ケイチャン
【2024年72冊目】
今回ご紹介する一冊は、
小川糸 著
『椿ノ恋文』です。
もくじ
【感想】「暖かい想いに包まれている」
お手紙を代りに書く、代書屋
妊娠・出産から休業していましたが
鳩子は再会します!
暖かい人間模様を描く物語です
子持ちの夫と結婚し
年子の子供2人を産んだ
ポッポちゃんこと、鳩子さん
家事と育児に追われる日々ですが
あんまり仕事を休んでいられない
鳩子さんがプライドを持つ仕事
それが『代書屋』です
言いづらい事柄や
恥ずかしくて言えないこと
依頼者のそんな想いをくみ取って
うまく相手に手紙で伝える・・
先代から譲り受けた、大切な仕事です
物語は様々な代書の
依頼を受ける鳩子が
依頼者に寄り添い、考え抜いた
『お手紙』を書いていく様子が
暖かく描かれていきます
しかし母親は仕事だけしていれば
いいってもんじゃない
先代の秘められた、恋
長女の反抗期と隣人トラブル
家族のために奮闘しながら
鳩子さんは今日も筆をとるのだ
ケイチャン
あの手この手と考え抜いて
お手紙を書く代書屋のシーンは
ちょっとミステリー要素もあり
楽しく読めます
そして今回のスパイスとなる
2つの事柄が同時進行して
物語の味わいに深みを与えてくれます
先代の秘密の恋
厳しく、ひたすら厳しかった
先代である、祖母
あまりに厳しかったために
生前は祖母をちゃんと愛せなかった
そんな中で明らかとなる
祖母の恋の物語に
ひとりの人間として
鳩子は愛情を持ちます
プーくん
・・ええ、話やなあ!
連れ子の反抗期
何を言っても、無視
ご飯も食べてくれない
継母である鳩子は
養女である長女の態度に
めちゃくちゃ傷つきます
ケイチャン
高校生となった長女と和解するシーンは
親である僕の心にジーンと響きました
・・ええ、話やなあ!
小川糸の持ち味である
ほっこり感ある文章と
登場人物がほぼ、味のある
『あだ名』で呼ばれるせいか
自分のご近所で営まれている
日常のような親近感を抱きます
ケイチャン
僕もたまには大切な人に
お手紙を書いてみようかな♪
作品紹介(出版社より)
「いつか」ではなく、今、大切な人に伝えたい。
累計70万部のベストセラー、「ツバキ文具店」シリーズ最新作。鎌倉と小高い山のふもとで、代書屋を営む鳩子。家事と育児に奮闘中の鳩子が、いよいよ代書屋を再開します。可愛かったQPちゃんに反抗期が訪れたり、亡き先代の秘めた恋が発覚したり、新しく引っ越してきたお隣さんとの関係に悩まされたり……。代書屋としても、母親としても、少し成長した鳩子に会いにぜひご来店ください。
作品データ
タイトル:『椿ノ恋文』
著者:小川糸
出版社:幻冬舎
発売日:2023/11/01
作家紹介
小川糸(おがわ・いと)
1973年生れ。2008年、『食堂かたつむり』でデビュー。多くの作品が英語、韓国語、中国語、フランス語、スペイン語、イタリア語などに翻訳され、様々な国で出版されている。
『食堂かたつむり』は、2010年に映画化され、2011年に伊バンカレッラ賞、2013年に仏ウジェニー・ブラジエ小説賞を受賞。
2012年には『つるかめ助産院』が、2017年には『ツバキ文具店』が、2021年には『ライオンのおやつ』がNHKでテレビドラマ化。
『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ライオンのおやつ』は「本屋大賞」にノミネートされた。
他の著書に『あつあつを召し上がれ』『サーカスの夜に』『とわの庭』『ミ・ト・ン』など。
小川糸の作品紹介
『ちょうちょ』(2007年11月)
『食堂かたつむり』(2008年1月)
『喋々喃々』(2009年2月)
『ファミリーツリー』(2009年11月)
『食堂かたつむりの料理』(2010年1月)
『ペンギンと暮らす』(2010年4月)
『ペンギンと青空スキップ』(2010年8月)
『まどれーぬちゃんとまほうのおかし』(2010年10月)
『つるかめ助産院』(2010年12月)
『あつあつを召し上がれ』(2011年10月)
『私の夢は』(2012年4月)
『さようなら、私』(2013年2月)
『リボン』(2013年4月)
『つばさのおくりもの』(2013年4月)
『海へ、山へ、森へ、町へ』(2013年8月)
『こんな夜は』(2014年2月)
『にじいろガーデン』(2014年10月)
『サーカスの夜に』(2015年1月)
『たそがれビール』(2015年2月)
『今日の空の色(2015年8月)
『これだけで、幸せ– 小川糸の少なく暮らす29ヵ条』(2015年11月)
『ツバキ文具店』(2016年4月)
『犬とペンギンと私』(2017年2月)
『キラキラ共和国』(2017年10月)
『ミ・ト・ン』(2017年11月)
『卵を買いに』(2018年2月)
『針と糸』(2018年11月)
『洋食 小川』(2019年2月)
『育てて、紡ぐ。暮らしの根っこ– 日々の習慣と愛用品』(2019年9月)
『ライオンのおやつ』(2019年10月)
『ぷかぷか天国』(2020年2月)
『旅ごはん』(2020年3月)
『とわの庭』(2020年10月)
『真夜中の栗』(2022年2月)
『昨日のパスタ』(2023年2月)
『糸暦 いとごよみ』(2023年4月)
『別冊天然生活 小川糸さんの春夏秋冬を味わうシンプルな暮らし』(2023年10月)
『椿ノ恋文(2023年11月)