ケイチャン
【2022年137冊目】
今回ご紹介する一冊は、
下村敦史 著
『ロスト・スピーシーズ』です。
もくじ
【感想】「過酷な環境では、罪を犯さず生きていかれない」
緑の地獄をサバイバルせよ!
みなさんはアマゾニアと聞いてワクワクしませんか?
広大なアマゾン川に住むピラニアやワニ
熱帯雨林のジャングルに潜むジャガーやアナコンダ
巨大な樹海、無数の昆虫たち
ああもう、憧れが止みませんね
僕は一度は訪れてみたいって思っています
しかし、そこは緑の地獄でもあった
奇跡のユリを探索するために
大手製薬会社の探検隊に加わる
植物研究者の三浦
だが集まった探検隊のメンバーは
癖の強い見るからに腹に一物を抱えた
怪しい奴らばかりであった
あんまりなメンバーに
オイオイって思ってしまいます
こんな犯罪者のよーな面子で
ホントに大丈夫なのか?
ぜんぜん大丈夫じゃなかった
船に乗り込み出発して早々に
謎の白人から襲撃を受ける一行
結果、船長は死亡、船は沈没という
散々な目に合う
え!ユリを探してるのに
なんでこんな目にあうの?
次第に明らかになる
怪しいメンバー達の真の目的
それぞれの利害が衝突し
ついに仲間内での殺し合いとなる
サイドストーリーとして
日本政府が行った南米移民政策の悲惨な末路や
セリンゲイロ(天然ゴムを採集する人)の
熱帯雨林での厳しい作業が語られます
こちらもたいへん興味深い
なんでこんなメンバーで出発するの?
どうして船が沈んだのに探検を強行するの?
そもそもこんな命がけの展開はアリなのか?
ちょっと無理くり感の強いストーリー展開ですが
全て飲み込んでしまうのが
奥深いアマゾニアの魅力なんですww
ああ、アマゾン!
きっとホントに行ったら
めちゃくちゃ暑くて汗ダラダラになって
蛭とか寄生虫でお肌もボロボロに
なっちゃうんだろうけど
行ってみたいな大アマゾン!!
ということで
アマゾンの描写があるってだけで
僕は楽しく読めました笑
細かいことはアマゾン川が飲み込んでしまう
おおらかな気持ちで
この危険な探検隊の一向に
あなたも参加してみませんか
作品紹介(出版社より)
生き残り目的を果たすのは誰か――絶滅危惧種争奪戦!
がんの特効薬になる幻の植物「奇跡の百合」を見つけるため、大手製薬会社に所属するクリフォードは南米アマゾン奥地への探索チームを結成した。植物研究者としてメンバーに加わった三浦は、ボディガート役の金採掘人ロドリゲス、植物ハンターのデニス、環境問題に取り組む大学生・ジュリアと共にアマゾンに分け入ってゆく。一癖も二癖もある怪しい奴らと共に、緑の地獄ともいうべき過酷な自然と対峙する三浦。さらには正体不明の2人組の男から命を狙われることに――。手に汗握る密林サバイバル!
作品データ
タイトル:『ロスト・スピーシーズ』
著者:下村敦史
出版社:KADOKAWA
発売日:2022/8/26
作家紹介
下村 敦史(しもむら あつし)
1981年京都府生まれ。
2014年『闇に香る嘘』で第60回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。
他の著書に『生還者』『真実の檻』『難民調査官』『失踪者』『告白の余白』など。
下村 敦史の作品紹介
『闇に香る嘘』(2014年8月)
『叛徒』(2015年1月)
『生還者』(2015年7月)
『真実の檻』(2016年3月)
『フェイク・ボーダー– 難民調査官』(2016年5月)
『失踪者』(2016年9月)
『告白の余白』(2016年11月)
『サイレント・マイノリティ– 難民調査官』(2017年4月)
『緑の窓口– 樹木トラブル解決します』(2017年8月)
『サハラの薔薇』(2017年12月)
『黙過』(2018年4月)
『悲願花』(2018年12月)
『刑事の慟哭』(2019年5月)
『絶声』(2019年8月)
『コープス・ハント』(2020年1月)
『法の雨』(2020年4月)
『同姓同名』(2020年9月)
『ヴィクトリアン・ホテル』(2021年2月)
『白医』(2021年5月)
『アルテミスの涙』(2021年9月)
『情熱の砂を踏む女』(2022年4月)
『ロスト・スピーシーズ』(2022年8月)