アルティメット

【本の感想】『ハイパーたいくつ』松田いりの|みんな私を嫌っているんだが、どうすればいい?

松田いりの『ハイパーたいくつ』を読んだ感想とケーキ
ケイチャン(サカキ ケイ)

ハッピーニューイヤー♪

【2025年1冊目】

新年初ご紹介する一冊は、

松田いりの 著

『ハイパーたいくつ』です。

【感想】「みんな私を嫌っているんだが、どうすればいい?」

第61回文藝賞受賞作

会社に行くのが憂鬱なんだ・・
問題ある社員と、おかしい上司&同僚の
非日常的コミュニケーションを描く
超展開な物語です

こんな職場には居たくない

会社に行きたくないーー!!
そんな心の絶叫が聞こえるような
出社シーンから物語はスタートします
出勤が嫌過ぎて問題行動を多発するのが
主人公の私です
コイツ、はっきり言って、ヤバい奴なのだ

とんでもないミスをしちゃった!

注意力散漫が災いして、
支払い金額を大幅に間違える、私
会社は大打撃、同僚は大迷惑
しかも主人公は逃げるように
休職してしまうのだ

優しいチームリーダー

大ポカしたあげくに
逃げ出した、私に
しかしチームリーダーの女性は
あれこれと世話を焼いてくれるんだ

でも、限界が来たのだろうか?

突如として奇行に走るチームリーダー
ここから物語は現実からの乖離が増し
想像のナナメ上へと急上昇する
超展開が、加速するのだ

「みんな私を嫌っているんだが、どうすればいい?」

突然発生するファッションショーイベントに
僕は唖然としてしまいました
え?これ何が始まったの??もう、びっくりです

まったく先が読めません

問題社員である、私もたいがいですが
チームリーダーの女性が、凄い!

物語の終盤にはホラー映画の
モンスターのような存在になっている

怖いよ!

狂気的な展開が加速するが
物語全体になにかユーモラスな雰囲気がずっとあり
ハイテンションのままラストまで読み進められました

なんだかとんでもないものを読んでしまったなあ…
というのが今の読後感です

ああ、びっくりした笑

作品紹介(出版社より)

迷惑系給金泥棒として職場で疎まれている「ペンペン」。鬱屈した毎日がついに限界を迎えたとき、壊れた言葉が壊れた風景を呼び起こす。リリカル系日常破壊小説、爆誕!第61回文藝賞受賞作。

【日常から退屈を引き剥がすつもりが、なぜか服も人生もすべてボロボロに――】

職場では1000倍の支払いミス。私生活では高額な衣服の買いすぎでクレカ借金。62万円課金したジャケット姿は無様なペンギンに似ているから「ペンペン」呼ばわり。そんな日常がひたすら退屈。
「私は大人になれるだろうか。大人になれなければせめてペンペンとして溺れる姿をみんなに見せなくてはならないのだろうか――」
鬱屈アンド窮屈な現実がついに崩壊するとき、壊れた私の壊れた言葉が、壊れた風景を呼び起こす。
言葉が現実を食い破る、超現実アルティメット文学!

作品データ

タイトル:『ハイパーたいくつ』
著者:松田いりの
出版社:河出書房新社
発売日:2024/11/18

作家紹介

松田 いりの(まつだ・いりの)

1991年静岡県浜松市生まれ。大学進学で上京。
大学在学中は劇団で脚本や演出等を手がけ、卒業後は一般企業に就職。
創作活動からはしばらく遠ざかっていたが、今年1月に『ハイパーたいくつ』の執筆を開始。
第61回文藝賞を初小説、初応募にして受賞し、作家デビュー。

松田いりのの作品

ハイパーたいくつ』2024/11/18

Xからの読者コメントをお待ちしています。
ブログ更新の励みになります!
ABOUT ME
ケイチャン
ケイチャン
サラリーマン読書家
年間150冊以上の本(主に小説)を読む、名古屋で働くサラリーマン【ケイチャン】です。食べることが大好きな僕が撮影している「本のある日常風景」と共に、本の紹介と感想のブログをお楽しみください!オススメの本は?この本気になるけど面白い?…など、読む本に迷った方への参考になれば幸いです。好きな言葉は「花には水を、人には愛を!」【ケイチャンブックス】よろしくお願いします!一緒に読書を楽しみましょう!!
記事URLをコピーしました