ケイチャン
【2024年108冊目】
今回ご紹介する一冊は、
一穂ミチ 著
『ツミデミック』です。
もくじ
【感想】「配牌を嘆いても意味はない」
世界は変わってしまった
些細なことでコロリと
転がり犯罪に接する
この時代の物語です
ケイチャン
犯罪を犯す者と
普通の一般市民とを
別つ境界線って
あやふやなものなのか?
日常から転げ落ちていく
普通の人々を描く
6つの短編集です
①違う羽の鳥
死んだはずの女性との
邂逅を描くお話
過去のトラウマが甦る
②ロマンス☆
人生の幸、不幸は運しだい?
スマホゲームのガチャが
リアル生活を侵食する
不気味なお話です
③燐光
幽霊が目覚めるお話
親も恋人も友人も
自分のことしか考えていないから
未練も残らないのだ
④特別縁故者
無職の男が活を入れられて
目覚めるお話
⑤祝福の歌
親子のお話
子どもは授かりもの
無条件に愛しましょう
⑥さざなみドライブ
SNSで自殺志願者を募集
赤信号、みんなで渡っても
やっぱり怖い・・
ケイチャン
みなさんは麻雀しますか?
麻雀の面白さは
運と実力とのバランスが
絶妙なところにあります
実力があっても負けることがあるし
運だけで勝ってしまうこともあるが
やはり強い人は両方をバランス良く持ち
かつ粘り強くあきらめの悪い人です
ケイチャン
まるで人生のようですね
本作では悪い配牌を
なんとか良くしようと
もがく人々が描かれており
1枚ツモる度に一喜一憂する
ようでした
ケイチャン
まるで僕の人生のように
ケイチャン
あなたが次に引く牌は
どんな幸・不幸をもたらすでしょうか?
作品紹介(出版社より)
大学を中退し、夜の街で客引きのバイトをしている優斗。ある日、バイト中に話しかけてきた女は、中学時代に死んだはずの同級生の名を名乗った。過去の記憶と目の前の女の話に戸惑う優斗は――「違う羽の鳥」
調理師の職を失った恭一は、家に籠もりがち。ある日、小一の息子・隼が遊びから帰ってくると、聖徳太子の描かれた旧一万円札を持っていた。近隣に住む老人からもらったという。翌日、恭一は得意の澄まし汁を作って老人宅を訪れると――「特別縁故者」
渦中の人間の有様を描き取った、心震える全6話。
作品データ
タイトル:『ツミデミック』
著者:一穂ミチ
出版社:光文社
発売日:2023/11/22
作家紹介
一穂 ミチ(いちほ・みち)
2007年『雪よ林檎の香のごとく』でデビュー。
劇場版アニメ化もされ話題の『イエスかノーか半分か』など著作多数。
『スモールワールズ』(講談社)が、第165回直木賞候補、第12回山田風太郎賞候補となり注目を集める。同作収録の短編「ピクニック」は第74回日本推理作家協会賞短編部門候補となる。
一穂ミチの作品紹介
『雪よ林檎の香のごとく 林檎甘いか酸っぱいか』(2008/7/10)
『スモールワールズ』(2021/4/22)
『パラソルでパラシュート』(2021/11/26)
『砂嵐に星屑』(2022/2/9)
『光のとこにいてね』 2022/11/07
『うたかたモザイク』 2023/03/29
『ツミデミック』2023/11/22