【本の感想】『二人一組になってください』木爾チレン|犠牲の山羊を救ってあげられるかい?

23 views
木爾チレン『二人一組になってください』を読んだ感想とガトーショコラ

ケイチャン

ケイチャン

【2024年170冊目】

今回ご紹介する一冊は、

木爾チレン 著

『二人一組になってください』です。

PR

【感想】「犠牲の山羊を救ってあげられるかい?」

デスゲーム

鉄壁のクラスカーストが存在する
女子高で行われる最後の特別授業は
仲間はずれは死亡のデスゲーム!?
究極のイジメ、ダメ、絶対!の物語です

見ないふり、それがイジメです

ページをめくるとまず目につくのが
クラス名簿と3角形のピラミッドです
上から1軍女子、2軍女子、3軍女子とあり
最下部にあるのが主人公の名前です

これがクラスのヒエラルキー
・・重要だから、みんな、
よく覚えておくように・・

高校生活3年間を通して変わらなかった
クラスメイトの力関係
卒業式を迎えて美心(みしん)は嘆息する
私は不可触賤民だった

二人一組でと言われたら
いつだって余る、仲間外れ者
たった一人だけ花恋(かれん)ちゃんだけが
私の手を繋いでくれたの・・

ところが卒業式の当日に
担任の先生が激変するんだ
みんな、イジメはダメだよ
見ないふり、知らんぷりをしていた
あなたたちに特別授業をします、と

仲間はずれになる気持ちを
思い知れ、と・・

突如始まるデスゲームで
最強のジョーカーとなった美心は
誰を選び、そして
何を思うのだろうか

「犠牲の山羊を救ってあげられるかい?」

デスゲームが始まっても
しばらくはクラスカーストが健在
おとなしく死んでゆく3軍女子が
哀れです

みんな、もっと抵抗しようよ!

だがゲームが進むうちに
あらわになる本当の気持ち
仲良しだったイツメンが、ののしりあい
親友だった2人が、大嫌いだったと吐き出す

地獄の釜の底が抜ける

そんな中で真の友情を見せる者もいる
手を取り合って死ぬ2人
愛を告白してキスの中で死ぬ2人

ケイチャン

ケイチャン

ドラマティックな展開も、イイ!

ケイチャン

ケイチャン

ゲーム終盤に、今まで好き勝手やって
ブイブイ言わせてきた1軍女子が死亡しだすと
あ~、コイツらがとうとう死んだかあ~
と、カタルシスを得ます

ケイチャン

ケイチャン

ぶっ飛んだ設定ですが
それゆえに登場人物たちの
本音が切迫に響く
デスゲームの物語でした

ケイチャン

ケイチャン

あなたも今すぐに
見えないふりしていたクラスメイトに
声をかけてみたらいかがですか・・

作品紹介(出版社より)

卒業式直前に始まったデスゲーム(特別授業) あなたに本当の友達はいる? 誰かと手を繋がないと死ぬ――。 女子高のクラス内カーストが崩壊し、裏切り、嫉妬、憧れ、真実が手を取り合う。 『みんな蛍を殺したかった』の著者が青春と友情の極致を描く最高傑作! 【ルール】 ・二人一組になってください。 ・誰とも組むことができなかった者は、失格になります。その回の失格者が確定したら、次の回へと続きます。 ・一度組んだ相手と、再び組むことはできません。 ・残り人数が偶数になった場合、一人が待機となります。 ・特定の生徒が余った場合は、特定の生徒以外全員が失格になります。 ・最後まで残った二人、及び一人の者が、卒業式に出席できます。 ・授業時間は60分です。 《あらすじ》 「このクラスには『いじめ』がありました。それは赦されるべきことではないし、いじめをした人間は死刑になるべきです」 とある女子高の卒業式直前、担任教師による【特別授業(ゲーム)】が始まった。突如開始されたデスゲームに27人全員が半信半疑だったが、余った生徒は左胸のコサージュの仕掛けにより無惨な死を遂げる。 自分が生き残るべき存在だと疑わない一軍、虚実の友情が入り混じる二軍、教室の最下層に生息し発言権のない三軍――。 本当の友情とは?  無自覚の罪によるいじめとは何か?  生き残って卒業できるのは果たして誰か?

作品データ

タイトル:『二人一組になってください』
著者:木爾チレン
出版社:双葉社
発売日:2024/9/19

作家紹介

木爾チレン (きな・ちれん)

1987年生まれ。京都府出身。大学在学中に応募した短編小説「溶けたらしぼんだ。」で、新潮社「第9回女による女のためのR‐18文学賞」優秀賞を受賞。
美しい少女の失恋と成長をナ逓た『静電気と、未夜子の無意識。』でデビュー。
その後、少女の心の機微を大切に、多岐にわたるジャンルで執筆し、作品表現の幅を広げる

PR

木爾チレンの作品紹介

『静電気と、未夜子の無意識。 』(2012/08/24)
『殺戮の天使 2 BLESSING IN DISGUISE』(2017/04/28)
『殺戮の天使 3 ONCE IN A BLUE MOON』(2018/04/27)
『わたしのこと、好きになってください。』(2018/09/28)
『これは花子による花子の為の花物語』(2019/03/09)
みんな蛍を殺したかった』(2021/06/21)
『ぜんぶ、藍色だった。』(2021/06/25)
私はだんだん氷になった』(2022/09/21)
『みんな蛍を殺したかった』 (2021/07/20)
神に愛されていた』 (2023/10/26)
二人一組になってください』2024/9/19

関連記事