ケイチャン
【2024年62冊目】
今回ご紹介する一冊は、
石井頼子 著
『棟方志功作品集 てのひらのなかの森羅万象』です。
もくじ
【感想】「板の上の曼陀羅」
板画家、棟方志功の軌跡を辿る画集
出世作、大和し美し(やまとしうるわし)
から始まる彼の代表作を紹介します
板は物語る・・
原田マハ著『板上に咲く』を読了し
棟方志功の作品に興味を持ちました
切れ切れのイメージしかなかったけど
実際の作品は思っていたのと
ずいぶん違い驚きました
文字がいっぱい
ほとんど主役と言うべき
文字
踊るように跳ねるように
書道のように連ねられる
仏画のような絵
人も動物も
仏像のごとく眩しく
描かれています
祈りが込められているよう
文字と絵で綴れる作品は
まるで長編の物語のよう
棟方のストーリーが
板の上から語られる
大和し美しで躍動する
倭建命(やまとたけるのみこと)
火炎を背負った倭建命は
不動明王のようです
板上いちめんに彫られた
文字はもう版画のイメージから
かけ離れていて
棟方オリジナルの板画とは
なるほどこういうものかと
納得しました
あまりにも独特でした
ぜひ実物の棟方作品を
この目で観てこようと
そう思いました
実物を前にしたら、今度は
あれ?画集とイメージが違うぞ!
なんて
そう思うかも知れないですね笑
みなさんも僕と一緒に
ホントの棟方に
会いに行ってみませんか?
作品紹介(出版社より)
豪快な大作の一方で、両手や掌におさまる作品には親密な魅力が溢れている。未公開コレクションを中心に、繊細な彫りや豊かな色彩が印象的な小作品を厳選し、本書のために新たに撮影。ここだけの棟方志功に出あえる唯一無二の画集。
作品データ
タイトル:『棟方志功作品集 てのひらのなかの森羅万象』
著者:石井頼子
出版社:東京美術
発売日:2022/11/2
作家紹介
石井頼子(いしい・よりこ)
1956年、棟方志功の長女・けよう氏の長女として東京に生まれる。
棟方と生活を共にし、その制作風景に接しながら育つ。慶應義塾大学卒。
2018年より南礪市立福光美術館特別専門員として棟方志功関連事業の後見と資料のアーカイブ化を担当。
2023年開催の「生誕一二〇年棟方志功展」に学術協力大学卒業後、鎌倉市の棟方板画美術館(2011年閉館)に学芸員として勤務。
近年は展覧会監修、執筆活動、講演などを通じ、知られざる棟方志功を伝える活動を行う。
石井頼子の作品紹介
『棟方志功の絵手紙』2006/2/1
『棟方志功の眼』 2014/1/1
『言霊の人棟方志功』 2015/11/25
『もっと知りたい棟方志功 生涯と作品 』 2016/4/28
『棟方志功作品集 てのひらのなかの森羅万象』 2022/11/2