ケイチャン
【2024年124冊目】
今回ご紹介する一冊は、
小原瑞樹
『ハートレス・ケア』です。
もくじ
【感想】「イメージで仕事を選ぶの?」
消去法で選んだ職場は
介護職だった・・
望まぬ職場で奮闘する
お仕事小説です
ケイチャン
職業に貴賤なしって、ホントかな?
ふうう~と、憂鬱なため息を連発する
新入社員の大石くん
だって俺の仕事は
介護なんだよ・・
銀行員の友達
公務員の友達
商社勤務の友達
そして俺は介護職・・
合コンに行けば
正面の女の子に
外れくじを引いた顔をされて
コンプレックスを感じてしまうんだ
そう思いながら働く毎日で
同僚や利用者のお年寄りたちと
交流していくうちに
介護職の意義に
気が付いていくんだ
新入社員と言えばなんとなく
夢と希望に満ちていて
ヤル気に溢れているイメージですが
大石クンは、真逆です
介護職に夢も希望も持てなくて
ヤル気なんて出ないよ・・
スーツを着てオフィスに通う
いわゆる『普通』な友人たちが
羨ましくてしかたありません
嫌々ながら働く大石クンだが
そこは真面目な彼のこと
真摯に人と向き合ってゆく
それに好感を持たない人はいない
介護職は人との距離が近い分
ダイレクトに反応が返ってくる
喜ばれるという感情の手ごたえが
たまらない
ケイチャン
そういう前向きな気持ちで
終わるエンディングに
少し成長した若者の姿を見ました
ケイチャン
ネガティブな印象が先立つ
職業の中にも
たしかな喜びが見えました
ケイチャン
イメージだけで仕事を
決めつけてはいけないですよね
逆に人気の就職先だって
きっと辛いことはあるのでしょう
ケイチャン
みなさんも今日も一日
お仕事お疲れ様でした笑
作品紹介(出版社より)
就職活動が難航し、やむなく有料老人ホームで介護士として働くことになった大石正人。介護の仕事に意義を見出せず退職を考えるも、今後の転職活動に支障が出ることを恐れ、せめて半年、その間だけの辛抱だと自分に言い聞かせている。
利用者に寄り添う優しい介護士になんてなれないし、なるつもりもない。人気のある職業に就いた友人の話を聞いては劣等感を抱き、今の自分を「負け組」だと卑下する日々が続く。
どうせ半年で辞めるのに。新しい業務を覚えながらもそう考えていた正人は、現場で働く職員たちの姿を見て、とある疑問を抱いた。どうして、この人たちは介護の仕事を選んだのだろうか――。目次
CARE1 俺の仕事は○○
CARE2 介護職なんて底辺でしょ?
CARE3 尊厳の保持が私の使命
CARE4 人生に、彩りを添えて
CARE5 求める人が、いるのなら
作品データ
タイトル:『ハートレス・ケア』
著者:小原瑞樹
出版社:opsol book
発売日:2024/9/3
作家紹介
小原瑞樹(おはら・みずき)
1991年生まれ。京都市出身。
2023年に「ハートレス・ケア」(旧題:Why do you care?)が第1回ハナショウブ小説賞長編部門大賞を受賞。
小原瑞樹の作品紹介
『ハートレス・ケア』2024/9/3