ダークファンタジー

【本の感想】『フェアリー・テイル 上』スティーヴン・キング|代償を恐れない、冒険心

スティーヴン・キング『フェアリー・テイル 上』とフライドチキン
ケイチャン(サカキ ケイ)

【2025年91冊目】

今回ご紹介する一冊は、

スティーヴン・キング 著

『フェアリー・テイル 上』です。

【感想】「代償を恐れない、冒険心」

ダーク・ファンタジー

僕が助けたのは
街で有名な頑固じいさんだった
じいさんが住む『サイコハウス』の秘密と
健気な高校生と老犬がゆく冒険の物語です

異世界に行けるなら、行くに決まっている

幼い頃に母を失った、チャーリーくん
失意の父は飲んだくれてアル中になる
・・父を救ってくれるなら、僕は何でもします
その願いが叶ったのか?父はなんとか更生する

時は流れて高校生になったチャーリー

犬が吠える声に気が付き
『サイコハウス』の垣根を超えるチャーリー
そこで有名な偏屈じじいのボウディッチ氏を救い
美しいジャーマンシェパードのレイダーと出会う

孤独な老人ボウディッチ氏の秘密

やがて信頼を得たチャーリーは
ついにボウディッチ氏から秘密を明かされる
それは異世界への扉のありか
黄金と若返りの秘密を求めて
赤い芥子の花が咲き乱れる
異世界へと旅立つのだ

「代償を恐れない、冒険心」

チャーリーくんとボウディッチ氏
そして犬のレイダーが心を通わせてゆく
過程がとても丁寧に描かれます
手抜きのないベテラン作家の手腕ですね

さて物語の中盤を過ぎるころ
明らかになるのが
異世界への井戸です

ダークな世界へようこそ!的な展開に
ドキドキわくわくが止まりません

フェアリー・テイル(おとぎ話)の始まりです

赤い芥子の花が咲き乱れる、丘
たくさんの靴が洗濯物のように干される、家
口のない美女に、ひとめぼれして
チャーリーくんはレイダーと異世界を進む

妖しく美しい異世界が、脳内に全展開します

灰色の病が人々を蝕む
終わりゆくような異世界
ひりつくようなチャーリーの
旅路の果てに希望はあるのか?

異世界の都を目前にして
本巻は終わります

モダン・ホラーの巨匠が描く異世界からもう逃れられない

作品紹介(出版社より)


作家生活50周年を飾る巨匠の新たな代表作!

 巨匠、作家生活50年。
 名作の開幕の時がきた。

 暗い時代に自分が書ける楽しい物語とは何か?
 帝王キングが出した答えが本書だ。
 世界最強の想像力が生んだ、異世界の冒険がはじまる!

 ぼくの住む町には〈サイコハウス〉と呼ばれる不気味な屋敷がある。そこに住むのは偏屈な老人がひとり、閉ざされた門を越えると猛犬が襲ってくるという。ある日、悲しげに鳴く犬の声に気づいたぼくは、屋敷の主が梯子から転落して苦しんでいるのを発見した。 これがぼくとミスター・ボウディッチ(と、犬のレイダー)の出会いだった。

 怪我をした老人の世話をするため家の立ち入りを許されたぼくは、ボウディッチ氏やレイダーと心を通わせはじめる。噂とは裏腹に老人も犬も恐ろしくはなかった。だが、徐々にぼくは奇妙なことに気づきはじめる。家の裏手から妙な音がときどき聴こえてくるのだ。ボウディッチ氏が奇妙に裕福なのも謎だった。そしてある日ぼくは、氏が大量の黄金の粒を金庫に入れていることを知った――これはいったい何か? どうやって老人はこれを手に入れたのだろう?

 謎が謎を呼び、ぼくは徐々にボウディッチ氏の秘密に近づいてゆくが、この先で待っているのが、この世ならぬ異世界での大冒険だとは、思いもしなかったのだ!

 絶望に閉ざされたコロナ禍に、巨匠は自身にこんな問いを投げた――
 What could you write that would make you happy?
 自分が楽しくなる物語。あるいは暗く先の見えない時代にみんなを元気にする物語。
 さあ、自分ならどんな物語を書く?
 その答えが本書である。
 だから最後に待つのはもちろんハッピーエンドなのだ。

作品データ

タイトル:『フェアリー・テイル 上』
著者:スティーヴン・キング
出版社:文藝春秋
発売日:2025/4/25

作家紹介

スティーヴン・キング

1947年メイン州生れ。恐怖小説をアクチュアルな現代小説に再生した「モダン・ホラー」の巨匠。
貧しい少年時代から恐怖小説を好む。高校教師、ボイラーマンといった職業のかたわら執筆を続け、1974年に『キャリー』でデビュー。
好評を博し、以後『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを生み、“モダンホラーの帝王”と呼ばれる。
代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』『ダーク・タワー』シリーズなどがある。
全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

スティーヴン・キングの作品紹介

『IT』シリーズ
『グリーン・マイル』シリーズ
『ダーク・タワー』シリーズ



『異能機関』 (上・下)2023/6/26
『ビリー・サマーズ』(上・下)2024/4/8
フェアリー・テイル』(上)2025/4/25
『フェアリー・テイル』(下)2025/4/25


その他多数


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サラリーマン読書家
年間150冊以上の本(主に小説)を読む、名古屋で働くサラリーマン【ケイチャン】です。食べることが大好きな僕が撮影している「本のある日常風景」と共に、本の紹介と感想のブログをお楽しみください!オススメの本は?この本気になるけど面白い?…など、読む本に迷った方への参考になれば幸いです。好きな言葉は「花には水を、人には愛を!」【ケイチャンブックス】よろしくお願いします!一緒に読書を楽しみましょう!!
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