政治

【本の感想】『西洋の敗北と日本の選択』エマニュエル・トッド|核武装し、少子化対策をせよ!

エマニュエル・トッド『西洋の敗北と日本の選択』
ケイチャン(サカキ ケイ)

【2025年116冊目】

今回ご紹介する一冊は、
エマニュエル・トッド 著
『西洋の敗北と日本の選択』です。

【感想】「核武装し、少子化対策をせよ!」

政治学

アメリカ主導の世界政治は
崩壊目前である!
ウクライナ戦争、トランプ関税他
世界の危機を解説する現代史読本です

日本はこれから、どうすればいいの?

アメリカはロシアに負けた!
衝撃的な指摘から始まりますが
その根拠を読むと納得せざるを得ない
・・ウクライナはどうなってしまうのか?

実はアメリカの侵略戦争だった!

ロシアがウクライナに攻め込んだ
というのが一般的な見方であるが
トッドさんは言う「ロシアにとって
あれは防衛戦争なのです」と

味方によって変わる構図
僕ら日本人はなんとなく
欧米は味方で中露は敵
という認識なのだが
それでいいのだろうか?

「核武装し、少子化対策をせよ!」

なかなか刺激的な本作
世界25ヶ国語に翻訳されたが
英語版は発売されないというのも
むべなるかな

トランプ大統領が読んだら、焚書にされちゃうかも!?

繰り返し「日本は核武装した方が良い」とお勧めされますが、
『はだしのゲン』にがっつりトラウマをくらった僕にはかなり抵抗がありました

核兵器は嫌いなんだなあ

またプーチン大統領が理性的で
欧米の首脳が感情的という指摘も
目から鱗が落ちる思いで
新しい知見を得ました

アメリカ一極の世界から
BRICSが並び立つ
多極化世界への
今は過渡期なのかもしれませんね

知的好奇心をくすぐる
刺激に満ちた本作

角度が変われば見方も変わり、立場が変われば思いも変わる
一考に値する作品でした

あなたはこれから日本はどうあるべきだと思いますか?

作品紹介(出版社より)

 世界的ベストセラー『西洋の敗北』著者の最新作

英語版以外の25カ国で翻訳され、日本でも累計9万部のベストセラー『西洋の敗北』の著者、エマニュエル・トッドの最新作。
〈私の多くの予言のなかでも「西洋の敗北」は、最もすぐに実現したものです。しかし「西洋の敗北」が具体的にどんな形をとるかは予言していません〉とトッド氏自身が述べているように、問題は、「西洋の敗北」がどんな形で現れるかだ。
 すでに起きているウクライナ戦争、イスラエル・イラン紛争、トランプ関税、米欧の分裂と対立は、いずれも「西洋の敗北」が現実化したものである。
 さらに今後、起きるのは、NATOの決裂か? ドル基軸体制の終焉か? 米国覇権の崩壊か? そして日米同盟はどうなるのか?
 「西洋の敗北」「西洋の分裂」を受けて、日本はどうすればよいのか?
 トッド氏はこう指摘する。
〈日本がかなり困難な状況にあることは間違いありません。米国が当てにならないなかで、中国と対峙しなければならないからです。
 現状で私がお勧めしたいのは、欧州と米国のヒステリーに極力関わらず何もせずに静観すること、しかし密かに核武装を進めることです。
 米国が自国の核を使って日本を守ることは絶対にあり得ない。核は「持たないか」「自前で持つか」以外に選択肢はないのです〉

目次

序 日本の読者へ
1 米欧の分裂と日本の選択
2 真の脅威はロシアではなく米国だ
3 日本は欧米とともに衰退するのか(成田悠輔氏との対談)
4 “支援”することでウクライナを“破壊”した米国
5 イスラエルは神を信じていない――ガザ紛争の行方
6 ロシア・ハンガリーより愛をこめて
7 危険なのはイランより米国とイスラエルだ

作品データ

タイトル:『西洋の敗北と日本の選択』
著者:エマニュエル・トッド
出版社:文藝春秋
発売日:2024/11/8

作家紹介

エマニュエル・トッド

1951年生まれ。フランスの歴史人口学者・家族人類学者。
国・地域ごとの家族システムの違いや人口動態に着目する方法論により、1976年『最後の転落』で「ソ連崩壊」を、2002年『帝国以後』で「米国発の金融危機」を、2007年『文明の接近』で「アラブの春」、2016年米大統領選でのトランプ勝利、英国EU離脱なども次々に“予言”した。
2022年には大著『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』の日本語版が刊行され、『第三次世界大戦はもう始まっている』では、ロシアのウクライナ侵攻について、欧米メディアが語らない「実相」を提示している。

エマニュエル・トッドの作品紹介

『第三次世界大戦はもう始まっている』2022/6/17
『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』2022/10/26
西洋の敗北と日本の選択』2024/11/8


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ケイチャン
ケイチャン
サラリーマン読書家
年間150冊以上の本(主に小説)を読む、名古屋で働くサラリーマン【ケイチャン】です。食べることが大好きな僕が撮影している「本のある日常風景」と共に、本の紹介と感想のブログをお楽しみください!オススメの本は?この本気になるけど面白い?…など、読む本に迷った方への参考になれば幸いです。好きな言葉は「花には水を、人には愛を!」【ケイチャンブックス】よろしくお願いします!一緒に読書を楽しみましょう!!
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