ケイチャン
【2023年79冊目】
今回ご紹介する一冊は、
佐々木チワワ 著
『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認』です。
もくじ
【感想】「全てに値段がつく時代」
Z世代のカルチャーについて
「ぴえん」という絵文字を鍵に
トー横という路上から
若者文化の潮流を読み解きます
泣きたい、哀しい、辛い
残念な気持ちを表すこの絵文字が
若者世代に広く使われています
この言葉をキーワードに
歌舞伎町のトー横に集まる
居場所がない若者たちの
今が描かれます
『病み』がファッションとなる
病み系ファッションに
身を包んだ少女たちが
同じような仲間を求めて
トー横に集まる
女の子が集まれば
男が寄ってくるもの
こうして集った少年少女が
トー横キッズと呼ばれる
自殺への憧れ
金がかかる推し活
ホストにハマって風俗へ
その全てに係ってくるのが
SNSです
自宅に居場所を無くして
集ってくる少年少女が
痛ましい
我が家ってのは大切なんですね
そしてその少年少女を呑み込む
歌舞伎町という存在
刺激にあふれるそこは
劇薬なのでしょう
彼らを生かす薬にもなれば
彼女たちを狂わす
麻薬にもなる・・
そんな風に思いました
そしてSNS
もはや現実生活と変わらない
重みとなっています
イイね♪に一喜一憂し
生きる糧となっています
生きるために
体を売ってお金を稼ぎ
承認欲求のために
心を売ってイイね♪を稼ぐ
そう身も心も
値段がつく時代になったんです
少年少女はなにが欲しいのか?
居場所
仲間
承認
でもこれって・・
家族でいいんじゃない?
父親世代の僕から見ると
結局家族が機能していれば
彼らが病み落ちせずに
カルチャーとしての
「ぴえん」を楽しめるのでは?
と思っちゃいました
家族のためにお金を稼ぐ・・
だけでなく
家族のために心を砕く・・
そんな父親になりたいものです
作品紹介(出版社より)
1歳・現役女子大生ライターが送る、衝撃のデビュー作!
歌舞伎町に誕生した「ぴえん系女子」、「トー横キッズ」、「自殺カルチャー」、「新世代ホスト」、「SNS洗脳」……etc、なぜ未成年たちは深い闇に落ちてしまうのか――。そのリアルを著者自身の実体験と寄り添う取材で書き上げた現代若者論。巻末には『闇金ウシジマくん』『九条の大罪』の真鍋昌平氏との対談も実現。混迷な時代を生きる”ぴえん”な若者たちのリアルを刮目せよ!
(はじめにより)
午前1時を回った歌舞伎町は、今日も騒がしい――。
路上にはシャンパンボトルを抱えた若い女の子が泣きじゃくり、酔っぱらったホストが女の子と口喧嘩をしている。ゴジラビル横の広場に移動すれば、明らかに未成年とわかる若い男女が酒を飲み、踊る動画を撮影していた。彼らのすぐそばには街娼の女性たちが立ち並ぶ。さっきまで男に話しかけていた制服姿の女子高生は、ホテル街に消えた……。第一章 「ぴえん系女子」の誕生
第二章 「トー横キッズ」の闇
第三章 歌舞伎町「自殺」カルチャー
第四章 「推し活」と「男性性」の消費
第五章 ホストに狂う「ぴえん」たち
第六章 「まなざし」と「SNS洗脳」
特別対談 「九条の大罪」真鍋昌平×「ぴえん系の病」佐々木チワワ
歌舞伎町の住人たちの「病み(闇)」と「承認(光)」
作品データ
タイトル:『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認』
著者:佐々木チワワ
出版社:扶桑社
発売日:2021/12/22
作家紹介
佐々木 チワワ(ささき・ちわわ)
2000年、東京生まれ。小学校から高校までを都内の一貫校で過ごす。窮屈な毎日に嫌気が差し、高校1年生の大みそかに初めて歌舞伎町に足を踏み入れる。以来、歌舞伎町で働く夜職の人々に惹かれ、自身も一通りの職種と幅広い夜遊びを経験。歌舞伎町で幅広い人脈を持ち、大学では繁華街の社会学を専攻している。
『週刊SPA!』(扶桑社)、『実話ナックルズ』(大洋図書)で夜の街に関する記事を執筆。
佐々木 チワワの作品
『 歌舞伎町モラトリアム』 2022/11/25
『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認』2021/12/22