せジャンクション』1995/9/27
『牙のある鳩のごとく』2001/10/1
『錯覚都市』2001/11/1
『とんでもない旅』2005/11/1
『稲荷山誠造 明日は晴れか』2015/4/18
『幸せジャンクション ──キャンピングカーが運んだ小さな奇跡』2023/1/27
『もぎ取れ!3億円大作戦 丹馬九重市役所特命係のおかしな1日』2025/6/20

