ケイチャン
【2023年166冊目】
今回ご紹介する一冊は、
綿矢りさ 著
『パッキパキ北京』です。
もくじ
【感想】やってみれば何とかなる、それが人生
中国に住めと言われれば
イイでしょう!
その大中華人民奔騰パワーを
骨までしゃぶってみせましょう!!
唯我独尊の赴任妻を描く、痛快小説です
この主人公、強すぎる・・
皆さんは中国に行ったことがありますか?
僕は大学生の頃、中国を2カ月ほど旅しました
中国初日(海外旅行初日でもある)の夜
宿がとれず北京駅前で、野宿しました←え!笑
野宿って大丈夫?と思うでしょうが
安心してください
その夜、北京駅前広場には
人・人・人々・・数千か数万の人民の皆さんが
一緒に野宿していましたから(笑
なんてドでかい国なんだ・・
と、度肝を抜かれたのが
僕の中国の第一印象でした
さみしいよお、こっちに来てよお
と年上夫からのSOSで
中国にやってきた、菖蒲(アヤメ)
イイでしょう
やって来たからには、この国を
楽しみ尽くしてやりましょう!
こうして菖蒲ちゃんは
コロナ禍をものともせず
興味と食欲とブランド品欲の赴くまま
中国という大海に頭から飛び込むのだった
主人公のクセが強いのが
綿矢りさ作品の特徴ですが
本作の主人公、菖蒲ちゃんは
最強クラスでした
天上天下唯我独尊
自分ファーストで
欲望に忠実ながら
一本筋が通った性格なので
嫌いになれないタイプです
さて中国を興味の赴くままに
楽しみ尽くす菖蒲ちゃんですが
その資金は年上の夫の稼ぎ
そろそろ子供が欲しい!
と夫から妊活を強いられるのですが
子どもはいりません!
私は生みたくありません!
と、あっさりと拒否するのが
我らが菖蒲ちゃんなのです
豊かな中国での赴任妻生活を捨てて
日本で働く決意をする菖蒲ちゃん
私の人生はわたしのもの
他の誰にも渡さないのだ
そんな子気味良い潔さです
なにが自分にとって大切であるか
わかっている人って
強いですね
ブレない軸を持つ大切さを感じました
どこに行っても
誰と居ても
自分らしくいられる
そんな人に
僕もなりたい
作品紹介(出版社より)
味わい尽くしてやる、この都市のギラつきのすべてを。
コロナ禍の北京で単身赴任中の夫から、一緒に暮らそうと乞われた菖蒲(アヤメ)。愛犬ペイペイを携えしぶしぶ中国に渡るが、「人生エンジョイ勢」を極める菖蒲、タダじゃ絶対に転ばない。過酷な隔離期間も難なくクリアし、現地の高級料理から超絶ローカルフードまで食べまくり、極寒のなか新春お祭り騒ぎ「春節」を堪能する。街のカオスすぎる交通事情の把握や、北京っ子たちの生態調査も欠かさない。これぞ、貪欲駐妻ライフ!
北京を誰よりもフラットに「視察」する菖蒲がたどり着く境地とは……?著者自身の中国滞在経験とその観察力が炸裂する、一気読み必至の“痛快フィールドワーク小説”!
全4作収録
作品データ
タイトル:『パッキパキ北京』
著者:綿矢りさ
出版社:集英社
発売日:2023/12/5
作家紹介
綿矢りさ(わたや・りさ)
1984年京都府生まれ。早稲田大学教育学部卒業。
2001年『インストール』で第38回文藝賞を受賞しデビュー。
2004年『蹴りたい背中』で第130回芥川賞を受賞。
2012年『かわいそうだね?』で第6回大江健三郎賞を受賞。
2020年『生のみ生のままで』(上・下)で第26回島清恋愛文学賞を受賞。
綿矢りさの作品紹介
『インストール』(2001年11月)
『蹴りたい背中』(2003年8月)
『夢を与える』(2007年2月)
『勝手にふるえてろ』(2010年8月)
『かわいそうだね?』(2011年10月)
『ひらいて』(2012年7月)
『しょうがの味は熱い』(2012年12月)
『憤死』(2013年3月)
『大地のゲーム』(2013年7月)
『ウォーク・イン・クローゼット』(2015年10月)
『手のひらの京』(2016年9月)
『私をくいとめて』(2017年1月)
『意識のリボン』(2017年12月)
『生のみ生のままで』(2019年6月)
『オーラの発表会』(2021年8月)
『あのころなにしてた?』(2021年9月)
『嫌いなら呼ぶなよ』2022年7月)
『パッキパキ北京』(2023/12/5)