【本の感想】『令和元年の人生ゲーム』麻生競馬場|シロクマの気持ちが、わかるはずないだろう

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令和元年の人生ゲーム|麻生競馬場

ケイチャン

ケイチャン

【2024年98冊目】

今回ご紹介する一冊は、

麻生競馬場 著

『令和元年の人生ゲーム』です。

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【感想】「シロクマの気持ちが、わかるはずないだろう」

第171回直木賞候補

Z世代文学

僕らの人生は大学が絶頂期で
あとはどう生きればいいんだろう?
混沌とする価値観のなか
あきらめつつ、もがく
若者たちの物語です

他人には期待するは、自分には期待できない

ケイチャン

ケイチャン

大学生活
みなさんはキラキラしていましたか?
僕は1、2年生にバイクで全国を走って
3、4年生はバックパック背負って
中国とかインドとか旅していました
楽しかったな~

ケイチャン

ケイチャン

勉強はしなかったけどね笑

意識高い系大学生のサークルで
ビジネスコンテストを企画する
慶応義塾大学生たちの様子が描かれる
もうキラキラしまくりです笑

ケイチャン

ケイチャン

サークルで気になることと言えば
人間関係ですね

陽気で人気もののサークル代表の吉原と
陰気でニヒルながら鋭い指摘をする沼田が
気になる『僕』は2人の関係性に注目する
どちらのほうが実力あるんだろうか?

物語は『僕・私』と語り手たちを変えつつ
令和の今を生きる若者たちと
無気力に見えながらしっかり成果を上げる
沼田の生き方を描いてゆく

ケイチャン

ケイチャン

彼らは今この時代を、どう捉えているんだろうか?

「シロクマの気持ちが、わかるはずないだろう」

意識高い系の大学生のみなさんは
社会問題にとても興味があります
正義をなす!
とても気分のいいことだ

プーくん

プーくん

僕って、正しいでしょう

それと同時に他人にどう思われるかが
たいへん気になります
人の瞳に映る自分の姿が
実際の自分より大切なようです

ケイチャン

ケイチャン

僕は周りのみんなに、どう思われているんだろう?

このことを端的に示すエピソードが
シロクマの保護活動です
シロクマが可哀そうだから
僕は(私は)北極に行って助けました

でもこのシロクマ保護活動は
大学のAO入試や就活のガクチカのために
パッケージ販売されたものだったんです
え!それって詐欺なんじゃないの?

いいんです、詐欺だって
温暖化問題に活動して
北極に行ってみんなにスゴイって言われる
僕は(私は)正しいのだから・・

ケイチャン

ケイチャン

気持ち悪いな~って、思っちゃいました

そこにシロクマがどう思っているかはなく
みんながイイと言うからヤルという
自分の考えもなく
だいたいシロクマがどう思っているかなんて
わかるはずないじゃん!?

現代の若者の一面を切り取る本作

ケイチャン

ケイチャン

とても興味深く読めました

就職氷河期世代の僕には
わかるところもありちょっと
わからないところもありましたが
まあ結局いつの時代も
若者も大人も子供も
悩みが尽きないもんですね

だいたい就職氷河期世代がどーだとか
Z世代だからあーだから、と言って
乱暴に一括りするところが
僕は気に食わないです

ケイチャン

ケイチャン

僕もあなたもみんなとは
ぜんぜん違うはずだから

作品紹介(出版社より)

第171回直木賞ノミネート 「まだ人生に、本気になってるんですか?」

「まだ人生に、本気になってるんですか?」
この新人、平成の落ちこぼれか、令和の革命家か――。


「クビにならない最低限の仕事をして、毎日定時で上がって、そうですね、皇居ランでもしたいと思ってます」

慶應の意識高いビジコンサークルで、
働き方改革中のキラキラメガベンチャーで、
「正義」に満ちたZ世代シェアハウスで、
クラフトビールが売りのコミュニティ型銭湯で……

”意識の高い”若者たちのなかにいて、ひとり「何もしない」沼田くん。
彼はなぜ、22歳にして窓際族を決め込んでいるのか?



2021年にTwitterに小説の投稿を始めて以降、瞬く間に「タワマン文学」旋風を巻き起こした麻布競馬場。
デビュー作『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』のスマッシュヒットを受けて、
麻布競馬場が第2作のテーマに選んだものは「Z世代の生き方」。

新社会人になるころには自分の可能性を知りすぎてしまった令和日本の「賢すぎる」若者たち。
そんな「Z世代のリアル」を、麻布競馬場は驚異の解像度で詳らかに。
20代からは「共感しすぎて悶絶した」の声があがる一方で、
部下への接し方に持ち悩みの尽きない方々からは「最強のZ世代の取扱説明書だ!」とも。
「あまりにリアル! あまりに面白い!」と、熱狂者続出中の問題作。

作品データ

タイトル:『令和元年の人生ゲーム』
著者:麻生競馬場
出版社:文藝春秋
発売日:2024/2/21

作家紹介

麻生競馬場(あざぶけいばじょう)

1991年生まれ、慶應義塾大学卒業。
ニックネームは「アザケイ」。大学卒業後8年間麻布十番に住んでおり、東京で生活する人達を競走馬に例えたことから、このペンネームとなる。
覆面作家であり、メディアに登場するときは猫の絵のお面で隠している。
会社員の傍ら覆面作家として主にX(旧Twitter)やnoteにて作品を発表している。

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麻生競馬場の作品紹介

『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』2022/9/5
『本当に欲しかったものは、もう   Twitter文学アンソロジー』
令和元年の人生ゲーム』2024/2/21

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