【感想】『アクトレス』誉田哲也|友が行方不明?みんな集まって!

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『アクトレス』誉田哲也

ケイチャン

ケイチャン

【2022年34冊目】

今回ご紹介する一冊は、

誉田哲也 著

『アクトレス』です。

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【感想】「友が行方不明?みんな集まって!」

『ボーダレス』の続編です


この作品を読んでいないと物語に入っていくのが難しいと思いますので、ぜひこちらを先にどうぞ

等身大の女性たちが織りなす
サスペンス&ミステリー

ある事件で知り合った女性たちが
あらたな事件で再び運命が交差する群像劇です

騙された!なんで私がゴーストライターなの?
希莉(きり)はほぞをかんだがもはや後の祭り
若手人気女優・真瀬環菜(ませかんな)が書いたとして
希莉の小説はウェブで発表されてゆくのだが・・

え!?小説の筋書き通りに事件が起こってゆく!
これはいったいどうゆうことなのか?
このあと人がドンドンと死んじゃう展開なのに
まさか本当に殺人が・・どうしよう!?

事件を未然に防ぐために希莉は奔走し
そして消息を絶ってしまった・・

「友が行方不明?みんな集まって!」

異常を察知した仲間たちが
それぞれの特技を生かして
希莉を救うために奮闘します
これがメインパート

こちらに絡むように進むサブパートが
若手人気女優・真瀬環菜のストーリーです
幼い頃よりその抜きんでた美貌で衆目を集め
読者モデルから芸能活動をスタートする

やがて女優としてスターダムを駆け上がる
だがその陰には常に寄り添うように
彼女を支える1人の女性がいた
それはいったい誰なのか?

始めはバラバラに見えるストーリーが
じょじょに絡み合い
やがて1つの物語となっていきます

誉田作品は容赦ない残酷な展開がウリですので
みなさん2人の女性の運命が気になるところですね笑

そしてこの作品のもう一つの魅力が
軽快な会話とコミカルな独白です
会話シーンだけで実に楽しく
いくらでも読めます笑笑

タランティーノの映画ではよく
ガールズトークが延々と続くシーンがありますが
なんとなく似通っているような
ちょっと違うような、そんな感じがします←どっちやww

さてこの物語のテーマとなっているのが
姉妹関係です
容姿・学力・才能と
生まれてからずっと比較対象となるのが姉妹
ライバル関係とも言えます

いっぽう同じ女性として
共感し支え合えるのも姉妹
それは一筋縄ではいかぬ
モザイクのような関係なのでしょう

希莉の母は言います
家族だから分かり合えて当然では、ない!と

自家中毒のような共依存の関係ではいけない
ひとりひとりの自立した大人同士として
姉妹が向き合う大切さを感じました

あなたは家族をやっていくために
努力していますか?

作品紹介(出版社より)

私たちは、この一週間で大人になる覚悟を決めた。
「ドミナン事件」から5年。森奈緒、片山希莉、市原琴音たちは自立し新生活を始めていた。ある日、希莉の書いた小説が、若手人気女優・真瀬環菜名義で発表されることになる。不服ながらも抗えない希莉。さらに小説が発表されるや、作中の事件をなぞるように「事件」が発生してしまう。偶然とは思えないが、誰が何のために模倣したのかは見当もつかない。真相に近づこうとしたとき、ふたたび逃れられない悲劇が彼女たちに忍び寄る……。

作品データ

タイトル:『アクトレス』
著者:誉田哲也
出版社:光文社
発売日:2022/1/18

作家紹介

誉田哲也(ほんだ・てつや)

1969年東京生まれ。
2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞を受賞しデビュー。
2003年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。
警察小説として『ストロベリーナイト』をはじめとする〈姫川玲子シリーズ〉、〈ジウ・サーガ〉、青春小説として『武士道シックスティーン』をはじめとする〈武士道シリーズ〉など、幅広いジャンルで話題作を発表し続けている。他の著書に『あなたが愛した記憶』『背中の蜘蛛』『もう、聞こえない』など多数。

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誉田哲也の作品紹介

『妖の華』(2003/1)
『アクセス』(2004/1/16)
『吉原暗黒譚』(2004/4)
『春を嫌いになった理由』(2005/1/1)
『疾風ガール』(2005/9/29)
『新装版-ジウI-警視庁特殊犯捜査係』(2005/12)
『ストロベリーナイト』(2006/2/22)
『新装版-ジウII-警視庁特殊急襲部隊』(2006/3)
『新装版-ジウIII-新世界秩序』(2006/8)
『月光』(2006/11/1)
『ソウルケイジ』(2007/3/20)
『武士道シックスティーン』(2007/7/26)
『国境事変』(2007/11/1)
『シンメトリー』(2008/2/21)
『武士道セブンティーン』(2008/7/14)
『ヒトリシズカ』(2008/10/1)
『ガール・ミーツ・ガール』(2009/4)
『武士道エイティーン』(2009/7)
『ハング』(2009/9)
『インビジブルレイン』(2009/11/19)
『主よ、永遠の休息を』(2010/3/20)
『歌舞伎町セブン』(2010/11/1)
『感染遊戯』(2011/3/19)
『レイジ』(2011/7/13)
『ドルチェ』(2011/10)
『あなたの本』(2012/2)
『あなたが愛した記憶』(2012/6/5)
『幸せの条件』(2012/8)
『ブルーマーダー』(2012/11/1)
『ドンナ ビアンカ』(2013/2/1)
『増山超能力師事務所』(2013/7/16)
『Qrosの女』(2013/12/12)
『ケモノの城』(2014/4/18)
『黒い羽』(2014/8/7)
『歌舞伎町ダムド』(2014/9/24)
『インデックス』(2014/11/14)
『武士道ジェネレーション』(2015/7)
『プラージュ』(2015/9/17)
『硝子の太陽N – ノワール』(2016/5/11)
『硝子の太陽R-ルージュ』(2016/5/11)
『増山超能力師大戦争』(2017/6/16)
『ノーマンズランド』(2017/11)
『あの夏、二人のルカ』(2018/4/27)
『ボーダレス』(2018/8)
『歌舞伎町ゲノム』(2019/1/18)
『背中の蜘蛛』(2019/10/16)
『妖の掟』(2020/5/14)
『もう、聞こえない』(2020/8/26)
『オムニバス』(2021/2/23)
フェイクフィクション』(2021/11/5)
アクトレス』(2022/1/18)

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